幸せ探し

幸せ探し

2021年01月12日
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カテゴリ: 私のすきなこと



文楽劇場ロビーに飾ってある鏡餅

(続き)ここは古典落語ののり
観九郎は酒をのんで酔っぱらって帰ってくる。「今日は50両もの金が手に入った。」とほくほく顔
そこにどじょうが、墨染めの衣をみにまとい、千手観音像からとってきた頭巾をかぶり袈裟をかけ、顔には飴の粉をぬりつけて登場する。
どじょう「観九郎」
観九郎「お前はいったい何者だ」
ど「賽の河原の地蔵尊とは私のこと。10にもならぬお前の息子は、鬼に追われて怖いと泣くのを、私がなだめてねかしつけ、餅が食べたいと言えば餅を、芋が食べたいと言えば芋を私が買い求めて与えておるのじゃ。」
観「それはせがれが大変お世話になって、ありがたいことでございます。どうぞよろしくお願いいたします。」
ど「近頃、賽銭の上りが悪くての、ものを買う銭にも困っておる。今まで息子につかった金が11両あまり、それを何とか返してほしい。」
観「それは致し方ありません。お支払いさせていただきますが、小銭がなくておつりはいいただけませんか。」
ど「愚か者が、息子にはこれからも何かと金がかかるのじゃ、5両ほど前払いしておくのが筋じゃ」
観「これは失礼いたしました、子供のためです支払いましょう。」と金を差し出す
ど「ほかにもそなたの父親からの伝言があるぞ。今父親は地獄で責め苦にあっておる。そなたの悪事のせいでな。ついては、父親を乗せるのに使った火の車の馬車賃、地獄の釜の燃料代、針の山に登るときに、足が痛いとあつらえた鉄のわらじ代それやこれやで、35両支払ってもらえねば、父親が地獄でもっと責められることになるのでしはらってほしいとのことじゃ。私が預かって持って行ってやろう。」
観「そんな大金を払うのですか。」
ど「いやならいやでよい、その申し開きは私がそなたをつれていってやるから、地獄でするがよい。」
観「滅相もない支払わせていただきます。」
どじょうはちゃっかり50両せしめて姿を消す。
観九郎は我に返り「わしは確かに50両を儲けた気がしたが、地蔵じゃというて、いろいろ金を支払わされ。気が付いてみたら1銭も残っていない。何か夢をみたのかなあ。」と悄然としてさっていく。






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最終更新日  2021年01月12日 09時00分06秒
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