2004.09.10
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  胃の中に鉛のかたまりを押し込まれたような気分で帰宅した昨日、苦月9日。
  ええ、もうM保育園の主任先生は 健常児 という言葉を使い、他のこどもとこたけを
  はっきり区別してしました。


  こたけはまだ、病気と決まったわけじゃない。
  でも留意すべき特性があるのは事実で、
  そういった状況についての知識や経験を持った保育士さんが常時いる園なら、
  なおさら安心して預けられるような気がする。
  早速タウンページと i‐子育てネット を開いて 障害児指定園 を検索、
  片っぱしから電話してみます。

  M保育園との連絡がなかなかとれなかった頃、どこも一度は打診して定員の問題で断られた所ばかり。
  そりゃそうだ。もう1ヶ月ないんだもん。
  1箇所だけ園長先生みずから電話口に出て
「いいお返事ができる可能性はないに等しいが、
   全力であたってみて、それでもダメならもう一度連絡してきなさい」
と。
  K保育園、ここは医療の知識を持った保育士さんがいて理想的です。



  明けて10日、M保育園の主任先生からの電話。
「やはり当園は 健常児 の経験しかないので、理事や園長、職員全員と相談した結果
病気ではないという証拠があれば、お預かりすることは可能です。
   専門機関で診断を受け、その結果が出てからのお話にさせてください」


  何かあった場合に対処しきれないことや、
  万一ほかのこどもに影響があったときに責任が持てない。
  それは充分わかりますがね、
  「こたけは健常児です」と書かれた診断書をもらって来たとしても
  だからといって癇癪がなくなるわけじゃないでしょうよ。
  障害児指定園ならば、あらかじめそういったこどもがいるのを保護者も承知しているけど
  ケガや事故の危険性がゼロになるわけじゃない。
  頭をぶつけたり急にひっくり返ったり、そういう状況を懸念しているのではなくて
  あくまでもわたしの受け取り方ですけど、
  健常児か障害児か、そこだけがクローズアップされてるような気がするのはすでに卑屈ですかね。


  診断と言っても、障害か成長段階の一時的なものかの判断は
  早くても3歳、こどもによっては小学生くらいまでは確定できないと言われてます。
  障害児指定園でも、障害児として扱うのは3歳以降だそう。
  1歳半健診や、その後の心理相談でも持ち上がった児童精神科の受診。
  自閉症などの認知度が一気に上がったのと、この地域では専門医が今までいなかったせいで
  診察予約は郵送のみ、しかも初診は半年待ち、
  診断が下るまではさらに検査で数ヶ月がかりなのです。
  そこをどうやって、今月中に結果を出せと。
  ムリを承知で電話して、キャンセルがあればそこへ入れてもらえることになったけど
  それでも来月になるでしょう と。
  幸い予約に必要な書類はもう手に入れてあったので、郵便局で速達発送。
  考えうる手は全部打っておきたい、猫をも噛みたいネズミの気分。





  さて午後。
  行き場を失ったわたしたち、市役所の児童福祉課に駆け込みます。
  職場復帰まであと20日しかない状況で
  いったん内定をもらっていた保育園から断られてしまいましたどうしましょう。
  担当の職員さんも、M保育園の園長と主任先生の連絡の悪さに首をかしげるばかり。
「癇癪が激しいことを事前に言っておいたにも関わらず、
   この期に及んでそれを理由に断るとはいったいどうゆうことでしょう」

  ええ、そんな同意が欲しかったのです。ありがとうよ。
  思わずM保育園への疑問(グチだったかも)も飛び出しつつ、全経緯を話し
  親身になってくれる担当職員さんに、お役所仕事な公務員のイメージちょっと上昇。
  納得いかないので、M保育園に問い合わせてくれると言う。

  担当さんとM保育園側が電話で話している間およそ20分。
  その間こたけがじっとしているはずもなく、
  他の課の偉い人の席に駆け込んで、楽しげに宇宙語トークを繰り広げたり
  場所柄を考えて制止するハハに、全身全霊をかけて抵抗したり絶叫したり
  そんな姿を、担当とは別の児童福祉課の職員さんが目にして近寄ってくる。
「おかあさん、こたけくんは笑いますか?
    目を合わせますか?
    呼ぶと振り向きますか?
    …自閉症ってご存知ですか?」
   知ってますよ… トホホ



  そこへ通りかかった50代後半の女性が、こたけがぶん投げたおもちゃを拾って
  声をかけつつ手渡してくれる。
  なんと偶然にも、この人こそがK保育園の園長だった。
  気を利かせてくれた担当さんが、さりげなくこっちへいざなってくれる。
  これは運命の出会いなのか!?
  そうであってくれ。




  電話を終わらせた担当職員さん曰く、
  M保育園の園長は、連絡の不備と一度も園長が立ち会わなかったことを深く詫びて、
  改めてお話がしたい と。
  電話の感触だと、園長自身は受け入れることに前向きだったらしい。
  これは市役所を仲介にした恩恵なのか。

  眠くてグズるこたけをなだめすかし、M保育園で園長と初対面するも
  話と言っても結論は同じ。
  ただ園長は悪い人ではなく、同じことを言うにしても物腰が柔らかかっただけ。
  なんだ、なんなんだこの気分の悪い齟齬は!!
  何のために来たのかわからんじゃんか。 
「お仕事の復帰までにもう日にちがないので、こちらから直接市役所に働きかけて 
    こたけくんを優先的に入園させてくれる園を
    責任もって紹介させてもらいます」

  信じていいんですねっ???



  園長先生を前にすると、打って変わってにこやかになった主任先生がとても印象的。
  あなたが広告塔になってる限り、
  M保育園のイメージって何割かダウンしてると思います。
  遊びの中に漢字を取り入れたり
  「正しいこどもを育てる」姿勢は共感できることも多いし
  年長さんが来客のわたしたちに挨拶してくれることや
  小学校の入園式で、一番長く座っていられるのがM保育園の卒園生である(主任談)ことから
  「しつけ」に力を入れているのも魅力の一部かもしれない。

  でも何度か行った間に、保育士さんの笑顔を一度も見たことがなかったことと
  帰り際に、断った親子へのせめてもの償いかどうか知りませんが
  掃除のおばさんまで総勢十数人が、
  まるで開店時のデパートのように花道を作って最敬礼で見送ってくれたことが
  とても冷たい気分にさせるのです。
  こたけにもわたしにも、園の統率力より他のものが必要なんです。





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最終更新日  2004.09.25 03:25:06


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