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天下兼相愛則治、交相惡則亂(墨子、巻之四)
順天意者、義政也。反天意者、力政也。(墨子、巻之七)
天下有義則治、無義則亂。(墨子、巻之七)

天下は人々が相愛すれば治まり、互いに憎しみあえば乱れる
天意に従う者は義に従って正す。天意に背く者は強制する
天下に義があれば治まり、義がなければ乱れる

#1 『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』三一書房、2005年

OPC

三一書房創立60周年記念出版。アメリカの権力者が行なってきた戦後の秘密破壊工作(テロ活動)の実態を具体的に検証する。「読書人」「共同通信」など各誌賞賛。自分のいる足場に深淵がひらくような衝撃にみちる一冊。付録としてキューバ侵攻作戦の「機密文書」収録、秘密破壊工作に関する全事項と関係者をインデックス化。人物ダイヤグラムも多数。

#2 『アメリカ帝国はイランで墓穴を掘る』洋泉社、2007年

イランの問題はイスラエルの問題と表裏一体の関係にある。イラン攻撃を狙うアメリカの新保守/神保守(親イスラエル派)は勢いを失ったが、消え去ったわけではない。イスラエルに軍事強硬派政権が存在し、プーチンにロシアから追い出されたエリツィン時代の「富豪」もロンドンとイスラエルを基盤に暗躍する。

2025.12.01
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 ウクライナでNATO軍がロシア軍に敗北したことを隠しきれなくなりつつある中、ドナルド・トランプ大統領は確認石油埋蔵量が世界最大であるベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領と電話会談、マドゥロに対し、退陣しなければアメリカ軍の軍事行動に直面すると脅したという。石油をアメリカの巨大資本によこせということだと理解されている。ベネズエラ沖に艦隊を並べて脅せば屈すると考えていたのかもしれないが、屈服する様子はない。

 本ブログでもすでに書いたことだが、11月上旬、アメリカ軍は威嚇のために2機のB-52爆撃機をベネズエラへ向けて飛行させたが、陸地から約100キロメートルの地点でロシア製防空システムであるS-300に照準を合わされ、基地へ戻らざるをえなくなった。そのほか、中低高度の防空システムであるブークM2e、シリアで有効性が証明された近距離対空防御システムのパンツィリ-S1も配備されたと言われている。

 10月下旬にはロシアのアヴィアコン・ジトトランス所属のIl-76TD輸送機がベネズエラへ何かを運んできた。この会社はロシア軍や傭兵会社ワグナーの貨物を輸送したとしてアメリカから「制裁」されていることから軍事物資を輸送してきたのではないかと言われている。戦闘員を運んできたとも言われているほか、ロシアのスペツナズ(特殊部隊)もベネズエラへ入ったとする話が伝えられている。

 しかも、ロシアだけでなく、中国やイランもベネズエラへの支援を始めている。イランは航続距離2500キロメートルだという攻撃用ドローン「シャヘド」を供給したと言われているが、これが事実なら、ベネズエラはフロリダのアメリカ軍基地を攻撃できる。アメリカ軍がベネズエラを軍事侵攻した場合、ロシアの防空システムや対艦ミサイルの洗礼を受けることになるだけでなく、アメリカ本土も戦場になる可能性があるわけだ。

 アメリカの脅しに屈しない国はベネズエラのほかにも少なくない。インドもそうだ。ロシアとの関係を強め、アメリカから距離を置く政策を進めている。トランプ大統領はインドがロシア産原油の購入を「ほぼ停止した」と公言したが、インド外務省はそうしたことに関する「いかなる協議も承知していない」と述べ、エネルギー調達の「広域化」によって「エネルギー価格の安定」を確保するというインドの政策を強調していた。

 12月到着分を中心にロシアからのエネルギー輸入量は減少しているようだが、インドがロシアと距離を置く気配はない。インド国営の軍用機メーカーであるヒンドゥスタン・エアロノーティクス(HAL)はロシアの統一航空機製造(UAC)社製のSJ-100双発ナローボディ機を国内顧客向けに製造するという。HALは長年にわたってUACと提携、インド空軍向けにSu-30MKI戦闘機のライセンス生産を行っている。

