SF拡張の原理

SF拡張の原理

2010.10.24
XML
カテゴリ: SF


楽天ブックスの「ブログネタ」をブログで紹介して10万ポイント山分け!


甲賀忍法帖

甲賀忍法帖

価格:620円(税込、送料別)


山田風太郎「甲賀忍法帖」角川文庫
記念すべき忍法もの第1作。のみならずチーム対戦バトルもののはしりなんだそうだ。
内容は、舞台設定のみ時代小説風だが完全にSFファンタジーで、超能力・モンスターものといって差し支えない。ナメクジのように体が溶ける忍者、死んでも死んでもヒドラのように生き返る忍者、息でカマイタチを起こす忍者、他人に化ける忍者、周囲の景色に色を変えて姿を消す忍者など、ヴァン・ヴォークトのエイリアンをも上回る生理機能を持つ怪物ばかりが出てくる(しかも、医学部出身作者の懇切丁寧な医学的・物理学的解説つきで、それゆえに本作をSFたらしめている)。この怪物たちが、徳川の3代目跡とりを決めるために甲賀と伊賀の10対10でバトルロワイヤルするという話。でありながら、バトルもののお約束と思われるフェアプレーなどという概念は存在しない。そもそもバトルが始まったことすら知らされないまま、甲賀側忍者が4人も殺されてしまうという掟破りの展開に始まり、いかに敵をアンフェアに騙しあざむくかという観点から、殆ど予測不能な破天荒な死闘が展開していく。忍術の一つ一つが出鱈目のように見えながらも、互いの相性で勝敗が理詰めに決するという合理性を保持してミステリ的な対読者フェアプレーを守っているところがさすがミステリ出身者だけある。このミステリ的合理性に貫かれた破天荒な超能力SFアクションに、「ロミオとジュリエット」の悲劇を重ね合わせ、結末できっちり辻褄を合わせる怜悧さには全く恐れ入った。この終盤の緻密な展開あってこそ、本作はただの面白読物を超えて不朽の名作たりえたと言える。
文句なし10点。風太郎はすげえ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010.10.25 01:00:48


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

楽天SF

楽天SF

Calendar

Favorite Blog

まだ登録されていません

Comments

コメントに書き込みはありません。

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: