コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

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2025.12.04
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カテゴリ: コミック感想
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これは一巻で終わりで良かったんじゃ…って内容です。
ものすっごくうすっぺらい話なので、不遇な目にあっていたヒロインがイケメンと出会って幸せになりました、チャンチャン♬というだけの話で良かったと思うんですよね。
まあつまり…つまらなかったです。
なんつかーか。薄味っていうか。

絵はかわいらしいんですが好まれる方も多いと思いますが、動きのある絵は描けないので、基本的にはバストアップで話が進みますし、そこ描いてくれよってところはごまかされますし、剣の練習のとこなんてどうなってんのかわかんなくて「キンキンキンキンッ」ですわ。笑ってしまいました。いやほんと、こんなことあるんだねぇ
これはたぶん笑わせに来てるんだと思いますよ
「キンキンキンキィン!ズオッ」ですよ?
で、この時にどんな動きしてるかわからなくて、棒立ちなんですよ。剣を持っているところすらまともに描けていません。



冒頭でヒロインのリリアーヌが子供のけがをヒールしてあげるんですが、飛び跳ねて喜ぶ子供の格好がもうね…座ってるだけのポーズでしかなくて・・・いやその前に膝をみせてもらうシーンなんて、どっから膝はえてんだよっていう有様
というか子供が転ぶシーンもおかしいんですよね。どっから子供出てきた?これ見よがしに転んでますが、もうほんと不自然極まりなくて。

これ、じつはヒーローにあたるフェルナンの登場もそうなんですよ。
なんで怪我をしてリリアーヌの前に現れた?だってそこフェルナンにとっては「他国」なんですよ?
何者かに追われていたなら「何者かに追われて逃げている」シーンを描かないと。馬もいないし追手もいない。そしてフェルナンはそれを確認すらしないんですよ。

気を失って倒れてリリアーヌに怪我を治してもらってひとめぼれ。ただ、そんだけのために現れてるんですよ。「過程」はどうした?
あとで語られるにしても、「怪我」をした経過くらいは描いてもらわないと、なぜ他国の公爵がリリアーヌの前にいるのかがわかんなくて、不自然極まりなく、読み手としては、そこで「なんじゃこりゃ」となってしまうんですよ。
そして怪我の具合にしてもそうで、服の上から血がにじんでるみたいな描き方しかしてないので、リリアーヌが「ヒール」して治す展開もすごく雑なんですよ。
怪我の具合もわかんないうえに、服が破れてるかもわかんない絵になってる。
なろうあるあるなんですよね、怪我がなおったら服まで修復されてるっていう。

それはさておき。

なんでやねんの連続が続きすぎて。もうね、ここで話を読むのを切られるレベルですよ

一見かわいらしい絵ですのでごまかされてしまいますが、バストアップ以外の絵ははっきりいってうまいとはいえません。漫画の展開の仕方もなんつーか…うん、「経過」を書いてくれないのですごくわかりにくく、唐突です。


何よりこの漫画の良くないなと感じたところは、「美しさ」の基準がないことです。

ヒロインのリリアーヌがいる国は外見の美しさがすべてを決め、美しくない女性は価値がない、とさせているんですが、リリアーヌはとてもかわいらしく描かれてしまってるんですよ。となると、「背が低い」だけが「美しくない」とされる理由になってしまうんですよ。

しかもモブキャラもね、全員「美しくない」見た目なんですよ。


さらに言ってしまうと、この「美しさ」って女性だけにかかるものなのかもしれないけれど、だとしたら男性陣は?
この男性陣ってのがまたみんな美しいとは無縁なんですよ。元婚約者はともかく、王様もリリアーヌの父親も、小太り…つまり「背の低い」「でぶ」なんですよ?

男は「背が低く」「でぶ」なのが美しいとされているのなら、なぜ元婚約者はシュッとした体形の美男に描かれてるんでしょうか?
そして目鼻立ちの整った顔立ちと豊満な体つきが美しさの象徴であり、それが女性の価値を高めているとれるのなら、年老いた女性は?それに当てはまらない女性たちはどうしているの?

