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カテゴリ: 映画の話
夫の会社は、月曜日がノー残業デーということになっています(一応ね)。

車で30分ほどのところに、大きなショッピングセンターがあって、その中にシネコンがあるのです。
私、このシネコンというのが日本に登場し出した頃は、どうも遊園地のアトラクションの中で映画を見ているようで雰囲気が好きじゃなかった…。でも、平日の夜でも、買い物のついででも、思い立ったら映画を見に行ける、というのは本当にありがたいこと。今では度々、その恩恵に浴しています。

今日の映画は、山田洋次監督・永瀬正敏主演の「隠し剣 鬼の爪」にしました。
アカデミー賞の外国語映画部門にノミネートされた前作「たそがれ清兵衛」は、私も夫も大変感動した作品で、あのクオリティの映画を今回も見せてくれるだろうか?と期待大。

見終わっての感想ですが、夫も私も、五つ星でいうなら「☆☆☆」というところでしょうか。
藤沢周平作品の映画化で、庄内の下級藩士が主人公、そしてクライマックスは、その彼が心ならずも藩命を受けて赴く果し合い…と、「たそがれ清兵衛」に共通する点が多いので、どうしても前作と比べて見てしまい、採点が辛くなったかも?

前作では、さすがにアクション俳優出身!と唸った、真田広之さんの武芸の迫力(とくに、果し合いに備えて素振りで鍛えるシーンはすごかった)に唸り、刀を手入れする際に、目釘を水で湿らせる、といった細かいディテールの描写に感心したのですが、永瀬クンの場合は、立居振舞いに「侍に見えるよう一生懸命練習しました」というのが透けてみえてしまうように思えました。


ただ、この映画のタイトルである「隠し剣 鬼の爪」が何であるか、それが物語の中でどのように登場していくのか、これについてはとっても面白かった!
予備知識をほとんど持たずに見たので、後半の息詰まる展開には本当にひきこまれました。
私は原作を読んでいないので、どのような脚色がされているのかわからないのですが、主人公の恋にまつわる描写は省いて、こちらのストーリーを主軸に描いてもよかったのでは?と思ったくらいです。

幕末の、世の中が大きな変化を迎えようとしている中で、江戸から遠く離れたお城の侍たちが、彼らなりに新しい時代を受け入れようと奮闘する姿を、愛情を込めて描いている点は、前作同様すばらしいと感じました。
見終わった後は、なんだかんだと言いながらも、清清しい物語に心が温かくなっているのを感じました。

袴をはいて、腰に手をあてすり足で歩く・走るのが当たり前だったあの頃の侍には、手と足を交互に出して行進する、ということがとっても難しかったんだ!なんていうことも知ることが出来て、勉強になりました。

藤沢作品の愛読者には、この映画はどんな評価を受けるのか?聞いてみたい気もします。今度、原作を読んでみたいと思っています。






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最終更新日  2004.11.09 01:16:40
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