能登の手染め日記

能登の手染め日記

Nov 19, 2007
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カテゴリ: 日々

このブログで時々過去の自分の作品をアップするが、過去の作品と向き合ってみると、「あぁ、こんなことが出来たんだ」と同時に「未熟さが見えてしまう」という両面に出会うことになる。

運動競技など年齢を重ねると身体能力が落ちて記録が落ちるのと同じように、技術的な部分は、ある年齢を限界にして止まり、さらに下降線をたどっていく。もちろん、昔とった杵柄で、ある程度はできるのだが・・・えぇ~っ?ウ~ンと唸ってしまうことがある。

自分自身で、見えるものと出来ることが違うのが身にしみてくる。染色の技術の、指先の感覚もそうだが、目が見えにくくなって体力も衰えて、若いころほどの鋭さは表現できなくなっている。しかし、逆に『モノを見抜く目』は養われているので『出来の悪い部分は見え過ぎるほど見えてくる』。

これが辛い!(^^;)できない自分自身に対してガッカリしてしまうことがあって、落ち込んだりする(--;

若いころに「安易に味を追いかけるな!味わいは勝手についてくる」という教訓を貰ったことがあり、それは「味わいを追いかけると目的が曖昧になる」という理由で、目的とする技術や感覚を磨くことに専念することでもあった。そして、染色工房では、より綺麗な仕事で、より正確に、よりスピードも速める努力を身に付けてきたのだった。

しかし、生地の上で「0.何ミリ単位」の緻密な仕事を持続する力が無くなった今の私には、これ以上鋭利な仕事を追いかけるのはムリだ!(笑

技術や体力の部分で、より早く、より美しく、より正確に!などという要素を追いかけること。これが年齢的な限界があるということは、言葉では分かっていた筈だが、自分自身の置かれている現実に直面すると、いくら頭で分かっていても、この実感に打ちのめされてしまうのだった(^^;、

つくづくと、「より味わい深いもの」を追いかける年齢になったんだと、自覚しなければいけないようだ(^^

このところ少し、この迷路に追い込まれ、ドツボにはまり、もがいていたのだが、目が見えにくくなって(もちろん眼科へ行くが)、腰が痛くなって(もちろん整体に行くが)(^^;)、そういう時期が来たのだと、諦めと同時に切り替える気持ちを持ったほうが良いのだと思うのだった。

うん?・・・単に50歳代の言い訳のような気がしないでもないが(笑






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Last updated  Nov 19, 2007 08:00:48 PM
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