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百田尚樹氏の『モンスター』を読み終えて脱力感に襲われています
すごいドラマでした、あまりに凄過ぎて言葉がありません 世界一受けたい授業に、ゲスト講師として訪れた百田氏の話や著書の紹介を聞いているうちに、読みたくなりました図書館で借りれるかなと思い、検索しましたが・・・予約数の余りの多さに絶句殆どの著作で速いモノで50番以上・・・中には300番とか・・・冗談じゃない、そんな順番ついていたらいつ読めるか解りません本は読みたいと思ったときに読まないと、最後まで読破できないでしょう。忘れた頃や熱が冷めてしまったときに届いても、「もういいわ」ってことになって読めなくなってしまう気がします。困ったなあと思いつつ・・ぶらりと訪れた書店で見かけた一冊が『モンスター』でした図書館の予約が馬鹿みたいに多かった一冊です。
文庫本といいつつも、ページ数487読めるかな・・不安が一瞬脳裏を掠めたが・・・今買わないと読めない気がして・・・「よし」って買ってきて暇を見ては読み始めたのです最初は「ふむふむ・・・」って感じだったのが、だんだん加速度がついてきて・・・終盤になる頃には、まるで怒涛の渦に巻き込まれるようにワァーッと結末に雪崩れ込みました
本に撒かれた帯には中村うさぎさんの推薦文が載っています
『美容整形は、魔法ではない。
その過程がとてもリアルに描かれている。
ヒロインが美貌を手に入れ、ヒエラルキーがどんどん上がり、周囲の扱いが変わっていく様子も、読み応えがある。
そう、これは女の出世物語なのだ』
と・・・・。
で、私の読後の感想は・・・ 確かに美容整形は魔法ではないだろう。現代は躊躇いなくあっさりと整形手術に走る人々が世界的に増えていると聞く。人工的に美しくなり女としての株を上げていくのが、ヒエラルキーを上げることになるのだとしたら、ある意味そうかもしれない。確かに美人に対しては周囲の眼も扱いも、そうでない女性に比べて異なるかもしれない。それはすなわち女性のイケメンに対する騒ぎ方や扱いがそうでない男性と異なるのと同じだろう。だが、このドラマが女性の「出世物語」だとは思えない
私はこのドラマを調子に乗って読めば読むほど・・・次第にやるせない気持ちに襲われ、深い悲しみと哀愁、悲壮感といってもいいかも知れないが、そういうナントも重い憂いに包まれていくのを感じた。
意地になり執念の塊になって整形手術を繰り返す主人公の日々・・・彼女が過去にどれだけ深く苦しみ傷ついてきたかを痛感し・・・ただただ、ひたすら哀れだった。同情ではない、救いのない悲壮感が高まっていったたとえ人工的な美人になり、過去のリベンジを掛けて生き直すといっても、ドラマの最後は余りに悲劇的で報いの少ない最期だった気がする。一瞬の幸せのために人生の全てを掛けた生き方が果たして出世物語になるのかどうか、私には解らない
ここまで追い詰められなくても、これに類似した想いはおそらく世の多くの女性は胸の奥深くに持っていると思う。驚きなのが、このストーリーを描いたのが男性だということだ。よくここまで女性の深層心理を読み解き深く抉るようにリアルに表現できたということだすごい観察眼と言うか洞察眼と言うか・・・でも、疲れた。本を読んでこんなに疲労感を覚えたのも珍しい。
もう少し落ち着いたら、今度は時間と日数をかけてゆっくりもう一度隅から隅まで余すところなくジックリとこの本と向き合って読んでみたいと思う。
大きな渦に巻き込まれるように、場所によっては流すように読んだところもあるので・・・そうしたら、また異なった感想が湧いてくるかもしれない。
本当にイイ本ならば、読めば読むほど味わいが増し、深く極められるはずだから。
必然を偶然にする策を練る
顔を変え名を変え過去を捨てた道
美しさが全てを制すおぞましさ
see you again