もうね、この「美しさ」に対する基準がないのも問題だし、この物語に登場するのがヒロインとヒロインの周りにいる数人しかいないのが問題なんですよ。

王国、つまり国民がいて、その国民らにもその「価値観」はもとめられているのか。あるいは美しさは王家に連なるもののみに求められるのか、それらがわかんないんで「醜い」と嘲られるヒロインになんの同情もできないんですよ。
だってヒロインの侍女は「醜い」ですよね?なのに伯爵家に仕えることを許されるんですか?ならば「美しさ」に価値があり、それ以外は蔑視されるという価値観に釣り合わないでしょ?

そこはもう、ヒロインの周りに美女ばかりをかき集めて、それに比べてあなたはこんなにも「醜い」とするならわかりますよ?

ヒロインが言うように「この国では外見の美しさで価値が決まる」というのなら、ヒロイン周りにいる存在全員が「豊満な体つきの美女」でなければならないでしょ。

侍女は別に美しく無くてもいいという価値ならそれは「女性の価値は美しさにある」わけではないってことですよ。

これ、うまくすればもう少し面白くなったと思うんですよ。
たぶん「ルッキズム」に対する揶揄なんですよね?

ならば男側が勝手に決めた「歪んだ女性像」が国中に浸透していて、豊満な体つきではなく顔立ちも並以下の女はことごとく国外追放や奴隷のような扱いをうけている。王城にいるメイドらはすべて見目の麗しい女性たちで揃え、もちろん肌の露出も多い格好で、「不細工な王家の男たち」をちやほやしている、という醜悪な光景がある、という設定にしてしまえばよかったんですよ。

そして、なにもヒロインのリリアーヌをあんな美少女にする必要はなく、もうちょっと「醜さ」を演出すべきだった。

小柄なのはそのままに、せめて金の髪はくせっ毛でちぢれているとか、赤毛が混じっているとか、目立たぬ程度でもいいのでそばかすがあるとかね。

そばかすを嫌う傾向があるのはわからなくもないんですよ。なのでそばかすやホクロを「醜い」ものして描けばよかった。

でもリリアーヌは心根の美しい女の子だ、という風にすればよかったんですよ。
そばかすだって、好みはあるでしょうが、可愛い女の子として描けると思うからです。
愛嬌があって、笑顔が明るいというところにスポットをあててもよかった。
まだ若い女の子なんですから、磨けば光る素材として、イケメンに愛されてちやほやされて、美少女に生まれ変わればいいんですよ。

「可憐」ってそういうことでしょ?
ごくふつうに、ちょっと可愛い程度にしておけばよかったのに、最初から美少女として描かれているので、

「外見の美しさで価値が決まる」とか言われても納得できないんですよ。

つまり、それだけこの物語の設定の薄さが際立ってしまうともいえます。


どーせイケメンにちんやほやされるだけの話じゃん、となってしまう。


うえで描いたように「ルッキズム」に対して物言いたいなら。それらしく描かないと読み手にはなんも伝わらないんですよ。


リリアーヌの妹も、なんで姉ばっかりがいい思いをするんだ、私のものを奪っていくんだとキレちらかしてますが、具体例がなんもないので、なんでそこまでキレるのかわかんないんですよ。
べつに奪ってないやろ。姉ばっかりいい目にもあってないし、こいつはなにをいってるんだ、と。


魔法についてもそうで、なんか中途半端なんですよ。
なろう系なんでとりあえず魔法で無双させたいのかもしれませんが、そのせいで話の軸がどこにあるのかがわからない。

「醜い」がゆえに排斥されてきたことを落ち込んでいるのかといえば、案外そうでもないしね、リリアーヌ。しかも優しさもあまり感じないんですよ。
妹がすっころんで「すっきりした」って…うんまあ、わかりますけど。
なんつーかほんと、JCですよね…
感じ悪いというか、思いやりのない子だなと感じてしまいましたよ。
意趣返しはイケメンゲットですでにすませてるんだから、すっころぱせて「スッキリした」なんてのはちょっとやりすぎだし、幼稚です。
こんな思考のヒロインのどこか「可憐」なんだろう…



まあようするに、なろう系でしかない物語で、その設定もベニヤ板をさらに薄く削ったくらいにぺらい。
その程度の話ですが、パッとみた絵は華やかでかわいらしいので…流し読みするくらいならいいんじゃないかとと思います。
「キンキンキンッ」は笑いどころとしてお楽しみください。





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最終更新日  2025.12.04 22:00:05
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