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March 9, 2025
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カテゴリ: 教授の読書日記
常盤新平さんの書かれた『山の上ホテル物語』を読了しましたので、心覚えをつけておきましょう。

 仕事がらみでこのところずっと暇さえあれば常盤さんの本を読んでいるのですが、さすがに小説・短編には嫌気が差してきたので、ここらあたりでちょっとノンフィクションを読んでみようと、『山の上ホテル物語』を読んでみたと。作家に愛された名門ホテルたる山の上ホテルも、最近、閉館したばかりだし、そういう意味でもちょっと興味があったので。

 だけど・・・。

 うーん、どうなんだろう。

 私としては、『山の上ホテル物語』と題しているのだから、この一風変わったホテルについての、社史的なものなのかと思っていたのよ。

 ところがそうではなくて、このホテルを作った吉田俊男についての話でした。まあ、確かにこの吉田俊男という人物、なかなか面白いので、それはそれでいいでしょう。

 しかしね、それにしては、書き方がなってない。吉田氏の奥さんである令子さんとか、あるいはこのホテルに勤め、吉田を支えた何人ものキーパーソンたちに一応、取材はしているのだけれど、その取材が断片的というか、散漫なのよ。だから、断片的な思い出の記にしかなってない。

 しかも、順不同だし、繰り返しも多い。その話、さっきも聴いた、と思うこともしばしば。それに記述も曖昧で、何を書いているのか、誰が誰に向かって言っているセリフなのかすらわからない箇所も少なくない。

 そういうこともあって、吉田俊男が魅力的な男だ、すごい男だ、というのは繰り返し聴かされるのだけど、結局のところ、吉田俊男についてのちょっといい話、ちょっと面白いエピソード集の域を出ない。



 まあ、数人に適当に取材して、大した資料もないまま、大雑把な印象記を書いたと。所詮、その程度のものであって、読む価値なしとは言わないけれど、それほどためになる本ではありません。

 そもそも、常盤さんにこういう本を書いてくれと頼んだこと自体が失敗だよね。社史が書けるようなタイプの書き手じゃないんだもん。だから、失敗の責任を常盤さんに帰するのは、ちょっと酷かも。

 というわけで、小説に飽きてこれを読んじゃったけど、口直しには、なりませんでしたね。


これこれ!
 ↓

山の上ホテル物語 (白水Uブックス) [ 常盤新平 ]





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Last updated  March 9, 2025 01:10:09 PM
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