真理探究と歴史探訪

真理探究と歴史探訪

2022年10月07日
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氏との初見は1987年頃(東京)であり、それから個人的に何度かお会いして以降、前回は2010年に山口で開催されたワークショップだったので、今回は実に12年ぶりの再会であった。


さて今回のワークショップでは、原型はフラーが考案し具現化した「テンセグリティー(※)」だが、それを梶川氏がさらに研究開発し洗練させた構造を、氏の明快で詳しい解説を受講しつつ計25名の参加者(私を含む)と共に制作したものが、直下の画像に映る造形である。

(※)テンセグリティーとは…非連続な圧縮材を連続した張力ネットワークにより統合した超軽量構造体のこと。ちなみに今回のワークショップで使用した材料は、「圧縮材」として計30本の”丸棒(約22cm)”と「張力材」として計30本の”強力な炭素繊維”であった。



ここに上下二枚のテンセグリティーを映した画像を掲載したが、上の画像に映る構造が”左まわり”のテンセグリティーで、下の画像に映る構造が”右まわり”のテンセグリティーである。この二つの画像を見比べると、言わば左右逆転の”鏡像関係”になっていることがわかるであろう。

そこで今回のワークショップで制作したテンセグリティ(上の画像)は、”右まわり”を指導されて作ったわけだが、一度解体して自宅に帰ってから”左まわり”で制作し直したものである。というのは、下の画像のものは今から12年前に、山口で同氏のワークショップが開催された際に制作した”右まわり”の構造だったので、”右まわり”と”左まわり”の2種類のテンセグリティを手元に置きたいと思ったからであった。

☆関連記事・・・​ 2010年9月20日《テンセグリティー・ワークショップ…合宿参加の感想》



上記のように、今から12年前に山口で制作したテンセグリティーは、“右まわり”の構造だったわけだが、実はその際に・・・左右二種類の回転方向があるはずなのに、なぜこの”右まわり”で制作するのだろう・・・という素朴な疑問が湧き、いつか”左まわり”の構造も作ってみたいと思った覚えがある。





ところで、今回のワークショップが開催される前日になって、いつも行動を共にする知人から「フラーレン(※)」に関する情報が入った。

(※)そもそも「フラーレン」とは、”バックミンスター・フラーレン”とも称され、炭素のみがサッカーボール状に構成された分子式「C60」の球状分子。グラファイト、ダイヤモンドに次ぐ、第3の炭素同位体である。加えてこのフラーレン分子は、「粒子と波動の二重性」が実験的に観測された最大の粒子とされている。ちなみにこの分子の名称は、この分子構造と類似している”ジオデシック・ドーム”を考案したフラーに敬意を表し名付けられた。

その上京前に知人から得た「フラーレン」に関する情報のなかで、特に私の目に留まったのは《医薬》への応用面(以下Wikipediaより・・・)であった。

・・・ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の特効薬としての利用が検討されている。HIVは増殖の際にHIVプロテアーゼという酵素を必要とする。この酵素は脂溶性の空隙があり、ここにちょうどフラーレンがはまり込んでその作用を阻害する。このためある種のフラーレン誘導体は抗HIV活性を示し、臨床試験が進行中である・・・。


そして「テンセグリティー」と「フラーレン」の構造には確かに類似性があり、それは別名「C60フラーレン」のサッカーボール形状(準正32面体)を、双方の共通基盤に据えることができるのではないかという着想が、おぼろげながら上京前日に自身の脳裏に浮かぶのであった。

そうして10月1日に東京開催のワークショップに参加したわけだが、梶川氏のテンセグリティーにまつわる講義の序盤で”テンセグリティーとフラーレンの関連性”、つまり「テンセグリティー」を「フラーレン」の構造に近づけるには技術的にどうすれば良いか等という話題になった時、私はいわゆる”共時性”を感じ心底驚いた次第である。


そこで、冒頭の画像と末尾の画像に映る造形は、当日の14時から19時頃までのワークショップを経て、20時頃から22時頃までは会場近くの中華料理屋において懇親会、22時頃から24時頃までは喫茶店での語らい、そして最後は24時から翌2時まで梶川氏とサシでの雑談を元に、東京から帰宅した3日の夜分より、作り置きのサッカーボール形状(銀色のフラーレン構造/素材は綿棒)を基盤に制作に取り組み、《10月5日》に生まれた「新作の造形」である。

この「新作の造形」の全体像を簡単に解説すると、上掲画像の冒頭と末尾の二種類の「新作の造形」と"右まわり"と"左まわり"の二種類の「テンセグリティー」は、共に五角形状の窓(空間)を正面にして撮影したもので、「新作の造形」として”右まわり”のテンセグリティーの「圧縮材」30本の〈見立て(素材は竹ヒゴ)〉を「青色」に着色し、”左まわり”のテンセグリティーの「圧縮材」30本の〈見立て〉を「赤色」に着色して、計60本を銀色の「フラーレン構造」に配置したものとなる。

本日の日記は、かなりマニアックな内容になったのだが、この左右二種類のテンセグリティーの要素を孕んだ「新作の造形」は・・・これからの新しい時代を切り開いていく「手がかり」が潜んでいるに違いない・・・と、私的に感じ始めた今日この頃である。





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最終更新日  2022年10月07日 16時20分19秒


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