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天下兼相愛則治、交相惡則亂(墨子、巻之四)
順天意者、義政也。反天意者、力政也。(墨子、巻之七)
天下有義則治、無義則亂。(墨子、巻之七)

天下は人々が相愛すれば治まり、互いに憎しみあえば乱れる
天意に従う者は義に従って正す。天意に背く者は強制する
天下に義があれば治まり、義がなければ乱れる

#1 『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』三一書房、2005年

OPC

三一書房創立60周年記念出版。アメリカの権力者が行なってきた戦後の秘密破壊工作(テロ活動)の実態を具体的に検証する。「読書人」「共同通信」など各誌賞賛。自分のいる足場に深淵がひらくような衝撃にみちる一冊。付録としてキューバ侵攻作戦の「機密文書」収録、秘密破壊工作に関する全事項と関係者をインデックス化。人物ダイヤグラムも多数。

#2 『アメリカ帝国はイランで墓穴を掘る』洋泉社、2007年

イランの問題はイスラエルの問題と表裏一体の関係にある。イラン攻撃を狙うアメリカの新保守/神保守(親イスラエル派)は勢いを失ったが、消え去ったわけではない。イスラエルに軍事強硬派政権が存在し、プーチンにロシアから追い出されたエリツィン時代の「富豪」もロンドンとイスラエルを基盤に暗躍する。

2026.02.22
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 タッカー・カールソンによると、彼と彼のスタッフは2月18日、テルアビブのベン・グリオン国際空港で短時間ながら拘束された。パスポートを取り上げられ、エグゼクティブ・プロデューサーは尋問室に連れ込まれ、尋問者はカールソンと大使が何を話したかを問い質そうとしたという。その日、拘束される前に​ カールソンらは空港のターミナル内でマイク・ハッカビー駐イスラエル米国大使にインタビューしていた ​。ハッカビーは元アーカンソー州知事であり、キリスト教シオニストであり、ドナルド・トランプ大統領と親密な関係にある。

 ベン・グリオン国際空港での出来事について、アメリカ大使館は空港における通常のセキュリティ・チェックにすぎないと説明しているが、カールソンは世界を飛び回るジャーナリストであり、彼の経験からして通常のセキュリティ・チェックではなかったと考えたのだ。アメリカ大使館の説明に説得力はない。

 カールソンはハッカビーの招待でイスラエルを訪問したのだが、​ イギリスのデイリー・メイル紙によると、イスラエル政府は当初カールソンの入国を拒否していた ​。アメリカの国務省を交えて協議した結果、「外交問題」の可能性を回避するため、カールソンらの入国を許可したという。カールソンは西側の有名記者としては珍しく、パレスチナ人虐殺やキリスト教徒の扱いなどでイスラエルを批判している。

 インタビューの中でハッカビーはイスラエルが聖書に登場するすべての土地を占領しても問題ないと主張した。そうした土地はアブラハムの子孫に神が与えたと旧約聖書に書いてあるというのだ。ハッカビーは事実上、中東全域をイスラエルに支配させるべきだと言っている。本ブログでは繰り返し書いてきたことだが、イスラエルを作り上げたのはイギリスであり、ハッカビーの主張はイギリスが19世紀に打ち出した戦略に合致する。

 一般的に「近代シオニズムの創設者」とされている人物は1896年に『ユダヤ人国家』という本を出版したセオドール・ヘルツルだとされているが、その前からシオニズムという考え方は存在した。海賊行為で富を蓄積していたエリザベス1世の時代(1593年から1603年)、イングランドに出現した「ブリティッシュ・イスラエル主義」が始まりだと考えられている。

 その当時、イングランドの支配層の間で、アングロ-サクソン-ケルトは「イスラエルの失われた十支族」であり、自分たちこそがダビデ王の末裔だとする信じ、人類が死滅する最後の数日間にすべてを包括する大英帝国が世界を支配すると予言されているという妄想が広まっていた。

 イギリスや西側世界にシオニズムを広めた人物としてブリティッシュ外国聖書協会の第3代会長を務めた反カトリック派のアントニー・アシュリー-クーパー(シャフツバリー伯爵)が知られているが、17世紀初頭にイギリス王として君臨したジェームズ1世も 自分を「イスラエルの王」だと信じていたという。

 その息子であるチャールズ1世はピューリタン革命で処刑されたが、 その 革命で中心的な役割を果たしたオリヴァー・クロムウェルをはじめとするピューリタンも 「イスラエルの失われた十支族」 話を信じていたとされている。クルムウェルはユダヤ人をイングランドへ入れることを許可したが、稼ぎ方を海賊行為から商取引へ切り替えるためだったとされている。ユダヤ人は商取引や金貸しに長けていた。

