June 13, 2014
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カテゴリ: 映画
BS放送が始まったころ、それまでいかに情報鎖国状態だったかを思い知った。

インターネットが普及したこんにちでも、その状況はさほど変わらない。ウィキペディアを一度でも自分で編集したことがある人は知っているだろうが、公安当局や極右勢力によって、両論併記を装った世論誘導がされるのが常態となっている。ああいうものを真に受けて自分で調べたり考えたりしようとしない人間をバカというが、こうしたバカはかつてなく増殖している。

マスコミは、数年前まで最大のスポンサーが電力会社であったことからもわかるように、広告出稿主の不利益になるような情報は極力流さない。また、権力側からの一方的な発表を真実として報道することが多く、冤罪事件の共犯者といっていいケースさえ少なくない。

こうした「偏向報道」は、インターネットでわずかに是正された面はある。ある個人や団体の消息を知ることは格段と容易になった。

しかし、外国のデモや集会はたとえ数百人規模でも報道するのに、国内のそれは数万人を集めても報道しない姿勢は異様だ。

集会に集まった沖縄県民10万人の反対を押し切ってオスプレイを強硬配備しようとした2012年9月。台風17号の暴風の中、沖縄の人々は普天間基地ゲート前に身を投げ出し、マイカーを繰り出し、22時間にわたってこれを完全封鎖したが、この詳細を伝えたマスコミがどれだけあっただろうか。

この出来事を琉球朝日放送の報道クルーたちが記録していた。この部分を頂点に、嫌がらせのスラップ訴訟を受けながらもヘリパッドに対する反対運動を生活の一部として闘い続けている高江の人たちの日常をうつしたのがこの作品。映画館だけでなく、全国の市民団体の手で自主上映されている。

この2012年9月の闘いで、まっ先に座り込んだのは老人たち。これは、「歴史上最も醜悪な戦争」とニューヨークタイムズが評した沖縄戦の記憶を持つのが彼らだからだろう。三里塚などで警察の暴力は見知っていたが、強制排除に乗り出した警察の激しい暴力、見下す若い米兵の姿は、日本の国家権力とアメリカ軍の本質を赤裸々に伝えている。気の良さそうな若い米兵がエキサイトして殺人鬼の形相になっていく。

こういう気のいい若者を殺人マシンに変えるのが帝国主義軍隊の特質だ。



しかしそのアメリカは没落した。南米大陸ではアメリカ軍の基地はコロンビアだけになった。軍事予算の拡大はできず、他の国に肩代わりさせなくては軍事行動ができなくなっている。

反戦運動とは平和を唱えてデモをすることではない。それは安全地帯のレジャーにすぎない。反戦運動の核心は、反基地運動であり、空母寄港反対運動である。なぜなら、侵略戦争のための戦闘機は基地や空母から飛び立っていくからだ。

基地がなければ戦争をしたくてもできない。この点で、中国、ロシア、北朝鮮に対するアメリカの軍事的野心を媒介する日本の基地、自衛隊基地や空港を「有事」には米軍が利用できる日米安保条約は廃棄されなければならない。

こうした反戦運動の「原点と原則」を再確認させてくれたのが、この抒情的な雰囲気さえあるドキュメンタリー。ただひとつ不満なのは、音楽が過剰でテレビ的リズムが感じられる点。ナレーションも過剰だ。多少冗長な部分があってもいいから、沖縄のあのゆったりとした時間の流れを感じさせてくれる編集のしかたもあったと思う。





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最終更新日  June 22, 2014 06:47:01 AM
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