ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jul 1, 2021
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カテゴリ: 映画、テレビ
「淋しい熱帯夜」(評価 ★★★★☆ 四つ星)

 周りの映画ヲタク(というかむしろミュージカルヲタク)さんたちから激しく薦められ、ついに鑑賞。
 日本でもまもなく公開。 https://wwws.warnerbros.co.jp/intheheights-movie.jp/

 ニューヨークが舞台。題名の「ハイツ」というのはジョージワシントン橋の近くのワシントンハイツ地区のことで、ちょうど対岸は日本人や日系人も多く住んでる地域。

 老若男女みんなが安心して観られるし、おうち鑑賞ではなく映画館の大きな銀幕でこそ楽しめる映画。
 悪役が登場せず、あと、お色気場面がないのも意外。登場人物がみんなして純粋でいい人で健気に生きている。
 特定の人物や家族に焦点を当てすぎず、恋愛や家族愛というよりむしろ共同体全体としての壮大な隣人愛を謳ってる点も含め、ぼくには好感が持てた。

 真夏の暑いときに大都会で停電が起こるということを一大事として描き、話にメリハリをつけたかったのだろうけど、ちょっとわかりにくかった。惨事を機にみんなが一致団結する、みたいなわかりやすい筋でもなかったし。


 が、停電の真っ最中に悲しいことが起こってしまう。

 あと、登場人物のひとり、成績優秀女子の描きかたも良かった。彼女はラテン系共同体を飛び出し、高等教育を求め白人の集う名門大学に進学する。普通だったら嫉妬されたり、彼女自身も天狗になってしまうだろうに、やっぱりみんなして善人。
 一方、彼女が白人社会に溶け込めずに葛藤するくだりはもう少しふくらませても良かったか。

 基本的には前向きな話でイケイケドンドン系。群舞さらには群泳(シンクロナイズド水泳)の場面は見応えがあった。あれこれごちゃごちゃ詰め込まれてるし、ミュージカルや青春ものが好きな人というよりかは、インド映画が好きな人に向いてるかもしれない。実際、上映時間が二時間を軽く超える。

 音楽的には好き嫌いが分かれるはず。楽曲はどれもノリノリなんだけれども、これといって鼻唄で楽しく歌えそうな曲がなく、難しい曲ばかり。ラップとかヒップホップとか、とにかく早口、しかも英語だけぢゃなくスペイン語も混じってて、ぼくはあんまし聞き取れなかった。

 役者さんで特筆すべきはキューバ人老女を演じたお方。ご名演。
 この演目を世に出したリンマニュエル・ミランダさんご本人もチョイ役でご出演。

 主演の役者さんは、どうも貫禄がなく、どこにでもいそうな地味めな青年だったけど、おそらく製作者はそれを狙ったと思われる。ふつーの人がその共同体内でもがき苦しみ花開く様子を描いた作品なわけだし。

 ぼくが今回劇場で一緒に鑑賞したのは白人さんたちばかりだったけど、実際のラテン系の方々ははたしてこの映画をどう評価するのか興味深い。
 てか、今年は「ウェストサイド物語」の再制作版も公開になるはずだし、ラテン系住民が登場しニューヨークを舞台にしたミュージカルという点で思いっきりかぶってる。


<おまけ:この映画に出てくる英単語五選>

blackout 停電
powerless 無力の←力がないと停電(電力がない)をかけている
parademic 緊急医療士
undocumented ビザなどの滞在許可証を持っていない(不法滞在の)





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最終更新日  Jul 3, 2021 11:47:50 PM
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