このCDのタイトル「memory almost full」は、ポールが自分の携帯電話に表れたメッセージからとった言葉らしい。 要するに「メモリーがもうすぐ一杯です」ということだけれど(「追憶の彼方に」という邦題はどうにかならないものか)…
還暦を過ぎて、その人生の殆どを注目されて生きてきた人から出てくる「almost full」という言葉には、一瞬こちらをたじろがせる深い含みを感じてしまう。 「EVER PRESENT PAST」 「THAT WAS ME」 「THE END OF THE END」 …なんて収録曲の数々に、“円熟”という言葉のさらに先にある、酸いも甘いもかみ分けた枯れた味わいが伝わってくるようにも思いました。