June 21, 2014
XML
カテゴリ: 映画
偶然、以下の告知を見つけた。

・・・・・

今年三月台湾の社会運動により、留学生たちも連帯を作った。3月30日、札幌、東京、京都、福岡、沖縄で留学生が海外応援集会を行った。その後、留学生たちは心で繋がっている。東京、京都、名古屋での開催後、札幌においても《Hand in Hand》映画会を開催する。また、劇中に登場する台湾の民主運動における事件について、解説を行う。一緒に歴史の道を回顧し、貴重な民主主義を守ろう。台湾歴史に興味を持っている外国人も大歓迎!

・映画紹介

保守的な1950年代に、主人公の田さんは人権派医師の田先生と駆け落ちした。その後、人生あるいは社会運動そして政治犯救援の場においても、お互いを支えっており、一生、後悔しない。

自由さえ許さない時代で、どのような男のために彼女は駆け落ちすることを選んだのか?

民主さえ許さない国で、どのような情熱ために彼らは命の危険を冒して、デモにいくのか?

彼らは熱血あふれる人生は、その時代の人と人、あるいは人と土地の絆を証明している。

・・・・・



2時間20分のドキュメンタリー映画の主人公は70代の田孟淑。台湾独立活動家として知られる人権派医師・田朝明との恋に基づく物語である。田朝明が亡くなる最後の4年間に密着しただけでなく、ふたりの歩んだ道と民主化指導者のエピソードや証言を織り交ぜている。

セリフは台湾語と日本語、字幕が中国語(北京語と思われる)と英語。字幕が見えにくかったこともあり内容は半分もわからなかった。しかし、その退屈に耐えて最後まで見たら、だいたいの内容はわかったし、田朝明を看取る彼女の姿には強く打たれた。

二人が出会い、親の反対を押し切って駆け落ちし、田朝明の信念によって病院を追われ各地をさまようといった経緯はアニメ仕立てになっている。この部分は複雑な話ではないので、字幕なしでもわかる。しかし、二人の恋はたしかに熱烈なものだったかもしれないが、いささか冗長。このあたりは恋愛に対する価値観の重さ、強さが日本人とはかなり異なると思われた。

この二人の過去の恋や民主化運動での映像と寝たきりになった夫を介護する映像の間に、1947年の228事件、国民党政権によるその後の白色テロ、国民党内部の政治家さえ政府批判をすると反乱罪で投獄された雷震事件、1979年の美麗島事件、美麗島事件で逮捕された弁護士出身の省議員・林義雄の母や娘二人が惨殺された1980年のテロ、1988年の520農民運動、ジェイ・ナンロンとジャン・イファの焼身決起(1989年)の資料や映像、関係者の証言が収められている。

これらの事件のほとんどは知らなかった。フランコ後のスペインと同じような状況だろうと勝手に想像していた。父の友人の多くは台湾人であり、長期投獄された人も複数いる。それでも日本のように冤罪で無期や死刑といった話はきいたことがなかったので、日本の民主主義よりはマシかと思っていた程度だった。

しかし、マフィアなども利用しての白色テロはすさまじかったようだ。たとえば228事件で殺されたのは18000人とも、10万人とも言われている。その後も戒厳令の解除(1989年)までに14万人が逮捕され4000人が処刑されたという。

台湾の「民主主義」は、文字通り身を挺して勝ち取られたものなのだ。もちろんいまだそれは途上だが、タブーとされてきた228事件についても知られるようになってきたという。

実際、日本に留学してから知ったことも多いというくらい情報が乏しいのは当局の隠蔽体質が変わっていないからだ。

台湾が親日国だという間違った理解をしている人は多い。台湾でよく言われるのは「犬が去って豚が来た」という言葉。ここでいう犬は日本であり豚は国民党。日本帝国主義が台湾に対して行った蛮行はその後の歴史の曲折のせいで日の目を見ることは少ないが、数万人が処刑されたと見るのが妥当だ。また、その文化もろとも消滅させられた原住民の部族もある。

祖父の戸籍謄本があるので調べてみた。1884年生まれの祖父は1914年に祖母と結婚し長女は同年4月に日本で生まれている。次女が1915年1月に台湾で生まれているのは道理に合わないが、1歳になるかならないかの乳飲み子を抱え東北から台湾に渡ったのは1914年(大正3年)なのは間違いない。

1895年の台湾侵略からちょうど10年目にあたる。そしてまた第一次世界大戦が始まった年でもある。



どんな個人史も世界史の大勢と無関係ではないということをあらためて突きつけられた気のする映画だった。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  June 22, 2014 04:09:15 PM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

プロフィール

ペスカトーレ7

ペスカトーレ7

バックナンバー

December , 2025
November , 2025
October , 2025

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: