October 30, 2015
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カテゴリ: クラシック音楽
新星日響との合併以来日本最大のオーケストラである東京フィルをきくのはオペラなどを除くと3度目。過去2回は大野和士と尾高忠明による地方公演で、定期公演をきくのははじめて。

渡邊一正という指揮者もはじめて。放送などで見知っていて、なかなかよい指揮者ではないかと思っていたので一度きいておきたかった。たまたまキャンセルチケットが格安で入手できたので行くことにした。

モーツァルトのピアノ協奏曲第26番「戴冠式」(独奏は牛田智大)とマーラーの交響曲第1番「巨人」。同じニ長調の曲を集めたプログラム。

「戴冠式」は、ほどよい軽さと流麗さで奏でられていく牛田智大のピアノが心地よい。ケレンのない素直な演奏は、青年になりかけの今しかもしかしたら不可能なのかもしれない。彼にとってはまだ世界のすべてが新鮮なのだ。さて、自分のハイティーン時代はどうだっただろうかと思っているうちに演奏は終わった。指揮のサポートにも好感。

後半の「巨人」はダメだった。

ステージの上にはさすが日本最大のオーケストラという感じでたくさんのメンバーが乗っている。ありがちな金管楽器のミスも少ない。指揮も上手でアンサンブルの難所も危なげなしにこなしていく。一見、いい音で快調に進む。いささか没個性的ではあるが、妙な癖のない指揮者の音楽作りにも好感する。才能のある指揮者だと思う。

しかし、印象に残ったのはそれだけなのだ。訴えかける「一音」「一フレーズ」がない。弦の前列の方のプルトなどは情熱的に演奏しているのだが、それが音楽的な迫力となっていない。

N響の地方公演をきくと「この曲はこんな感じ」といった最大公約数的な演奏のことがほとんどだ。それに比べると定期のせいか気合いが入っている気はする。N響の地方公演と比べてもしかたがないが、比べたくなってしまうほどだということの方が問題だろう。

ビジネスライクだとか、そういうことを言いたいのではない。すべてが予定調和的なのだ。美は乱調にあるのだとすれば、乱調がない。つまり美がない。



よほどの指揮者や演目のとき以外、日本のオーケストラをきく興味を失った。





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最終更新日  December 25, 2015 04:48:29 PM
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