幸せ探し

幸せ探し

2021年01月13日
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カテゴリ: 私のすきなこと
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初春公演では張り子のにらみ鯛が緞帳の上部に例年飾られる。
真ん中の凧は干支に合わせて、神社仏閣のしかるべき方が揮ごうしてくださるようである。今回は高野山の金峯山寺の座主が揮ごうされたもの。

新吉原揚屋の段(しんよしわらあげやのだん)


傾城宮城野(みやぎの)

大黒屋で全盛を誇る花魁宮城野の部屋に遊女がやってきて、今夜の客の品定めや噂話をしている。
宮城野はあまり相手にもならず、貸本屋の置いて行った曽我兄弟の仇討の話を読んでいる。
遊女たちは昨日大黒屋の主人が浅草で雇ったと言う娘が田舎者で、訛りがひどくて全く話が通じないと大笑いしている。話を聞くだけでも面白いから、一度宮城野さんの部屋に連れてこようと呼びに行く。
おのぶは宮城野の部屋に連れ込まれて、部屋の豪華さに感心している。
遊女たちは「あんたがどうしてここへくることになったのか、話を聞かせて。何か力になってあげられるかも。」と親切ごかしに聞く。
おのぶは間に受けて、父母がなくなり、江戸で名高い花魁になっていると聞く姉を頼ってここまで来たと涙ながらに訴えるが、遊女たちは訛りを面白がって笑うばかり。
宮城野がみかねて「浪速であしと呼んでいるのも、伊勢でははまおぎというように、土地土地で物の言い方もかわるもの。そう人の言い方を笑うものではありません。そんなことより先ほどから座敷の客が待っておられるようです。私もすぐ行きますから、先に行って座を取り持っていて」と遊女たちに言いつける。
また、宮城野つきの禿には用事を言いつけて部屋をさらせた。
おのぶと二人になったところで、宮城野は「あなたは姉をさがしているようですが、奥州の人ですね。どこの村の人?」
おのぶは白石村の出身で父は与茂作と答えたので、宮城野は妹だったのかと驚く。
お互いに肌守りをみせあって、姉妹であることを確認して、しっかりとだきあうのだった。
おのぶが江戸へ出てきたわけを聞き、父は悪代官に切り殺され、母は病が悪化して亡くなったことを知る。「庄屋さんいろいろ掛け合ってくれたけれど、話にならず泣き寝入り。奉公へ行けと言われるも、なんとしても、親の仇が打ちたいと、旦那寺の住職に親の菩提を弔うために巡礼に行きたいと頼み込み、旅ではつらい目もしたけれど、何とか江戸までやってきた。」と
主人惣六は、宮城野が座敷にこないため様子を見に来たが、なにやら二人が思いつめた顔で話をしているため、そっと立ち聞きしている
宮城野は「お前が5歳の時に、年貢が支払えず牢に入れられると言う父を助けるために、私は12歳で吉原へやってきました。なんとか年貢を納めて無事に暮らしておられるだろう。年季が明ければ故郷に帰り、親子で暮らそうとそればかり楽しみにしていました。もし何かあれば、知らせがあるだろう、便りのないのは良い便りとおもって、自分を励ましてきたのに・・・」
しばらく涙に暮れている宮城野であったが気を取り直し、「お前の言うとおり、私たち姉妹で力を合わせて憎き仇を討ちましょう。幸い今日は大きな座敷がかかっていて、みんな大忙しだから、今のうちに身の回りの物をまとめ、ご主人様には申し訳ないが、仇を探すため二人でここを出ていきましょう。お前もしたくしなさい。」






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最終更新日  2021年01月13日 09時00分05秒
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