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2010.03.11
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「天地明察」で話題となっている作家・冲方丁の大ヒット作を読み始めた。

○ストーリー
少女バロットは,工業都市マルドゥックの大企業の役員シェルに囲われていた。シェルの違法な仕事の秘密を知り,その罪を着せられて瀕死の重傷を負ったバロットは,ドクターと名乗る男に助けられる。命を救うため,そして証拠隠滅を図るシェル側から身を守るため,ドクターはバロットに,特殊な能力とパートナーを授ける。自分の足で立つために,バロットは戦い始める。

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「マルドゥック・シリーズ」は2003年刊行当時から大評判で知っていたが,タイミングを逸して,手を取るのが今になってしまった。気に入った作家の作品はなるべく系統的に,発表された年次に沿って読みたいと思っているので,ワザワザ「ばいばい、アース」(ただし,まだ上巻しか読んでいないが)を先に読んでから,取り掛かった。

「ばいばい、アース」は,ファンタジーに音楽の要素を取り入れていて,かなり野心的な内容だが,それに比べると「マルドゥック・スクランブル」はサイバーパンクSFの枠組みにキッチリと収まっていて,暴力的な事象を表現しつつも,内容は大人しいと感じた。

もっとも描写される事象は過激で暴力的なものが多い。大人しさを感じさせる理由の1つは,バロットの仲間になるドクターとウフコックの2人が優しい人たちだからかも知れない。

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主人公バロットのガンアクションからは,今の時代では映画『マトリックス』を思い出す人が多いと思う。僕自身は木城ゆきとの名作SFマンガ『銃夢(ガンム)』との類似を強く感じた。



またバロットは最初の事故で,声を失ったという設定になっていて,弱そうに思わせるのにもつながっている。この特徴を,彼女の新しい能力の説明に使ったり,ドクターの優しさを表現するのに使ったりと,なかなか冲方丁は策士だ。

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相変わらず,の筆力は見事で,動きのある戦闘シーンを,スピード感を失わずに,キッチリと描いている。まるでSF映画を観ているような,そんな体験をさせてくれるので,ページを繰る手が止まらない。

「マルドゥック・スクランブル」は全3巻なので,まだ2巻あるし,その先には続編も全3巻残っている。まだしばらく楽しめそうだ。







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Last updated  2010.03.13 23:13:22
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