August 29, 2010
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カテゴリ: 映画
3週に渡って上映されている蠍座の企画「昭和の名男優・喜劇な人びと」に選ばれた6作のうちの1作。三木のり平の数少ない主演作のひとつ。前田陽一監督による1970年作品。

三木のり平以外の主な出演者を列挙すると、倍賞美津子、由利徹、ケーシー高峰、森光子、古今亭志ん朝、藤村俊二、穂積隆信、加藤和夫、矢島美智子、高松しげお・・・

ある年齢以上の人たちなら、顔と名前は一致しなくても、白黒テレビの画面で見たことのある俳優ばかり。しばらくぶりに会うことのできた親戚のような懐かしさに、映画の内容とは別にノスタルジーを感じた。

三木のり平の、定年間近のサラリーマンという役柄がはまり役で独特なペーソスを感じさせるのを除けば、たいした映画ではない。今となってはあまりに素朴すぎる仕掛けは、笑いに誘われるというより苦笑してしまう部分もある。

しかし、高度成長期の日本人はこんなふうだったとか、街の風景にしても居間や食卓を撮したシーンにしても、つい最近まで日本にもあった風景が懐かしく、いとおしい気がする。たしかにこんなふうに人と人との距離は精神的にも物理的にも近かったと思い出す。

喜劇だからあたりまえだが、みな妙に明るい。この屈折したところのない明るさは、きのうよりきょう、きょうよりあしたが豊かになっていくと信じられたあの時代特有のものであり、懐かしさを超えて感動さえおぼえたほど。





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最終更新日  September 6, 2010 11:49:09 PM
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