PR
りぶらり
読書をしながら，全国をふらふら。りぶらり日記にようこそ！
Category
カテゴリ未分類
(1583)映画を観たよ
(938)好きな本・読んだ本
(209)きらきらポストモダン推理
(275)びしびし本格推理
(526)どきどきミステリー
(352)がちがちハードボイルド
(316)ばくばく冒険小説
(423)ミステリーランドへようこそ
(31)わくわく児童文学
(289)旅行でふらり
(1116)Freepage List
あ行の作家
あ：東直己リスト
あ：綾辻行人リスト
あ：有栖川有栖リスト
い：伊坂幸太郎リスト
お：乙一リスト
お：恩田陸リスト
い：石持浅海リスト
お：逢坂剛リスト
か行，さ行の作家
か：加納朋子リスト
き：貴志祐介リスト
し：殊能将之リスト
し：島田荘司リスト
く：鯨統一郎リスト
た行，な行の作家
た：竹本健治リスト
に：西澤保彦リスト
つ：辻村深月リスト
は行の作家
は：原りょうリスト
ふ：福井晴敏リスト
ま行，や行の作家
み：宮部みゆきリスト
も：森博嗣リスト
も：森見登美彦リスト
よ：米澤穂信リスト
み：道尾秀介リスト
児童文学のリスト
◆講談社ミステリーランド◆
う：上橋菜穂子リスト
お：岡田淳リスト
た：たつみや章リスト
Keyword Search
▼キーワード検索
新千円札と新一万円札
なすび０９０１さん
Are there health be… 恵子４２１さん
読書とジャンプ むらきかずはさん
片手に吊革・片手に… もりのゆきさん
From おおさか mayu0208さん
なすび０９０１さんAre there health be… 恵子４２１さん
読書とジャンプ むらきかずはさん
片手に吊革・片手に… もりのゆきさん
From おおさか mayu0208さん
Calendar
Comments
2007.08.10
テーマ： 最近、読んだ本を教えて！(24308)
カテゴリ： びしびし本格推理
西澤保彦の「匠千暁シリーズ」の現在のところ最新刊の短編集を読んだ。
○ストーリー
千暁や辺見たちの行きつけの居酒屋に，いつも現れる謎の美女がいた。白い服を着ていることから「白の貴婦人」とあだ名をつけ，彼女に謎について語り合う仲間たち。いつしか話のテーマは女性の執念について，となっていた。そこで立ちあらわれた「黒の貴婦人」の正体とは？
－－－－－－－－－－－－－－－－－－
日常の小さな疑問について飲み仲間が語り合っているうちに，その背景に人間の怖さが見えてくる，というパターンの短編集だ。短編集から長編までいろいろな作品があった「匠千暁シリーズ」だが，なんとなくぐるっと一周してもとのスタイルに戻ってきたような印象がある。
千暁（タック），辺見（ボンちゃん），千帆（タカチ），由起子（ウサコ）の4人組を主人公にして展開しているシリーズだけど，初期はかなりお気楽なスタイルだった。それが人が人を愛すること，支配しようとすることなどを長編で重く描くスタイルになり，「スコッチ・ゲーム」と「依存」を頂点として，また少し肩のチカラが抜けてきたというカンジだ。
シリーズをずっと読んでいるファンにとっては，その流れも含めて楽しめるのだが，それほど西澤作品や，このシリーズに親しんでいない人にとっては「この思い込みはなんなんだろう？」と疑問だらけだと思う。
－－－－－－－－－－－－－－－－－－
正直，この短編集は，このシリーズの読者であってもミステリとしての面白さが少ないと感じてしまうので，そうでない人にとっては「ヘンなスタイルの小説」としかとられないのじゃないかと心配してしまう。
それに加えて長編で語られた事件や4人の関係の変化を，思わせぶりに語るシーンもあるのだから，ますます「入って行きづらい」作品になっている気がする。ちょっとシリーズ読者へのサービスが多すぎたような印象だ。
－－－－－－－－－－－－－－－－－－
各編について簡単に述べる。
「招かざる死者」：傲慢な若者が開催したパーティの玄関先で殺されていた美女の謎とは？・・・若者の設定が西澤保彦らしくて笑える。事件が起きてしまったため，タカチの爆発シーンは無かった。
「黒の貴婦人」：居酒屋に必ずあらわれる白の貴婦人の謎とは？・・・4人組がそろう貴重な作品だ。今後は皆がそろうことはないのだろうか？例の2つの長編をつなぐ作品，という意味ではマニア向け。
「スプリット・イメージ または避暑地の出来心」：田舎の別荘に行った4人の女友達が最初の朝に窓の下に発見したのは死体だった！・・・例によってワガママ男が出てきて，なぜか女性は女性に惚れていて，と完全に西澤ワールドだ。タカチの神格化は進む。
「ジャケットの地図」：死んでしまった愛人が残したはずの地図はどこに？取り違えられてしまったジャケットを探して1人の女性がたどった冒険とは？・・・いくらここまでは他人の行動は予測できないだろうけど，謎解きとして面白い。神格化止まらず。
「夜空の向こう側」：人気教師の結婚披露宴会場で，一部のご祝儀袋からお金が消える。その不思議な事件のメッセージとは？・・・珍しく，ウサコとボンちゃんの2人での作品だ。ラストのセリフで「依存」に本当の決着が着いたような気がした。ただこれもファンじゃない人には余計だよなあ。
○ストーリー
千暁や辺見たちの行きつけの居酒屋に，いつも現れる謎の美女がいた。白い服を着ていることから「白の貴婦人」とあだ名をつけ，彼女に謎について語り合う仲間たち。いつしか話のテーマは女性の執念について，となっていた。そこで立ちあらわれた「黒の貴婦人」の正体とは？
－－－－－－－－－－－－－－－－－－
日常の小さな疑問について飲み仲間が語り合っているうちに，その背景に人間の怖さが見えてくる，というパターンの短編集だ。短編集から長編までいろいろな作品があった「匠千暁シリーズ」だが，なんとなくぐるっと一周してもとのスタイルに戻ってきたような印象がある。
千暁（タック），辺見（ボンちゃん），千帆（タカチ），由起子（ウサコ）の4人組を主人公にして展開しているシリーズだけど，初期はかなりお気楽なスタイルだった。それが人が人を愛すること，支配しようとすることなどを長編で重く描くスタイルになり，「スコッチ・ゲーム」と「依存」を頂点として，また少し肩のチカラが抜けてきたというカンジだ。
シリーズをずっと読んでいるファンにとっては，その流れも含めて楽しめるのだが，それほど西澤作品や，このシリーズに親しんでいない人にとっては「この思い込みはなんなんだろう？」と疑問だらけだと思う。
－－－－－－－－－－－－－－－－－－
正直，この短編集は，このシリーズの読者であってもミステリとしての面白さが少ないと感じてしまうので，そうでない人にとっては「ヘンなスタイルの小説」としかとられないのじゃないかと心配してしまう。
それに加えて長編で語られた事件や4人の関係の変化を，思わせぶりに語るシーンもあるのだから，ますます「入って行きづらい」作品になっている気がする。ちょっとシリーズ読者へのサービスが多すぎたような印象だ。
－－－－－－－－－－－－－－－－－－
各編について簡単に述べる。
「招かざる死者」：傲慢な若者が開催したパーティの玄関先で殺されていた美女の謎とは？・・・若者の設定が西澤保彦らしくて笑える。事件が起きてしまったため，タカチの爆発シーンは無かった。
「黒の貴婦人」：居酒屋に必ずあらわれる白の貴婦人の謎とは？・・・4人組がそろう貴重な作品だ。今後は皆がそろうことはないのだろうか？例の2つの長編をつなぐ作品，という意味ではマニア向け。
「スプリット・イメージ または避暑地の出来心」：田舎の別荘に行った4人の女友達が最初の朝に窓の下に発見したのは死体だった！・・・例によってワガママ男が出てきて，なぜか女性は女性に惚れていて，と完全に西澤ワールドだ。タカチの神格化は進む。
「ジャケットの地図」：死んでしまった愛人が残したはずの地図はどこに？取り違えられてしまったジャケットを探して1人の女性がたどった冒険とは？・・・いくらここまでは他人の行動は予測できないだろうけど，謎解きとして面白い。神格化止まらず。
「夜空の向こう側」：人気教師の結婚披露宴会場で，一部のご祝儀袋からお金が消える。その不思議な事件のメッセージとは？・・・珍しく，ウサコとボンちゃんの2人での作品だ。ラストのセリフで「依存」に本当の決着が着いたような気がした。ただこれもファンじゃない人には余計だよなあ。
お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
[びしびし本格推理] カテゴリの最新記事
-
「Iの悲劇」米澤穂信を読んだ 2020.09.22
-
「巴里マカロンの謎」米澤穂信を読んだ 2020.06.09
-
「狐火の辻」竹本健治を読んだ 2020.04.09
【毎日開催】
15記事にいいね！で1ポイント
© Rakuten Group, Inc.
