ふたり暮らしの手帖

ふたり暮らしの手帖

PR

プロフィール

サリィ斉藤

サリィ斉藤

バックナンバー

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07
2025.06
2025.05
2025.04
2008.10.21
XML
カテゴリ: 今日のつぶやき
歌舞伎座




ずいぶん前から噂にはなっていたことだし、老朽化や耐震性への不安という理由はさもありなん…

数年後に古希を迎える実家の母も、いつだったか、歌舞伎ファンのご友人と

「この、4階への階段が上れなくなったら、私たちも年貢の納め時ね」

と言って大笑いした…と話していましたが。
確かに、シニア世代や身体の不自由な人には厳しい、ユニバーサルデザインの対極を行く構造でもありました。

だから、ノスタルジックな感情論だけで「無くなるのは淋しい、惜しい、残してほしい」と言ってもいられない。
と、アタマではわかるのです。わかっちゃいるけど、でも…(苦笑)

結局は四角くて高いビルに生まれ変わり、上層階にはオフィスやホテルが入って、東京のあちらこちらにある“似た様な場所”の一つになってしまうのだろうか。

そう思うと、何だか、ガックリと肩が落ちてしまうような思いにかられます。



解体するならせめて、「江戸東京たてもの園」あたりに移築できないのかなぁ。

…新聞記事を眺めつつ、そんな夢想が次から次に浮かんでいます。

先述の母のセリフに出てくる「4階への階段」というのは、歌舞伎座独特の「一幕見席」へ上がる階段のこと。
通常ならチケットを購入して、昼の部、夜の部それぞれを指定された席で観劇するわけですが、この4階席は言うなれば、一幕ごと分割して売られる当日券のようなもの。

前売りが取れなかった人気興行も、一幕見席のチケット売り場に数時間並ぶ覚悟があれば、観ることが出来る。
同じ月の興行を、初日と中日と千秋楽、それぞれ見て出来具合を比べるなんてことも、わずかの費用で実現出来る。
何より、「ちょっと時間が空いたから、歌舞伎でも見てこようか」という、とても贅沢な暇のつぶし方が可能なこのシステムは、建物が変わっても残してほしい…

母娘二代で、歌舞伎座の「天井桟敷の人々」となる時間を愛してきた者として、切に願っています。
あぁ、さよなら公演のチケットも争奪戦になるんだろうなぁ…

(写真は2005年5月、中村勘三郎襲名公演の時の歌舞伎座。当日のブログは こちら





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.10.22 00:48:57
コメントを書く
[今日のつぶやき] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: