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英国の冒険小説家アリステア・マクリーンの「ナヴァロンの要塞」(ハヤカワ・ノヴェルズ版)を古本で買って、読み始めました。 8月にマクリーンの小説を何冊か買ったときには、2,000円以上の価格がつけられていたので除外したけれど、469円に値下がりしたので購入しました。
奥付を見ると、昭和50年10月31日 4版発行となっている。定価は750円。
「ナバロンの要塞」の邦題で、映画が日本公開されたのは昭和36年(1961)8月。その原作小説として早川書房からハヤカワ・ポケットミステリとして刊行されたのが昭和41年(1966)11月。私が昭和45年頃に初めて買ったのがこの本だったが、製本が悪かったのか、ページが取れてバラバラになった、と以前に書きました。 その後、ハヤカワ・ノヴェルズとして再刊された時に買いなおした本が、今回、ネット注文の古本で買ったのと同じものです。
いま、全277ページ(2段組み)の122ページまで読んだところです。
映画とは異なって、登場人物のキャラクターが内面まで細かく描写されていて、とても面白い。
指揮官のキース・マロリー大尉、彼と古いつきあいのアンドレア、爆薬の専門家であるフケツのミラー伍長、エンジニアで船舶機関士のブラウン、登山家のスティーブンス大尉(予備部隊士官で経験の浅い若者)の4人の男たちが、ドイツ軍が支配するナヴァロン島に潜入して、巨大な要塞砲を爆破する物語です。
任務を与えられた彼らがオンボロ機帆船に乗って、暴風雨の大波に見舞われ、ナヴァロン島の断崖絶壁下にかろうじて上陸する。どしゃ降りの雨が降る低温下の、厳寒のなかで断崖絶壁を登攀する。 マクリーンの冒険小説の大きな特徴として、嵐や雪、雨など厳寒極寒の自然の猛威が主人公たちを見舞うのですが、この「ナヴァロンの要塞」も例外ではない。前半部は山岳登山小説かと思うような登攀シーンです。疲労困憊の彼らの前には、大自然の猛威だけが敵ではなく、島にはドイツ軍の精鋭部隊がいる。
登場人物たちがとても魅力的です。映画ではグレゴリー・ペックやアンソニー・クイン、デヴィッド・ニヴン、スタンリー・ベイカー、アンソニー・クエイルが演じた勇敢な男たち。しかし、映画よりもこの小説の方が段違いに魅力的で、たくましく、頼りになる、やさしい男たちとして描かれている。平井イサクさんの翻訳がとてもいいです。
小説「荒鷲の要塞」 2024年08月15日
アリステア・マクリーンをもう一度 2024年08月07日
乱歩の「蜘蛛男」 2023年03月27日