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カテゴリ: 映画の話
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「人間の歩き方がギクシャクしてるなぁ(ジブリなのに…)」

…と、最初のうちは妙にアラばかり目に付きました。

その上、高校生の純愛!熱く燃え上がる学園の青春!出生の秘密もアリ!と、「ベタ」な要素のオンパレード(少女漫画が原作なので、当然といえば当然なのですが)。
私の好みから言えば、ジブリの映画じゃなかったら、あらすじを見ただけで拒否反応…と思われるところです。ところが。

いつの間にか、主人公の若者達に強く惹きつけられていき、まっすぐ映画に向かい合っていました。
描かれる恋の甘い切なさに、自分の胸がキュンキュン締め付けられる音が聞こえてくるようで(笑)
手嶌葵嬢の歌う主題歌「さよならの夏」が流れるエンディングには、目頭が熱くなってしまいました。

故郷の横浜が舞台になっていたことも、私の思い入れを強くした理由の一つだと思います。


私が、映画の主人公達と同じ高校生だった頃は、みなとみらい地区の開発プロジェクトがスタートした時期。
海を見下ろす校舎の窓から、ベイブリッジが出来ていく様子を日々眺めていたものでした。

澱んだ潮風に、錆びた鉄の匂いが混じってくる、子どもの頃に見ていた横浜港。
その頃は、あの戦争がなければ違う生き方をしていた、そういう大人の存在も間近だった…と、映画と重ねて色々なことを思い出しました。

主人公の海と俊。清く正しく美しい若者達が安っぽく見えないのは、その存在感の明るさが、時代の影の部分と背中合わせであることが伝わってくるから?
それでも、無条件に希望を信じて進んでいく、未来に心を開いた姿がまぶしかったです。

もう十代の少女には戻れないけれど(笑)こんな風に生きなければ人生もったいないよね、と素直に思ってしまった。
「上を向いて歩こう」というコピーに込められた、作り手のメッセージ。この時期に出会えてよかった、と思えた作品です。心洗われる90分でした。





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最終更新日  2011.08.03 02:21:07
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