エデンの南

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September 21, 2020
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テーマ: 読書(9582)
カテゴリ: 読書
ヘッセの『デミアン』は、ユングのグノーシス主義からの影響が強いんですよね。
それでグノーシスについて知りたいなあ、と何10年も前から思っていたのにもかかわらず、何読んで良いんだかで読まずに今日まで来てしまっていました。
(ユングから入ろうと思っていたので種類がありすぎて…)

ブックカバーチャレンジで『デミアン』をUPしたのをキッカケに、今度こそ読もうと思いテキトーに借りてきたのが『グノーシス主義の思想』
それと調べているうちに目についたこの本『悪魔の起源』
タイトルが気になって2冊借りました。
んで、こちらから読みました。

ルシファーとかアスモデウス、ベルゼブブとかが出てくるのかなーとワクテカしながら読んだのですが、なかなかそーゆー悪魔が出てきません。
そしてコレもグノーシス主義を教えてくれている本でした。

作者のエレーヌ・ペイゲルスは、ナグ・ハマディ文書研究の第一人者です。

元々キリスト教嫌いなんで(^▽^;) イエス・キリストが出てきた時の不自然さ、違和感などが書かれている所は、結構スカッとしたり。
それから、キリストって過酷な命令をしていて、婚姻や通常の社会的関係を禁じてたりするのですが、後に書き換えられて緩和されてるらしいです。

そして実は世界の創造主であるキリスト教の神こそが「悪」であり、アダムとイヴにリンゴを食べさせて目覚めさせた蛇こそが「善」なんだという事が書かれていました!
以下引用です。


このような疑問を抱いて『創世記』にアプローチした彼は、全てを逆転させてこの書を読むときにのみ、真理が明らかになることを「発見」するーすなわち神とは実際には悪党であり、蛇こそが聖なる者に他ならないということを!


紀元2世紀の殉教者ユスティノスが、かなりデカい存在として登場します。
以下引用です。

厳しい拷問を受けたキリスト教の信者やその奴隷たちが、キリスト教が蛮行に耽っているという申し立てを「認めた」という事例は、ユスティノスの耳にも聞こえていた。その蛮行とは、例えば儀式の際に人肉を食ったとか、殺したばかりの幼児の血を飲んだとかいうことである。

((((;゚Д゚)))))))
吸血鬼の人種って本当にいるんです。こんな大昔から今現在もです。

そしてキリスト教が言っている悪魔とは何かっつーと、以下引用です。

サタンがかつて神に反抗し、そのために天上を逐われた堕天使である、というキリスト教の教義も、サタンという存在の持つ矛盾を解決するために創り出された「解釈」の一つである。

サタンの存在が新約聖書でデカくなった事と、キリスト教以外の神々を悪魔と言ってたりする事が書かれていました。

しかしこの本、面白かったけどタイトルで勘違いしますよねぇ。

この後『グノーシス主義の思想』読んで、ナグ・ハマディ文書を読んでいる途中です。
ハマッてしまいましたよ。
リンク貼ろうとすると、ことごとく絶版( ;∀;)

これも絶版ですかい。なかなかカッコイイ表紙です。





エレーヌ・ペイゲルスの本を貼っておきますね。
しかしコレしかない😢








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Last updated  September 21, 2020 08:36:09 PM
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SEAL OF CAIN @ Re[1]:破壊と再生の2024(01/01) アラネアさんへ いつもコメントありがとう…
アラネア@ Re:破壊と再生の2024(01/01) コメントが超遅くなってしまい、すみませ…
SEAL OF CAIN @ Re[1]:破壊と再生の2024(01/01) まろ0301さんへ お久しぶりです! コメン…
まろ0301 @ Re:破壊と再生の2024(01/01)  大変な年でしたね。ワタクシも交通事故…
SEAL OF CAIN @ Re[1]:あけましておめでとうございます。(02/04) アラネアさんへ あけましておめでとうござ…

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