ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jul 1, 2019
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カテゴリ: 映画、テレビ
「思わせぶりに唇濡らしきっかけぐらいはこっちで作ってあげる」(評価 ★★★★☆ 四つ星)

 10年近く前の映画。いつか観よう観ようと思ってはいたのだけれども、どーせそのへんのおじさんおばさんが旅先でアムールごっこ、というありきたりの不倫のお話だろうし、よっぽど暇なときに観てあげてもよくってよ系映画かと。
 で、今日ちょっとしたきっかけで観ることになったわけだけど、ぎゃふん。チョー佳作でございました。今の今まで見逃してた自分が恥ずかしい。演技力と脚本力と撮影力に優れてるので、余裕で四つ星を差し上げたい。

 イラン人の監督が、フランス人女優とイギリス人男優を起用し、イタリアで撮影したもよう。よって、ただでさえややこしいのだけれど、内容もビミョー。いかにも上級者向けの映画なので、おバカなぼくは、一体どーゆうことなんかよくわかんないまま観終えてしまったのも事実。
 ジュリエット・ビノシュ様のご演技がお上手。口紅塗ったり落としたり、泣いたり笑ったり怒ったり、なんだかめんどくさいオンナなんだけれども、色気も漂わせてて愛おしい。相手役の男優さんとともに、英語フランス語イタリア語を自在に操りながら愛だの恋だのあれこれしゃべり倒す。

 この映画のお題は、「限りなくホンモノに近いニセモノは、実はホンモノに勝るのでは」ということだと思うのだけれど、要するにこの男女、赤の他人なのにほんとの夫婦よりも夫婦っぽい、ということになる。

 それにしてもこの監督(アバス・キアロスタミ様)、ほんとに素晴らしすぎ。氏の今後の作品もぜひとも拝見したい。と思って調べてみたら、既にご他界。





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最終更新日  Jul 4, 2019 08:11:06 PM
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