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カテゴリ: 落語の話
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今年は夫と私の夏季休暇がズレてしまい、わずかに重なった日程で、慌しくお互いの実家巡りツアー。
その合間にぽっかりスケジュールに空きが出来て「せっかくだから寄席に行こう!」と思い立ち、二人で池袋演芸場へ行ってきました。

前売り券の要らない寄席のシステムが、こんな時にはありがたい。
AKB48が生まれるはるか昔から、寄席の芸人さんは「会いに行けるアイドル」だったんですね(アイドルとはちょっと違うか…笑)

ただし、池袋の8月と言えば、柳家小三治師匠が一週間主席を務めることで有名。
そういう訳で、開場1時間半前の10時半に到着したら、すでに長蛇の列が出来ておりました。

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11時には入場が始まった上に、比較的見やすい席を確保。
客席には飲食がしやすいように、小さなテーブルがついています。12時半の開演に備えて、買ってきたパンで早めのお昼を済ませました。


ただ、他の寄席に比べて池袋は高座の持ち時間が長く、たっぷり噺が聞けると落語好きの知人が教えてくれた通り。
さん喬師匠や喜多八師匠以下、念願かなって初めて聞けた生の高座は素晴らしく、集中力が途切れることはありませんでした。

…そんな中、「待ってました!」の大歓声に迎えられた小三治師匠が、例のごとくウィットに富んだマクラに続いて披露されたネタは…
なんと、寒い冬の夜の噺、「うどん屋」。鍋焼きうど~ん、の売り声が、熱気のこもる場内に響いていきます。

この噺、以前 柳家喬太郎さんで聴いた 時もそうだったのですが、冒頭、うどん屋に絡む酔っぱらいのおじさんの長広舌に、ホロリとさせられてしまいました。
婚礼に呼ばれた帰り道、幸せの余韻に浸り、流れた月日の感慨にふけるおじさんの気持ちが伝わってきて、目頭が熱くなります…

そして後半になると、うどん屋さん自身のキャラクターが、がんばれ、と応援せずにはいられない愛嬌をたたえて立ち上がってきます。

最後には、30℃を超える夏の日に、熱々のうどんを啜りたい!と心底思っている自分がいました。

後から考えると、芸の凄味だなぁ…と驚かされるのだけれど、その場ではただひたすらに心地よく、肩の力を抜いて笑いに身を委ねられる。
いつかまた、この体験を味わいたい、と思わせてくれる小三治師匠。末永くお元気でいてほしいです。



後の予定がなければ夜の部まで居座りたかったくらい(昼・夜の入れ替えはありません)、寄席の醍醐味を堪能した一日でした。





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最終更新日  2010.08.11 21:42:00
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