 それに対し、アメリカはバングラデシュでも暗躍していた。昨年6月から8月にかけて、バングラデシュでは学生が主導する反政府運動が激しくなり、インドや中国と友好的な関係あったシェイク・ハシナ政権が倒され、ムハマド・ユヌスを首席顧問とする暫定政府へ移行している。

 ユヌスはアルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞(ノーベル賞ではない)を受賞しているが、トム・ハイネマンが2019年に制作した「マイクロ債務」というドキュメンタリーによると、高利貸しと言える人物だ。商業銀行の金利が通常12から13%のところ、ユヌスが1970年代に設立したグラミン銀行は30から40%。こうした高利で借りた人は返済のため、さらに高利の業者からカネを借りなければならず、多くの貧困層を借金漬けになった。

 ハシナ政権を倒したデモは雇用配分制度に対する不満が原因だとされているが、その背後にはパキスタンやアメリカが存在していたと言われている。アメリカはベンガル湾の北東部にあるセント・マーチン島に注目してきた。この島に軍事基地を設置し、ミャンマーの港湾を利用している中国に対抗できるからだ。ハシナは昨年5月、外国の軍事基地許可を拒否していた。

 バングラデシュはアメリカ海軍にとって重要な物流拠点になる可能性があり、同国の海軍基地は中国とインド洋をつなげるCMECを監視できるとアメリカは指摘、マラッカ海峡のコントロールにも役立つとも考えているようだ。

 ハシナ政権をアメリカと共同で倒したとされているパキスタンでは昨年2月8日に実施された総選挙の結果、266議席のうち無所属の候補者が100議席以上を獲得、そのうち93議席はイムラン・カーン元首相が率いるPTI(パキスタン正義運動)が占めていた。70議席は各政党が獲得した議席数に基づく比例代表制で女性(60議席)と非イスラム教徒(10議席)に割り当てられるのだが、PTIは政党からの出馬が認められていない。

 選挙の前、パキスタンの裁判所はカーン元首相に対し、「カンガルー法廷」で立て続けに懲役刑を言い渡していた。その背景でアメリカ政府が暗躍している。​ インターネット・メディアの「インターセプト」が公開したパキスタン政府の機密文書によると、アメリカの国務次官補を務めていたドナルド・ルーやレ・ビグリーを含む国務省高官が当時の駐米パキスタン大使のアサド・マジード・カーンと2022年3月7日に会談、ルー国務次官補は不信任決議を提案している。 ​アメリカの言いなりにならないカーンをジョー・バイデン政権は排除したかったのだ。

 その命令に従い、2022年4月に内閣不信任決議案が提出されるが、下院議長は却下、カーンは解散総選挙に打って出ると表明し、4月3日に議会は解散されたのだが、その議会解散を違憲と最高裁は4月7日に判断し、4月10日に内閣不信任決議案の採決が行われて可決された。そして軍を後ろ盾にするシャバズ・シャリフ政権が誕生する。

 国民は強く反発し、大規模な抗議行動や暴動という形で表面化。そこで軍は市民の自由を大幅に削減し、軍への批判を犯罪化し、国内経済における軍の役割を拡大、国内は麻痺する。言論統制のひとつの結果として、アメリカ政府に従属する軍に批判的なジャーナリストが殺害されたり行方不明になったりした。カーンは政治集会で銃撃されて足を負傷、その際、支持者のひとりが殺されている。

 カーンは2023年8月から刑務所に隔離され、彼の率いるPTIの候補者が政党から出馬すること、またクリケットのバットを選挙シンボルとして使用することが禁止された。非識字率40%のパキスタンでは大きな打撃となると見られていたが、それでも第1党になった。通常の選挙だった場合、PTIは圧勝していただろう。

 そのカーン前首相の健康状態が懸念されている。死亡しているという噂も流れ、家族や弁護士は週間にわたって面会を拒否されているとしている。当局は健在だとしているが、カーン前首相が健在である証拠を提示するように求めている。

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最終更新日  2025.12.01 01:01:23


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