December 4, 2009
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カテゴリ: 投資関連
徒歩圏内に5つのスーパーがある。二つは上場企業で、あとはJRの子会社、農協、市民生協である。

チャリ圏内まで広げれば、イオン、西友、ヨーカドー、東急ストアといった全国規模のスーパーもある。

これらを巡回していて気づくのは、大手スーパーはこれから厳しいだろうなということである。プライベートブランドくらいしか買うものがない。安売りしようにも、人件費や家賃・地代・建物の減価償却費といったコストがかかりすぎていると感じる。

大手スーパーはだめだ。リストラの話でも出ればともかく、投資対象にはならない。

徒歩圏内にある二つの上場スーパーとは、北雄ラッキーとアークス(ビッグハウス)である。ラッキーは有機食品に力を入れているのでよく行く。店の雰囲気もいいし、もしビックハウスと同じ値段ならここで買う。

しかし、札幌に住んでいる人なら誰でも、ビッグハウスの圧倒的な安さを知っている。むかしは近所になかったので知らなかった。わたしがこの店の存在を知ったのは、看護婦とおぼしき人たちの会話を立ち聞きしたときである。

最近、アークスは東急ストアの買収を発表した。買収価格が妥当かどうかは精査していないが、これでアークスは比較的弱かった都心の中規模店舗を強化することができる。

アークスの横山社長は北海道銀行の頭取と親しく、また北海道で2番目に古い不動産会社の社長と親しい。だから物件の出物があれば真っ先に打診がいく。出店コストを低く抑えるのに非常に有利だ。

ジャスコのように、30年後には無人の野になるようなところに、しかも借金で出店しているのとは経営の次元が違う。



この中での強敵はコープさっぽろである。

この生協は、かつて破たんしかけただけに、強い。60年安保闘争時に全学連反主流派(日本共産党宮本派)の幹部だった元理事長がメチャクチャな経営をして破たんする寸前までいった。

しかしその後のリストラと好調な宅配部門に助けられて劇的に蘇った。

とはいえ、店舗は冴えない。これから出店攻勢に出ることはまずないだろう。

ラッキーは財務体質が弱い。わたしはいつも閉店間際にいくのだが、自動ドアの電源を切る係とおぼしき管理職の態度がでかい。店舗運営はともかく、バランスシートを見るとはっきりわかる。ここの経営者は二流だ。

そのほか、地場の小さなスーパーはいくつもあるが、徐々に姿を消していっている。ホクレン(農協)系のスーパーについてはよく知らないが、ホクレンは縁故採用で有名な反資本主義的経営体である。ガソリンスタンドなどは次々撤退している。しょせん、上流企業が下流に出てもダメなのだ。

格闘技や戦争や闘争で大事なのは、玉砕戦法でいちかばちかと賭けに出ることではない。強い敵に対してはゲリラ戦で消耗させる。基本的には、こちらから積極的に攻勢に出るよりは、相手のミスにつけこむ。脇を固めてさえいれば、相手はたいてい自滅する。

外食→中食→内食回帰が強まる中、アークスのような株は全国にあるはずだ。しかしオーバーストアが常態化しているこの業界の分析は楽ではない。株式梁山泊を作ったのも、アークスのような株があちこちにあって情報交換できるはずだと考えたからだった。

地元にいないとわからないことは、アークスの例からわかるように、多いものなのだ。

こうして、消費者としてのわたしはラッキーや生協で買い物をすることが多いが、投資家としてのわたしはアークスを買う。

アークス

月足(つきあし)で見ると、マーケットとの連動性がほとんどないことがわかる。1200円を割ることはほとんどなく、2008年秋の大暴落でも1000円弱で踏みとどまった。



日足(ひあし)で見ると9月高値1538円から下落が続き、11月30日の1185円を底に反転上昇している。

5日移動平均で買ってしばらく様子を見ることにした。

アークスよりも明快なディスカウントを打ち出して成功している企業に岡山の大黒天物産がある。また、スーパーに商品を納入している卸は全般にデフレ不況の恩恵を受ける。たとえば加藤産業である。

次回はこの二つの企業について書いてみたい。





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最終更新日  December 4, 2009 01:31:08 PM
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