ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jan 1, 2008
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「私は下位になりたい」

 正月という概念があんまりないこの国では、元旦といえども世の中は普通に動いてる。お店もだいたいやってるし。

 今日は音楽仲間で賑々しく集まってお茶(&お酒)。互いの近況や今年の抱負なぞ語らいながらの緩く暖かい昼下がり。

 で、そのまま解散するわけなどなく、さっそく有志で新春弾き初め大会。ピアノ五重奏。

 当初予定していた奏者がドタキャンしたものの、急遽近所のファゴット吹きを強引に呼び出し、シューベルト「鱒」を演奏。(ピアノ:ジョアン、バイオリン:僕、ビオラ:セス、チェロ:ルース、コントラバス/ ファゴットで代吹き :ジム)

ジョアンと僕は昨年の九月にこの曲に挑戦している のだけど、チェロのルースは初挑戦とのことで、かなり気合いが入っていた。そしたら彼女、妙に居心地の悪さを感じる曲だとおっしゃる。

 どういうことかというと、彼女はいつもカルテットとかでベース音を弾いてアンサンブルを下から支えることに慣れている。なのに、この曲のチェロパートの音域はいわば ブービー

***** 

 でも、チェロ弾きにとってはやっぱりおいしい曲。ベース音をコントラバスに任せて、気ままに旋律を奏でられるとこも多いわけだし。

 ウィーンの(19)世紀末を予知してるかのような音楽が一瞬登場する。例えばクリムトとかの芸術観(=官能と退廃?)。
 もしかしてシューベルトって意外に前衛作曲家なのかもしれない。

 この曲で言えば2楽章。

trout.JPG

 ここ、ブラームスだったらビオラとチェロを逆転させる可能性あり。

 こういうウィーン世紀末系、マーラーの巨人3楽章「雪の降る街を」(笑)の雰囲気をも彷彿させる。





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最終更新日  Jan 2, 2008 11:59:34 AM
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