ヨカッタ探し

ヨカッタ探し

November 3, 2005
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カテゴリ: 読書ろぐ(mystery)
今日は1日、ひきこもりの休日。

そろそろ寒いので、こたつの上掛けを出しました。
(でもこたつ壊れてるんですけど…ホットカーペットも…)
早速、こたつにもぐりこんでの、ゴロゴロ読書。
先日、ブックオフで仕入れてきたミヤベさんの1冊。

宮部みゆき 『我らが隣人の犯罪』

これ、かなり初期の短編集なので、もう何回も読んでるんですが、
なぜか文庫本持ってないのです。

なんとなく持ってるような気がして、古本屋で出会っても買わなかったり。
それに未読の本があると、既読本はついつい後回しになるし。
この間は、これといってめぼしい本がなかったのと、
105円で状態も良かったので、購入しました。
表題作のほか4つ、計5編の独立した短編が入ってます。

何度読んでも大好きなのが「サボテンの花」。
これはもう、名作!だと思うのですよ。
この文庫の解説は、かの北村薫さんなのですが(それもまた嬉しい♪)、
「サボテン…」については
「無条件降伏してしまった」、「掛け値無しの名作」と大絶賛してます。
ミヤベ流の温かな眼差しが、不器用な大人や毅然とした少年に

それだけでなく、北村薫さんの言う、「優れた本格の条件」である
”魅力ある謎”、”納得の行く伏線”、”切れ味のいい解決”
の総てを完璧に備えた作品ともなっています。
それを北村流に表現するならば、
「謎を語ることが見事に魂のこもった物語を語ることになっている」

本格ミステリ=殺人、密室、トリック、と思って敬遠してる人にも、
ぜひ読んでもらいたい作品。

表題作もお気に入りデス。主人公の兄妹はもちろん、
その叔父さんのキャラがいいですね。
「サボテンの花」にも、似たようなポジションにある青年が出てきます。
悪い意味ではなくて、大人になりきれてない大人。
だから子どもの気持ちがわかる、というような存在。
わたしも比較的子どもと相性が良い方なんですが、
それは決して母性が豊かとか、面倒見が良いいうことではなくて、
わたしの中の子どもの部分が、子どもと一緒にいると自然と出てくる。
だから、子どもにとっていい遊び相手になるんだろうなぁ。

今回は解説も一つの作品のように楽しく読みました。
好きな作家の作品を、これまた好きな作家が解説する。
これって極上だわ~。
特に、ここんとこ北村さんの”円紫さんとわたし”シリーズを
ぼちぼち読み返していたので、余計に北村さんの文章が心地好い。
なんとなく、覆面をとってからは、その年頃、キャリアなどから、
円紫さんに北村さんのイメージを重ねていたんですが、
この解説を読むと、『六の宮…』の”わたし”そのままのような
瑞々しさがありました。
ある意味で、”わたし”はやっぱり北村さんなのだろうなぁ、と
当たり前かもしれないけれど、納得したのでした。





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最終更新日  November 4, 2005 01:02:29 AM
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