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November 19, 2024
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カテゴリ: 教授の追悼記
そうか、谷川俊太郎さん、亡くなったのか。享年92。10月に亡くなった私の母と同い年だったわけだ。

 谷川さんというと、何ですかね。『二十億光年の孤独』? いやいや、私にとっては『ピーナツ』の翻訳、かな。

 自慢ですが、私は谷川さんの『ピーナツ』ものの翻訳の、いわば最初期の読者なのよ。

 というのは、谷川さんの息子さんが、私の父の教え子だったから。その息子さんが、父のところに、谷川さんの訳されたスヌーピーの漫画を持ってきて、「今度、親父がこういうものを翻訳したんです」と紹介したわけ。で、それを家に持ち帰った父は、今度こういうのが出たらしいけど、お前、読むか?と、私にくれた。だから、出版されたばかりのスヌーピー漫画を、私はその本が市場に出回るよりも早く手にしたと。

 だけど、それは日本の漫画とは全然違う。オチもあるんだかないんだかわからないようなところから、チャーリー・ブラウンがため息をついて終わるという。日本の『サザエさん』のような分かりやすい笑いではない。あー、これは理解するのは難しいだろうなと、子供心に思いました。

 だけど、スヌーピーの可愛さは、理解しやすいだろうなと。初期のスヌーピーは、もっと犬っぽかったしね。

 だから、私はスヌーピーの絵を真似して描いて、同級生たちにみせびらかしたわけよ。美術の時間には、スヌーピーの塑像を作ったりして。とにかく、スヌーピーの宣伝部長みたいな感じで、同級生たちにこの犬を売り込んだわけ。

 当時、私は自分でも動物を主人公にした自作の漫画を描き、雑誌のようにしてクラスに回覧したりしていましたから、同級生たちは「スヌーピー」もまた、私が考えた新キャラなんだろうと誤解し、大人気になってしまった。私も、敢えて「これは僕じゃなくて、チャールズ・M・シュルツという人が作ったキャラだよ」なんて、訂正しませんでしたからね。

 だからね、スヌーピーが日本で人気になったのは、私のおかげなの。(ホントに?!)


 さて、そんな戯言はともかく、谷川俊太郎ですよ。

 彼は「日本で唯一、詩で食っていける詩人」と考えられてきたわけですけれども、私の感覚はちょっと違う。私はね、あの人は詩人というよりは、非常に優秀なコピーライターだったと思っているの。

 その意味で言うと、谷川俊太郎の直接の後継者は、糸井重里だと。言葉のセンスにしても、企画力にしても、すごく似ている。『ピーナツ』の日本への紹介だって、あれは企画力だからね。

 ま、私の谷川俊太郎観に、どれだけの人が賛同してくれるかは分からないし、私にとっても誰にとってもどうでもいいことだけれども、まあ、とにかく、スヌーピーを介して、私と谷川さんが一瞬、交差したということだけが、楽しい思い出として残っております。

 そういうものとして、谷川俊太郎さんのご冥福をお祈りしたいと思います。合掌。





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Last updated  November 19, 2024 07:30:54 PM
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誰も知らないCoffeeWorld@ Re:46年ぶりに、テレビ越しに、同級生と会う(11/04) O教授殿 ご無沙汰ですね。 この業界、世…
nwo69 @ Re:野崎訳 vs 村上訳 さて軍配はどちらに?!(12/30) 非常に激しく同意、しかも美味しい翻訳を…
釈迦楽@ Re[1]:母を喪う(10/21) ゆりさんへ  ありがとうございます。今…
ゆりんいたりあ @ Re:母を喪う(10/21) 季節の変わり目はなんだか亡くなる方が 多…
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