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R.咲くや姫
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2011.05.25
カテゴリ： 物書き
近道と聞いた小さな森の小道に
足を踏み入れた。
季節は夏になった言うのに
この寒さはどうしたことだろう‥
小道はだんだん細くなっていく。
この先に知人の家などあるのだろうか？
とても静かな小道には時々眩しい太陽が
射し込むけれど、風は冷たい。
残っていた雨粒がパラパラと
肩に落ちて私を驚かせる。
小道の先が明るくなった。
ちょっと安心するやいなや
足首の辺りが妙に温かい‥
ぎょっとして下を向くと
猫が絡まりついていた。
「にゃ～」と鳴いている様子だが
声がない。
「？？？」猫が居るということは
家が近くにあるのだろう‥
もう一匹猫が居る。
その猫は、くるりときびすを返し
私の先を行く‥
まるで案内をしているかのようだ‥
さっきの猫は私のそばでゴロリと
森の小道ももうすぐ終わりそうだ‥
人の声がする。
知人の声だとやっと判断が付いた私。
大きな森など存在しない場所だと
分っていても
何故か、この頃は臆病な私である。
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