 エリザベス1世が統治していた時代、イングランドはアイルランドを軍事侵略、先住民を追放し、イングランドやスコットランドから入植者をアイルランドのアルスター地方へ移住させた。好ましくないと判断した人びとを排除し、好ましいと考える人びとを移住させたわけだが、その後、そうした手法を彼らは繰り返す。

ピューリタン革命の時代にもアイルランドで先住民を虐殺している。クロムウェルは革命で仲間だったはずの水平派を弾圧した後にアイルランドへ軍事侵攻して住民を虐殺したのだ。

 侵攻前の1641年には147万人だったアイルランドの人口は侵攻後の52年に62万人へ減少。50万人以上が殺され、残りは「年季奉公」や「召使い」、事実上の奴隷としてアメリカなどに売られたと言われている。ピューリタンはアメリカへ渡り、先住民である「アメリカ・インディアン」を大量虐殺し、ヨーロッパ系移民が入れ替わった。

 ダブリン出身でプリマス・ブレザレンを創設したジョン・ネルソン・ダービー牧師は1830年代から宗教活動を始めたが、彼はキリストの千年王国がすべての文明を一掃し、救われるのは選ばれた少数のグループだけだと考えていた。

 世界の邪悪な力はエゼキエル書で特定されている「ゴグ」であり、そのゴグはロシアを指すと主張、ユダヤ人がイスラエルに戻って神殿を再建したときに終末を迎えるとしている。つまりキリストが再臨するということ。シオニストにとって対ロシア戦争とパレスチナ制圧は一体のことである。

 19世紀のイギリス政界では反ロシアで有名なヘンリー・ジョン・テンプル(別名パーマストン子爵)が大きな影響力を持っていた。彼は戦時大臣、外務大臣、内務大臣を歴任した後、1855年2月から58年2月まで、そして59年6月から65年10月まで首相を務めている。ビクトリア女王にアヘン戦争を指示したのもパーマストン卿だ。

 このように始まったシオニズムは19世紀に帝国主義と一体化し、パレスチナ侵略が具体化してくる。イギリス政府は1838年、エルサレムに領事館を建設し、その翌年にはスコットランド教会がパレスチナにおけるユダヤ教徒の状況を調査、イギリスの首相を務めていたベンジャミン・ディズレーリは1875年にスエズ運河運河を買収。そして1917年11月、アーサー・バルフォアがウォルター・ロスチャイルドへ書簡を出してイスラエル建国への道を切り開く。いわゆる「バルフォア宣言」だ。

 ​ 2023年10月7日にハマス(イスラム抵抗運動)を中心とするパレスチナの武装グループがイスラエルを攻撃した直後、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は「われわれの聖書(キリスト教における「旧約聖書」と重なる)」を持ち出し、パレスチナ人虐殺を正当化している。 ​聖書の中でユダヤ人と敵だとされている「アマレク人があなたたちにしたことを思い出しなさい」(申命記25章17節から19節)という部分を彼は引用、「アマレク人」をイスラエルが敵視しているパレスチナ人に重ねたのだ。

 サムエル記上15章3節には「アマレクを討ち、アマレクに属するものは一切滅ぼし尽くせ。男も女も、子供も乳飲み子も牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ。容赦してはならない。」と書かれている。「アマレク人」を家畜と一緒に殺した後、「イスラエルの民」は「天の下からアマレクの記憶を消し去る」ことを神は命じたとされている。

 これこそがガザでイスラエルによって行われていることだと言える。ネタニヤフによると、「われわれは光の民であり、彼らは闇の民」なのだ。ネタニヤフは8月23日、ナイル川からユーフラテス川に至る大イスラエルを創設するという「歴史的かつ精神的な使命」を宣言している。

 シオニストは自分たちの主張を正当化するための拠り所として旧約聖書やトーラーを持ち出すが、言うまでもなくこれは神話に過ぎず、歴史ではない。昔から旧約聖書にピラミッドが登場しない不自然さが指摘されていたが、最近の考古学はエジプトにユダヤ人が捉えられていたとする話に疑問を投げかけている。記述内容に適合する地域はバビロニアだとする学者もいる。

 勿論、聖書に書かれていることが事実だとしてもシオニストがパレスチナ人を虐殺し、中東全域を支配することは許されないが、その聖書の内容自体を歴史とすることはできないのだ。それでも宗教活動の中に止まっていれば問題ないのだろうが、現実世界を宗教世界に合わせようとしているのがシオニストだ。

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【​ 櫻井ジャーナル(note) ​】






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最終更新日  2026.02.22 00:00:06


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