架空世界の放浪者ランドの「冒険日記」

2005/07/17
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カテゴリ: 大航海時代
リスボンから南に30日ほど、アフリカ西岸にサンジョルジュはある。
金やダイヤモンドを産出し、香料や酒類、工芸品の売り場としても優れている。
サンジョルジュはポルトガルの資金源として、死守すべき同盟領の一つだ。

その、ポルトガルの生命線ともいえるサンジョルジュに、イングランドが攻撃を仕掛けてくるという情報が入った。世界中の酒場は、戦争の噂で持ちきりだ。ポルトガルはカリカット、アンコナに続いて3連続の大海戦だ。

ポルトガルは、カリカットでイングランドに大敗した後、その敗戦を糧に結束を強めてきた。なぜ負けたのか、どこが悪かったのか、戦力の増強と支援体制の確立・・・そういう討議が連日連夜繰り返された。味方のよかったところをさらに伸ばし、敵方のいいところを柔軟に取り入れ、ポルトガル独自のノウハウと蓄積してきた。

そして、サンジョルジュ防衛の初日を迎えた。

私が組んだ艦隊は、前回のアンコナ戦の最終日に一緒になった船長達だ。その時の戦果がよかったのと、お互い気があったので、次回も組もうと固い約束を交わしていたのだ。

提督は「Zephyra」(通称:ゼフィ)世界最高水準の回避能力を有し、提督になるために存在するような船長だ。
提督護衛は「サイオン」身を挺して提督を守ることに定評がある。艦隊を敗北させないための最期の砦だ。

そして私「ランド・フォックス」は、遊撃手兼艦隊指令だ。ブイからもたらされる戦況を分析し、必要なものを提督に伝える。また戦闘になれば全体を見渡し、優勢なら攻撃に転じ、劣勢なら提督護衛に回る役割だ。

戦闘は、決められた時間に行われる。私は、前日からサンジョルジュに入り調整をしていた。後は、海戦の時間を待つだけだ。サンジョルジュの街に続々とポルトガル人が集まってくる。軍人はもちろんのこと、支援物資を販売する人、情報収集をする人、艦隊支援をする人などなど。実に多くのポルトガル人が大海戦に関わっている。戦いは、軍人だけでは出来ないのだ。支援部隊、後方部隊が充実すればするほど、勝利の確率があがってくる。

まもなく海戦の時間だ。
私達の艦隊は、もういまさら細かいことを説明する必要はない。あとは、各自自分の役割にしたがって思い存分戦うだけだ。決まった相手と組むと、すでにお互いの役割と動きを熟知しているので、戦果があげやすい。今回は戦功10を目指そうと各々が口にする。

ポルトガルの役人から拠点防衛の依頼を受ける。そして出向所に向かう。装備や船の備品、大砲の弾、資材、食料や水を確認する。今回は、事前のブリーフィングで帆の色を統一しようという申し合わせがあったので、普段、赤い帆をトレードマークにしている私も、このときだけは帆を蒼く染めることにした。

「ポルトガルブイより入電。イングランド艦隊サントメより出撃した模様」
「くりかえす、イングランド艦隊、サントメより出撃中。」
「数は、5艦隊、いや10艦隊、いや・・・30艦隊。うわぁぁぁ数え切れません」
「艦隊は、サンジョルジュ方面を目指して進軍中」

ポルトガルの情報ブイから、イングランド艦隊の出撃が伝えられた。

「時間だね。じゃあ、行くか」

「おう。」
「いくぞ~」
艦隊のメンバーがそういうと、ギニア湾に船を出した。
今回の編成は、全員、鉄張りの戦闘ガレオンだ。
連携の取れたメンバーで、鉄張り戦闘ガレオン。


海にでると、ポルトガルの艦隊がサンジョルジュより続々と出航してくる。
ほとんどの船が、帆を蒼く染めている。ポルトガルの統率度合いの表れだ。
サンジョルジュの青い海に、右をみても蒼の帆、左をみても蒼の帆、前も後ろも蒼の帆が広がっていく。海一面が蒼く染まっていく。

私たちは、情報ブイからの連絡で、南西に布陣することにした。
今回は、防衛戦だ。無理に相手の懐に飛び込む必要はない。じっくり待って、相手を誘い込み、一気に叩くのだ。
出撃し、1日が過ぎ、2日が過ぎる。しかし、まだイングランド艦隊は見えない。元々、攻撃好きが集まった艦隊なので、自らの戦闘意欲を抑えるのが大変だ。

「2時の方角にイングランド艦隊発見」
見張りから伝えられる。艦隊に緊張が走る。できることならこちらから、有利な陣形で戦いをしかけたい。
「全員、戦闘配置につけ」
私の副官が、激を飛ばす。
「戦闘いきます」
提督のZephyraから、戦闘開始の報が届く。
「全軍、攻撃開始!」

私は援軍を呼びつつ、敵の旗艦に向かって船をすすめる。艦隊の規模は格下だ。
敵に先に援軍がつかなければ、相手の旗艦を逃さなければ、勝利は固い。
相手もそれを感じ取ったのだろう。必死に逃げる。

Zephyraは、安全圏に待機し、サイオンは突然敵の援軍が現れてもいいように提督に付き添う。
thReadとレスタルは相手の幕艦を蹴散らしながら、旗艦に迫る。レスタルが、相手の旗艦を射程に捕らえた。
「ドド~~~ン」
レスタルの砲門が全門火を噴く。
一瞬にして、敵の旗艦は、海の藻屑になった。
「勝利!」

その後、私達の艦隊はその後、順調に勝利を重ねていった。
私たちだけでない、ポルトガル全体も次々にイングランド艦隊を撃破し、勝利数が伸びていく。

一日目の結果は、ポルトガル100、イングランド65となった。
カリカットで敗戦して以来、はじめての勝利ポイントだ。
そして、二日目では、ポルトガル67、イングランド31。
最終日には、提督護衛のサイオンがこの世界にこれないため、急遽オクタビアヌスを仲間に向かえ戦うことになった。
そして、結果は、ポルトガル73、イングランド56となった。

3日間のトータルでは、ポルトガル240、イングランド152と、イングランドに100近い差をつけた。その結果、サンジョルジュにおける影響度は、ポルトガルが62%から73%に、イングランドが35%から24%になった。

イングランドはサンジョルジュ攻撃を失敗しただけでなく、大きく影響度を落とすことになった。この海戦の勝利は、ポルトガルにとって投資額1G以上の効果だといわれている。

そして、このサンジョルジュ攻防戦のことを、後世の歴史家は、勝利したポルトガルが帆を蒼く染めていたことにちなんで、「蒼の海戦」と呼ぶようになったという。







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最終更新日  2005/07/18 02:13:22 PM
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