September 30, 2010
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カテゴリ: 映画
蠍座の企画「日本異端映画暗黒史」第1章の6作品に選ばれた1作。森一生監督の1960年作品。

こういうのをピカレスク時代劇というのだろうか。悪人はこのところすっかり珍しくなくなってしまったが、ただ悪人というだけでなく、師匠夫婦まで手にかけて立身出世しようとするその上昇志向がすごい。そしてそのすごさを演じることができるのは、勝新太郎をおいてほかにはいなかっただろう。

その意味で、この映画は稀代の名優である勝新太郎のすごさに舌を巻くためにあると言っても過言ではない。

たとえば、病に苦しむ旅人を、治療めかして殺し、金を奪うシーンがある。善意と殺意の見分けがつかない、あるいは旅人が金を持っていると知り善意が一瞬で殺意に変わるあたりの演技は天下一品。善人なのか悪人なのか識別しがたい悪人ぶりはこのあとも次々と出てくるが、ある種ストイックなまでの悪人ぶりは芸術の域に達している。

可憐な容姿と声で、若い中村玉緒が出演している。脇役もふくめてしっかりした俳優が揃っているが、やはりどうしてもこの二人に目が行ってしまう。

こういうピカレスクもの、しかも救いのない悪人を描いた映画を人格形成期に観るのは大切だ。こういう映画を観たことがないと、オウムの麻原のような人間に簡単に騙される人間になる。





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最終更新日  October 2, 2010 10:25:30 AM
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