SF拡張の原理

SF拡張の原理

2009.11.20
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カテゴリ: SF

Xのアーチ
スティーヴ・エリクソン「Xのアーチ」集英社
一種の改変歴史幻想小説。トマス・ジェファソンの黒人の愛人サリー(奴隷の娘)の「自由か愛か」の選択によって異なる歴史の流れが成り立ち、歴史の流れを超越したその狭間に「永劫都市」という幻想世界が現出する。本作は中盤から、永劫都市におけるエッチャーという男のサリーへの愛を軸に、さまざまな異なる歴史の間を記憶とともに揺れ動く人々の姿を、ボルヘス的な前衛手法を駆使しながら描いていく。終盤では、作者エリクソン自身が登場し、ほかの登場人物に殺害されるというメタフィクション的なおまけまでがつく。内意識が世界に歴史を与えるという作品構造はバラードと通じ、夢と現実との間を揺れ動くメタフィクション的手法はボルヘスと通ずる。幻想SF(異次元・改変歴史テーマ)としても愛と自由の相克を描く純文学としてもなかなかの秀作だった。未読だが、世評の高い「黒い時計の旅」への期待も高まる。
8/10points





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Last updated  2009.11.21 04:32:16


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