ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Oct 6, 2018
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カテゴリ: 映画、テレビ
「Bad romance, good romance」(評価 ★★★★★ 満点五つ星)

 日本公開は2018年12月。 http://wwws.warnerbros.co.jp/starisborn/
 出演はブラドリー・クーパー、レイディ・ガガ、ほか。

<感想>
 もともと名作なのを再制作したものなので、よっぽどのことがない限り駄作にはならんだろうし、配役さえ間違えなければウケるのは確実な無難映画、と斜め上から目線で臨んだら、予想を超える秀作。てか、主演のお二方が演劇的にも音楽的にもしっかりとお演じになっていらっしゃってびっくり。おそるべしアメリカの芸能界。そのへんの国々の芸能人とは根本的に実力が違う。しかもクーパー氏は監督もお務めになったとわ。
 ぼくは1976年のバーブラ・ストライサンド版のスタ誕すら観たことがなくて、あらすじを全く知らないまま鑑賞に臨んだので、後半の展開にはちょっとだけ驚いた。てっきり、歌の上手な田舎娘が発掘され、最終的にはグラミー賞とか獲って、はいスタァ誕生っ、めでたしめでたし、みたいな超単純で幸せな結末の映画かとばかり思ってた。

 均衡のとれた作品だと思う。二人が恋に堕ちる過程が早すぎたし、彼女がどんどんスタァになっていく一方で、歌手としても人間としても落ちぶれていく男の側の葛藤が充分に描き切れていないような気もしたけれど、そのへんを丁寧に描きすぎるとますます長くなってしまう。よってぎりぎり許容範囲内。ただでさえ長い映画なので。
 父娘とか兄弟とかの家族愛で客を号泣させる演出も可能だったろうに、そのへんも最小限に抑えてあるところも気に入った。この監督さん、全ては計算済みらしい。余計なことはこちゃこちゃ描きすぎないのはお見事。
 おそらく、「真の愛とは」というのが本作品のお題。愛にもいろいろあって、大恋愛と小恋愛、純愛と不純愛、相方が苦境に陥ったとき、支えるのが愛なのか見捨てるのが愛なのか。そもそも、この映画には例えば嫉妬に狂う元カレだの元妻だの、「敵役」「悪役」が一切登場していないのも重要な伏線。

 音楽的には、女のほうは次々と新しい音楽を模索し、踊りにも挑戦、衣装も化粧も開拓していくのに対し、男は相変わらず過去に売れた曲をけなげに歌い続けている、という描写もいい感じ。そして、そんな彼女が、結局はこってりした弦楽合奏の伴奏で歌う場面も嬉しく拝見した。


 結論。才能ある歌手は早かれ遅かれ認められるもの。あと、過度の飲酒まして薬物はダメ、ゼッタイっ。





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最終更新日  Oct 8, 2018 06:13:38 AM
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