July 5, 2009
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カテゴリ: クラシック音楽
1990年に始まったPMFも20回目。第一回にはあった太平洋作曲家会議がなくなり、レジデント・オーケストラの招聘(しょうへい)や声楽コースもなくなるなど、全体としては縮小傾向にある。

一方、室内楽コースが設けられたり、ウィーン・フィルやベルリン・フィルの首席奏者を講師に迎えるなど充実した部分もある。

PMFオーケストラと札幌交響楽団のコラボレーションも数年前に始まったが、今回のPMFウェルカム・コンサート(札幌交響楽団演奏会)では、メーン曲のR・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」(えいゆうのしょうがい)でPMFオーケストラのメンバーが20名ほど札響に加わり、大きな成果をあげた。

札響は大編成の曲目を演奏するとき、リタイアした元メンバーやフリー奏者をエキストラとして雇うが、そうしたケースと比べても一回り以上大きな音、輝かしい響きを聴くことができたのは、実力ある外国の若手演奏家が要所に加わったためだろう。

これは、肌理は細かいが平板な響きの日本のオーケストラが行くべき道、つまり外国の優れた奏者の採用・登用の重要性を示していると思う。

この曲は小澤征爾とボストン交響楽団の来日公演(1989年)の演目で、その圧倒的な名演が今も耳に残っている。だからどうしても点が辛くなる。

尾高忠明の指揮でこの曲を聴くのはたしか3度目。PMFオーケストラのメンバーの協力を得てオーケストラの響きは格段と充実しているものの、単なる大音量ではなく音楽としての豊麗さ、この世のあらゆる美酒をブレンドしたカクテルをぶちまけるようなゴージャスな味わいはない。小澤征爾の演奏も淡白で清潔ではあったが、オーケストラのサウンドの豪華さとちょうどいいバランスになっていたのに比べると、音楽の流れも響きもやや即物的。6つの楽章が、小澤征爾の指揮では一本のはりつめた糸で綴じられていた感じがあったが、どうしても部分に解体してしまう。

緊張感の持続と、エクスタシーの上にエクスタシーを重ねるような濃厚な表現を聴きたかったし、それが可能だったと思うので残念だ。

前半はメンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」とモーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」。



尾高の指揮はテンポ感覚に優れ、決して弛緩することなく溌剌としていて、ソリストよりもオーケストラの方が音楽的という奇妙なコンチェルト演奏。

日曜のマチネーにも関わらず客席はやや寂しかったが、PMFオーケストラメンバーが加わっての演奏であることを、たとえば定期会員に事前にアナウンスしていなかったのは不思議。





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最終更新日  July 10, 2009 03:09:50 PM
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