SF拡張の原理

SF拡張の原理

2009.11.09
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サルバドール・エリソンド「ファラベウフ」水声社

作者のこういった変態的な性的妄想に資するべく、陵遅処死刑の写真や中国の文化に関するもろもろの付随情報が(西洋人で中国文化に疎いのをよいことに)さまざまに強引に歪曲されているのが面白い。例えば写真の人物は史実では男性であるはずなのに、両乳の部分の肉がそぎとられていることを根拠に女性であると強弁しているし(両胸の肉を最初にそぐのは当時の清国の刑法上、刑の執行方法が詳細に定められていて、それに従っているに過ぎず、囚人の性別を問わないことはちょっと調べればわかることである)、刑吏が6人であることの意味について、「六」という漢字が「処刑される人の形」=「ヒトデの形」であることにちなんでいるという漢字の字源とまったくそぐわない勝手な解釈をしている。が、本書が歴史的事実の追求にまったく興味を持っていない以上、作者にとってこういった史実はどうでもいいことであり、作者のすべての関心は、いかにしてこの写真をズリネタに、己の変態SM妄想を極限まで高めるかというただ一点のみにつぎ込まれているのだ。そして、バタイユの同種作品に比し、本作はかなり具体的で詳細な即物的文体を用いている分、インパクトもよりシュールで強烈である。★★★★(8/10点)
なお個人的には、この陵遅処死の写真よりも、ネットで検索してて見つけた中国の公開銃殺刑の写真(女の子が連行されて頭を撃たれ、頭が半分なくなっている写真のアップなど)のほうが強烈だった。しかもその写真の刑は、2005年ごろに執行されたもの。やっぱり中国はすごい。





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Last updated  2009.11.09 05:30:27
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