能登の手染め日記

Jul 7, 2008

もうひとつの絵画教室 ◆その３◆

(2)

テーマ：絵が好きな人！？(4067)

カテゴリ：絵・美術について

基本としての　『造形感覚と空間の認識』

本来、絵は自由に描くものだから、描き手が「好きに描けば良い」ような気がする。
しかし、それでは学ぶ人が上達したという実感を得られないことが多い（上達するという実感なしに描き続けることは非常に難しい）。
そこで、できるだけ分かりやすく描きやすい方法で説明する（つもり）・・・（^^ゞ

「好きに描く」というのは、描き手が何らかの努力の結果として「自分の思い通りに表現する」という意味の場合が多い。
大人が思い通りに描くということと、子供が好き勝手に描くのでは意味が違う（^^

「思い通りに表現する」とは、「自分の意識や感覚を発見」し「的確に表現する」ということになる。
意識や感覚を見つけられなくて、気に入らないけれど「どうしたら良いのか分からない」「分かっていても思うようにならない」。というところで悪戦苦闘することにもなる。

絵を描くときに「見たまま」「見えたまま」描いても、「見えたようにならない」。
言葉で説明すると「形の発見」「色の発見」「意識の発見」という大まかな３要素の進め方になる。形と色は物理的なものだが、意識は描き手自身の気持ちや感覚だ。

『私は何をしたいのか』と自問し、発見を重ねていくと感覚が鍛えられていく。

そして描き手は「空間意識」と「造形感覚」を身に付ければよい。
なぜならば、描き手自身も描かれる対象物も、空間に存在し、空間の中の立体造形物だから、空間を無視するということは特殊なことだと言える（^^）

しかし、この２つの意識と感覚は、漠然と学んでいては身に付きにくい。
自由に描く絵の世界では、絶対に必要というわけではないし、造形や空間を無視した絵の描き方もあるのだが、これは経験してから意識的に無視する場合が多い。絵を学び始めた段階では、この「造形と空間」を意識することによって絵は大きく変わってくる。

インド-02.jpg

写真（生徒さんの絵）は鉛筆と色で一通りデッサンした上に、床面の意識を明確にし、奥行きを意識し、背後の３面を意識して描いている状態。水平面・垂直面・奥行きの３次元を理解していても意識することは少ない。こうして、はっきり表現することによって右の象の存在する空間が出来てくる。

そして細かな模様は、今の段階では無視して、象の立体全体を把握することに専念する。
象の色は全体の色をベースにし、最も濃い色（黒ではなく濃い暗緑色）から最も薄い色（白ではない薄い緑色）までグラデーションを明確に描き分けていく。同じようにして左前の象と後ろの水差しも、背景の布も描き進めていく。

アクリル画の場合、細かな模様の形や色は、その後に何度でも上描きできるのが利点。
同じ場所を何度か描き重ねて納得できた状態が、それぞれの完成になる。

こうして描き進めるごとに、奥行きのある絵になり、象は更に存在感を増していく。
・・・筈（^^ゞ

▼ 能登の手の日々
カテゴリー
●全て
●日々
●染色
●能登、そして、この町
●絵・美術について
●ＣＧ
●食べもの

▼ フリーページ
・・・編集中

▼ リンク
●ようこそＮｏｔｏＮｏｔｅ
オリジナルのデザイン・あつらえの着物。染色・草木染めの専門ページです。

▼ お気に入り
ブログ・その他
● Water-Colour
ひろろdecさん
● 日々を綴る
ハナママ３さん
● 紅の水絵日記
M-Crimsonさん
● ＭｏＭｏ太郎日記
ＭｏＭｏ太郎009さん
● Kleine Erfrischung
kamoppieさん
● 考え事ほか
vissel-篤胤さん
● 地元力向上委員会
hanami73さん
● 今日の空
つるまる５さん
● Que sera sera
五右衛門0563さん
● 染工房えむ
koubou-mさん
● バンブーおじさん奮闘記
幸達さん
● てんてん日記
もえぎさん