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私
:読み出したら面白く、途中で止められず、夜まで1日かけて一気に読んでしまったね。
ある外交官の回顧談
を中心にした 外交小説
だが、サスペンス調なので引き込まれる。
アマゾンの読者レビューも見たが高得点だね。
主人公が若くして外務省入りするのが、 満州事変
の始まる頃。
それから終戦まで イギリス、ドイツ、スイス
と外交畑を渡り歩く。
最初から、 特命全権大使相当の人物
と出会い、その指揮のもとに活動する外交 サスペンス・ドラマ
だね。
A氏 :「天皇の代理人」とは誰なの?
私
:満州事変頃から終戦までの 外交裏話
としてまとめようと思ったが、気がついたら、この小説はサスペンスなんだね。
近代外交史の史実とうまく組み合わせてあったので、気が付かなかった。
サスペンス小説の読書感の礼儀として、 タネ
をあかすことはできないね。
「 天皇の代理人
」が誰かも、最後になるとわかるような筋立てになっているがね。
それにしても、 第2次世界大戦
が始まる前の、 世界外交の裏の駆け引き
、すごいね。
この本では 三重スパイ
まで登場する。
A氏 :本音と建前が違うんだね。
私 :いや、三重スパイともなると本音すらわからないね。
ところで、この本はところどころで、史実を織り込んでいる。
その中で、 日独伊三国同盟
締結の推進役だった、 当時の外務大臣 松岡洋右
は、後にこの 同盟
は失敗だったと言ったとあるね。
これは、俺のブログにもある。
俺の「 同日同刻・太平洋戦争開戦の1日と終戦の15日間」山田風太郎著
についてふれた ブログ
によると、松岡は 日米開戦のニュース
を聞いて、
「 三国同盟
は、それによってアメリカの参戦を防ぎ、世界大戦を予防することだったが、かえって、今度の戦争の原因になってしまった、それを思うと死んでも死に切れない」
と涙をためて言ったという。
同じく、俺の「 徳富蘇峰著「終戦後日記・『頑蘇夢物語
』」にふれたブログでは、 松岡洋右
についての 徳富蘇峰
の次のような記事がある。
「 敗戦間際
に、 松岡
氏は次の 3つの理由
で 日本は絶対負けない
と言っていた。
1つには
、日本の国体は 伊勢神宮
をもとしているから、必ず、 神が助けてくれる
。
2つには
、直感だ。
3つには
、経験からくる直感だ。」
彼は当時、まだ65歳だ。
結核を患っているがボケてはいない。
こういう人が、海千山千の欧米人を相手に 日本外交の中心 にいたんだから、敗北は目に見えていたようだね。
山田風太郎の「人間臨終図鑑」によると
「 松岡の外交は、マージャンで、相手3人(米独ソ)の手を全然見ず、自分の手ばかり見て勝負しているようなものであった。
彼はヤクマンを志してヤクマンを打ち込んだ
」
とある。
A氏 :空間の隔たりを超えると、 12月8日 の日米開戦の日は、モスクワ戦線では、 ドイツ軍 が ソ連軍 の反撃と極寒に耐えかねて、 総退却を開始した日 だというね。
私:日米開戦
のニュースを当時は感激して迎えている知識人などが多い中で、 近衛文麿
は
「えらいことになった。
僕は悲惨な敗北を予感する。
こんな有様は、せいぜい3ヶ月だろう」
と沈鬱な声で言ったという。
日本国民は依然として、まだ、この歴史の事実を背負っているね。