真理探究と歴史探訪

真理探究と歴史探訪

2009年03月13日
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特に画像の中央部にある「五芒星」が際立つように、その1面を真正面にして撮影した。

やはり意識していると不思議なものである。一昨日、この「五芒星」にまつわる情報が舞い込んできたのであった。


それは、今月3月10日の日本経済新聞の文化面に掲載された記事で、『黄金分割は「神話」だった』という見出しだった。

この記事を書かれた関隆志(せきたかし・宝塚造形大学教授)氏は、ギリシャ考古学を専門とされ、そのライフワークの一つが「アッティカ杯」の研究ということである。

ギリシャはアテネ市のあるアッティカ半島では、紀元前6世紀から同5世紀末にかけて、宴会用の酒器を中心に膨大な数の陶器が作られたとのことで、「アッティカ杯」とはその古代ギリシャの杯のことをいうそうだ。

関教授は欧州において、国宝級の作品をはじめとする400以上の杯を実地調査した結果、古代アッティカ杯には「星形五角形」が隠されていることがわかったということである。

つまり、杯の口部の円周と脚部台の円周の比は【1対0.38】であり、これは「星形五角形」の外接円と、その中心にできる小さな五角形の外接円の比と同じということ。

さらにこの「星形五角形」は、古くから世界各地で魔除けの護符に用いられたことが知られており、この〔魔除けの比〕と呼ぶべき比が、例外品を除くと97%の作品で見出されたとのことだ。




しかし「黄金分割」という呼称は、オームの法則で名高い物理学者の弟で数学者だったM.オームが1835年に初めて使った新造語で、問題は同じ言葉をセクツィオ・アウレアとラテン語で呼んだことにあり、この「黄金分割」があたかも古代から存在したかのように見せかけたところにあるとのこと。

さらに困ったことに、この「黄金分割」の記号としてΦ(ファイ)が使われたが、これは20世紀初頭にアメリカの数学者M.バーが提唱したとされるが、古代ギリシャの大彫刻家フィディアスの頭文字を、根拠もなく借用したとのことだ。

また、ギリシャのパルテノン神殿等の神殿正面の幅と高さと比に「黄金分割」が見出せるとする研究があるが、実際の測量ではかなりの誤差があるために、厳密なものとはいえないようである。

これらのことから、「黄金分割」のいわゆる「黄金比」とは、古代ギリシャへの思い込みがもたらした「神話」であり・・・「理想の調和」がギリシャで生まれたという話の方が夢があっていい・・・と関教授は述べている。


さて画像の造形は、外側を構成する面としては『五芒星(星形五角形)』を単位とし、これを1面とする計12面で構成したものだ。

別の表現でいうと、造形の中心から全方向に発出する30本の軸線の先端が、全体として「ひとつ」の調和を形成するとき、結果的に外面形としての「五芒星」が、全部で12面を構成する配置となる。

学術的にも、また今までの製作経験から、「五芒星」系の立体は各種あるのだが、特に画像の造形の持ち味は、(五芒星もさることながら)「五角形」と「六角形」が造形の中心を共有するかたちで見出せるところにあると、今の私はそのように感じる。

(※ちなみに、この造形に見出せる「五角形」とは、画像の「五芒星」の周囲を取り巻くように見える「五角形」のことである。)


次回の画像では、造形に秘められた「六角形」が確認できるように、同じ造形を別の角度から映した画像を掲載してみよう。





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最終更新日  2009年03月14日 00時24分14秒


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