ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Apr 30, 2006
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「執念のアマデウス」

 今日はピアニストのセスさんと共にソナタの練習をした。まず最初はお約束のモーツァルトからということで、今日はニ長調のK306。

1楽章:  この曲のように、冒頭、いきなりメロディーをピアノが弾き始めて、バイオリンは伴奏からスタートという形式は、個人的にはちょっと抵抗がある。勝手な意見だけれども、ベートーベンの「スプリングソナタ」のように、まずバイオリンが優雅なメロディーを弾き始めて、続いてピアノが受け継ぐ、という順番のほうが、僕にはしっくりくる(←ピアノの人に失礼かな)。
 この曲のハイライトは、この楽章の展開部の転調の嵐。脳天気に後半が始まったかと思うと、いきなり2小節ごとにぐいぐいと転調するとこが出てくる。それがまたクドい。モーツァルトの執念すら感じて、ちょっと怖いぐらい。こんなにしつこい男だったとは。

2楽章:  きれいな音楽なのだけど、たっぷりと歌いづらいフレーズが多く、弓づかいが難しい。

3楽章:  合わせるのがとっても難しい。テンポが次から次へと変わるので、要所要所に指揮者が欲しくなる。
 ピアノのカデンツァまでもが登場し、ほかにも各所に小細工が仕掛けられている。勢いでごまかしにくい曲なので、僕としては苦手なタイプかも。

 この曲は、モーツァルトのニ長調ということであまりに期待しすぎたためか、弾いてみた印象としては特に親しみを感じ得なかったが、彼がこんな曲も書いてたことを知る、いい機会になった。
 幸福感に満ちている曲ではあると思う。







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最終更新日  May 2, 2006 07:20:59 PM
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