撮り人の個人的な旅 by Sataiya

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以前、ランパーンの町にも日本料理屋が二軒ありました。二軒とも閑古鳥が鳴いている状態の儘つぶれてしまいました。先に出来た一軒は逸早くつぶれてしまった為、食べる機会を逸してしまいました。

二軒目が既に店が傾いているのを逸早く察知した時分、記念にどんなものかと日本料理を食べた事の無い友人(タイ人)を連れて行って来ました。

看板にはアーハンイープン(日本料理の意)とタイ文字で書かれていました。日本語の文字は一切無しで、「ネコ スシ」とタイ語で書かれていました。その横に英語で「NEKO SUSHI」と書かれていました。「ねこずし」ではなく「ねこすし」と云うところにご主人の頑固な拘りを感じました。

暖簾を潜り、恐る恐る店内に入るとハッピを着たタイ人の女性店員が、「サワディーカー」と愛想良く挨拶してくれました。店内では日本の演歌が流れていました。
氷がたっぷり入った緑茶とメニューがテーブルに運ばれて来ました。奥には料理人と思しきご主人がいました。この二名で切り盛りしている店のようでした。メニューを見ている間、この二名がずっとこちらを見ていました。

ラーメンを注文しました。三十分程待った後、漸く登場しました。どす黒いスープに胡椒たっぷりの醤油ラーメンでした。スープはぬるぬるでした。期待はしていませんでしたが、まさに其の期待をしていなかった味でした。見た目通りの、ショーコスギならぬチョーコスギのスープでした。

下らない駄洒落はさて置き、お口直しに寿司を注文しました。「ネコスシ」と云うくらいですから、寿司を食べねばと思いました。メニューには様々な寿司ネタが書かれていました。流石!と思いました。しかし、現在あるのはサーモンだけだというのでした。仕方なく其れを注文して食べました。寿司は意外と美味かったです。

客は私と友人(タイ人)の二人限でした。食べている間ずっと店員がじーっとこっちを観察するかの様に見詰めているので何だかバツが悪く思いました。「シセン料理屋ですか?」と聞きたくなりました。

仄聞したところ、「NEKO SUSHI」は日本人等観光客が多いチェンマイに移転したとの事だが、定かではありません。



日本人観光客の少ない庶民的な町ランパーンで割高な日本料理屋を繁盛させると云うのは、たとえて云うなら、風船にぶら下がって世界一周を試みるくらい無謀な挑戦と云えましょう。





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最終更新日  2007.04.18 20:24:48
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