真理探究と歴史探訪

真理探究と歴史探訪

2010年10月25日
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昨日のブログで、奈良の「平城遷都1300年祭」に向かうには、その前に「群馬」に行く必要があったと感じていたことを記した。


現在の群馬県域は、旧国名の「上野(こうづけ)国」とほぼ一致するとのことで、さらに古くは「毛野(けぬ)国」と呼ばれ、往時の毛野国は現在の群馬県(上野国)と栃木県(下野国)の両県域にまたがる国域だったという歴史がある。

その毛野国は後に、上毛野国造(かみつけぬのくにのみやつこ)の領域(後の上野国)と下毛野国造(しもつけぬのくにのみやつこ)の領域(後の下野国)に分けられたとされる。

そして奈良時代に入るとすぐ、和銅6年(713年)の諸国の風土記編集の勅令により、国・郡・郷名はその土地にあった漢字二文字で表すこととされ、この時「上毛野国」は「上野国」に、「車郡」は「群馬(くるま)郡」に改められたということだ。

つまり現在の県名の「群馬(ぐんま)」とは、「上毛野国」の国内にあった郡名の「車(くるま)」に由来するとのことである。



さて、この度の四度目の群馬行きで、県内にある三つの博物館を訪れたことは、群馬の歴史や文化を知る上で、とても参考になった。以下にその三つの施設のURLを記しておきたい。


「群馬県立歴史博物館」 http://www.grekisi.gsn.ed.jp/

「かみつけの里博物館」 http://www.city.takasaki.gunma.jp/soshiki/kamihaku/

「 榛東村 耳飾り館 」 http://www.vill.shinto.gunma.jp/sisetu/sisetu03.htm





☆大和朝廷の成立前後の時代、関東で最も有力だった地域は「毛野国」であり、当時の有力豪族の中でも「毛野国」の王族は、西の九州北部豪族とも並び立つような存在であった。

☆「毛野国」は「毛の国」であり、もともとは「毛人国」で、この名を付けたのは、3世紀にこの地に進出してきた大和王権で、その名の由来は「毛人の住む国」である。

☆糸静線(糸魚川─静岡構造線)よりも東の「東北日本の住民」のことを、大和王権は「蝦夷(えみし)」と呼んだが、この「えみし」を「蝦夷」と表記したのは7世紀以降であり、それ以前は「毛人」と書いて「えみし」と呼んでいた。

☆「毛人」にしても「蝦夷」にしても、その漢字そのものには「えみし」という発音に繋がる読み方はみられない。

☆アイヌの一派で、樺太アイヌの言葉の「人」を意味する言葉は「encu」であり、「えみし」に音が似ているので、おそらく「えみし」とは東北日本の土着語で、彼ら自身の自称であり、「人間」という意味の言葉だった。


・・・以上の抜粋から連想できるのは、いわゆる太古日本の縄文文化圏が、この地域に色濃く存在していたことである。

それは、上述の歴史博物館を見学すれば明白だが、とりわけ「耳飾り館」に展示してある『縄文の耳飾り』の現物を観たとき、その卓越した素晴らしい細工に、いわゆる縄文工芸の粋を垣間見た思いがした。私的には、縄文の火焔土器を見たとき以来の大きな感動であった。

その『縄文の耳飾り』とは、榛名山の東麓の榛東村にある「茅野(かやの)遺跡」(縄文時代の後期から晩期にかけての遺跡)で発掘された「土製の耳飾り」で、国の重要文化財に指定されている。

かつて全国津々浦々の縄文遺跡を巡ってきたが、この首都圏に近い群馬県内に、これほどまでに縄文系譜の深い文化が眠っていようとは・・・感慨ひとしお・・・である。


以上簡単ではあるが、私なりに感じた「群馬の魅力」について、歴史的側面から記してみた。





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最終更新日  2010年10月25日 09時45分56秒


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