SF拡張の原理

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2009.11.08
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カテゴリ: ミステリ

死の泉
皆川博子「死の泉」早川文庫JA
戦時中から戦後20年程度の期間のドイツを舞台にした歴史ミステリ。ナチスを信奉し、自己の美的信念を追究して過激な人体実験を繰り返すマッドサイエンティストへの子供たちの復讐を軸に話が進む。全体がメタフィクション構造をとっていて、殺されたはずの男が実は語り手だったのではと思わせるどんでん返しの「訳者あとがき」がついているという凝った構成である。作中では死んでいたはずの人体接合された女が最後にチラッと生きて出てくることでそれを暗示。凝った構成、執拗な出来事や人物の書き込みなど、その筆力は圧倒的で、完成度はとても高い。
しかしながらあまりにも長すぎるので、第1部で飽きてしまい、体調が悪くなってしまって後半は流し読みで済ませてしまった。もっと若くて体力のあるときに読んでいたら「これはすげえ!」と叫んでいたかもしれないが、人間中年の域に入ると、体力・健康上の制約からあまりに長く重厚な作品は次第に読めなくなってくるものだ。やはり、読書は若いころにたくさんしなければだめだと痛感した。
客観評価は満点に近いが、上記の体力的理由で、主観評価は★★★(6/10点)。





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Last updated  2009.11.08 17:53:25


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