ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Mar 22, 2018
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カテゴリ: 映画、テレビ
「もぐもぐタイム」(評価 ★★★☆☆ 三つ星)

 ぼくはアメリカに住んでるので基本的に日本のテレビは観られないけれど、この作品は一部配信されており、あと、映画版(「続・深夜食堂」も含めて二本)も鑑賞済みなので、この機に鑑賞記録をば。
 英語圏市場での題は何通りかあるみたい。Midnight Canteen、Midnight Diner、Tokyo Diner、Tokyo Storiesなど。

<感想>
 旧き良き昭和を匂わせる料理屋さんだから無条件に郷愁をおぼえながら見入ってしまう。
 小林薫さん演じる店主のキャラが地味めでいー感じ。下手に調子に乗って店主の役どころを前面に出しすぎたり、上から目線な台詞を彼にベラベラしゃべらせたり、彼の私生活を晒したりしすぎると、一気に均衡が崩れてしまう。そのへんはうまく抑えてある。
 お客たちも、集団行動を好まなそうな独立系のオトナが多くて好感が持てる。食べたいものを食べ、呑みたいものを呑み、語りたいことを語って、帰りたいときに帰っていく。「とりあえずビールっ」とか言ってガチャガチャやかましいだけの呑み会って、ぼく自身苦手だし。
 いろんな有名/無名俳優がつぎつぎ登場していくなかで、一番印象に残った役者を挙げるとしたら佐藤B作さんか。自己チュー江戸っ子キャラを上手く演じあげていたように記憶している。わざとらしくならないような絶妙な演技。

 素晴らしい作品とは思うものの、気になったのは回によってばらつきがある点。芝居の展開とか台詞まわしにムラがある。演出家や脚本家がそのつど違うのが明らか。それに、題材が「庶民が深夜にニッポンの味をもぐもぐ」というきわめてテレビ的な内容なわけで、なぜわざわざ映画化されたのかは謎。映画版は内容的にテレビ版と大差なく、それだったら、ふつーにテレビで特番二時間とかでよくね?とか思う。

 あと、正直言うと、こうゆう「ニッポンっていい国だよねー、そだねー」系の作品って、必ずハマるわりには結局は飽きてしまう。日本特有のワビサビが描かれてて、そんなビミョーな人情の揺れをちゃんと理解し満喫できる日本人の自分を誇らしくも思うものの。





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最終更新日  Mar 26, 2018 09:01:21 AM
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