October 3, 2009
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カテゴリ: クラシック音楽


中国には45ものプロ・オーケストラがあるという。その中でこの武漢管弦楽団がどのあたりに位置するのかはわからないが、この先、どこまでいくかわからないという可能性をこれほど感じさせられたオーケストラはほかにない。

技術水準自体は、特に管楽器が低い。数十年前の日本のオーケストラよりもひどいかもしれない。

しかし、ミスにめげることなどなく、どんな部分にも果敢にチャレンジしていく。弦は歌いまくるし、打楽器も豪快に鳴り、何しろオーケストラを聴く醍醐味を堪能させてくれる。

ソリストと指揮者もよかった。チェン・ジェーという24歳の女性ピアニストは、超のつく美人でありながら年齢を感じさせない実力派。ラフマニノフの協奏曲第2番を、完全におとなの風格で豪快かつ情緒たっぷりに弾き切った。

シンガポール人でチェリスト出身の指揮者リュー・ハンはさらに素晴らしい音楽性とリーダーシップの持ち主。しっかりとした自分の音楽があり、世界的指揮者としての資質に恵まれていると見た。

先日のアイスランド人指揮者などよりよほど優れている。こういう指揮者に日本のオーケストラはどんどん活躍の場を与えてはと思う。

シベリウスの交響曲第1番は、もちろん技術的には破たんだらけだったし、北欧の静謐さや神秘さを求めるレベルには達していないが、とにかく熱い。いわゆる爆演に近いが、要所をきちんと指揮者が締めて抑えるので、乱雑な印象にならず、思いがけず音楽の気品は保たれる。

「日本の聴衆は最高だ」というスピーチと共に、演奏されたアンコールはスッペの「軽騎兵」序曲など4曲。疲れを知らない指揮者とオーケストラのパワーには脱帽。






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最終更新日  October 11, 2009 07:55:36 PM
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