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周りの景色が 徐々に希薄になりはじめ 時間さえも透明度を帯びていく・・・
仲間の存在が消えていく・・・
音が消えていく・・・
ここは ヤツと俺の存在だけが許される空間。。
俺の全てがここにあり ヤツの全てがここにある。
「奮っ!!!」 一気に気息をとめ 精神領域 を広げた。。
目に見えぬ微細な ガラスの繊糸がヤツに伸びる。
極度の精神集中を続ける俺の鼻からは ひとすじの血 が滴りはじめていた・・・
(捉えたっ!!!)
結界の網
に捉えた瞬間 膨大な ドス黒い瘴気が 逆流する。
「怒」 「痛」 「怨」 「呪」 「喰」
並の人間なら ここで発狂してもおかしくないほどの 暗黒の渦
(おもしれぇじゃね~か・・・・) 獰猛な笑みを俺は浮かべていた。
この 命のやり取り をしてぇからこそ 俺は ハンターの道 を選んだのだ!
自らの命をかけてこそ 相手の命を奪う事が許される。
一度でも そんな経験をしたら もう日常の生活なんて1秒だってできやしねぇ。
そんなもんだろ ハンターなんてよ・・・
俺 と ヤツ せめぎあう意識・・・
俺の意識は ヤツの意識と完全に同化しはじめていた。。
憎しみに満ちた色が俺の心を掴む。
なぁ もういいだろう・・・
お前も生きるために必死だったとはいえ 生命の理 を汚しすぎちまったよ・・・
右腕で斬られた頭頂部を掻き毟る。。 そうだ・・・
0.9秒後 頭に刺さってる異物を 左腕で引き抜こうとする。 よし・・・
2.4秒後 唯一 この場に立ってる俺を見つける。 ああ 俺はここだ・・・
狙撃チャンスは 今から 5.5秒後 俺めがけて飛び掛かかる刻こそが
俺とお前に残された 最後の瞬間
だ。。
トリガーにかかる指先は 最後の時を静かに待っている。
全神経が 指先を動かすこと ただ一点のみに集中しはじめていた。
高鳴る鼓動
トクン・・・
トクン・・・
ドクン・・・
ドクッ・・・
きっかり5秒後 ヤツが全身をたわめ 空中に跳ね上がった!!!
お前の魂を 俺にくれ・・・
俺は一気にトリガーを引いていた。
続く・・・・・