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March 6, 2016
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 シリーズ第2作『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(1997)』での、少女ケリーのセリフです。

 すでに第2作で「また」と言われているのです。

 第1作『ジュラシック・パーク(1993)』では、遺伝子工学により絶滅した生物を蘇らせ、さらに凶暴巨大な恐竜をアミューズメント・パークの見せ物にしようとしました。
 しかし、恐竜を管理しきれずに、人間が襲われるという大惨事を招いたわけです。

 だから、フツーの神経なら、「もうつくらない」となるはずです。
 実際に、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』のラストで、「ジュラシック・パーク」の建設者ジョン・ハモンド氏はつぎのようにコメントします。
 「あの島を人間から隔離し、保護する規則を作るのです。
  恐竜たちをそっとしておいてほしい。

  私たちは一歩下がって自然を信じていれば、生命は生き延びていくのです」

 なのに、懲りない人間は、シリーズ4作目の本作で、ついに「島にパークをつく」ってしまいました。
 (これまでの3作では、島はオープンするところまではいっていなかった)
 ハモンド氏の言葉が実現しなかったのも、「ジュラシック・パーク」の映画シリーズがヒットしたためですけどねー。柳の下の4匹目のドジョウ狙いです。金儲け、金儲け。

 「ジュラシック・パーク」から「ジュラシック・ワールド」へと名称は変わりましたが、テーマパークは生きた恐竜を見ることができると大盛況。安全は当然のように確約されていると思い込んだ大勢の人々がおしかけます。

 そして、お約束の恐竜の暴走、ついに入園者が犠牲になってしまいます。

 おんなじことを何回やったら気がすむわけ?

 とりわけ今回は、遺伝子合成により人工の恐竜が登場します。様々な恐竜やその他の生き物のDNAを組み合わせた、自然界には存在しない最凶の恐竜インドミナス・レックスです。

 インドミナスは知力体力に長け、人間を欺き、暴虐の限りを尽くします。インドミナスに対抗するのは、なんとティラノサウルス・レックスとヴェロキラプトルのタッグチーム。自然界に存在した2頭の恐竜が立ち向かいます。人工対自然の闘いです。

 この映画は、例えば原子力発電所の寓話という読み取り方ができます。
 スリーマイル島、チェルノブイリ、そして福島と、甚大な被害をもたらす事故を繰り返しても、原子力発電所はなくなりません。映画の方は、第一作目の『ジュラシック・パーク』以来の失敗、人的犠牲を教訓とできません。それと同じです。


 仕事命で時間に追われる生活をしながらも、キャリアアップが生き甲斐になっています。そのため、家族や恋人とのつきあいがおざなりになってしまっています。
 彼女は、今回の自分たちの会社が起こした恐竜パニックを通して、何が大切かと云うことに目覚めていきます。
 キャリア・ウーマンとして、会社を儲けさせ、人に評価され、羨まれることが大切なのか、それとも心穏やかに自分らしい生き方をすることが大切なのか。

 今後、科学文明はますます発展していきます。
 そして、経済至上主義(儲け主義)の考え方も、世の中の正しい価値観として容認されています。


 —5年目を迎える「3.11」を目前にして—

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Last updated  March 6, 2016 09:26:02 PM
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