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星河长明 Shining Just For You第7話天啓(テンケイ)のあばら家に潜伏する夜北(ヤホク)の長公主・七海怜(チーハイリアン)と勇士たち。するとその夜、侵入者が現れる。物陰に潜んでいた楚夜(ソヤ)は背後から剣を突きつけたが、侵入者はあの疫病神・葉凌霜(イェリンシュァン)だった。凌霜は長公主と再会、これまでの経緯を説明した。今は朱顔(シュガン)公主・七海蕊(チーハイルイ)の行方を探るため欽天監(キンテンカン)に入り、主事になったという。楚夜は葉凌霜が晁(チョウ)皇に寝返ったと誤解、始末しようと言ったが、公主にたしなめられて引き下がった。七海怜は夜北を救うため、晁(チョウ)皇・彧修明(ユーシューミン)を暗殺するために来たと明かした。「危険は承知の上よ…」実は晁皇は大淵古(ダイエンコ)が放った″衡辰天火(コウシンテンカ)″でも無傷だったという。七海怜は晁皇の鎧に秘密があると疑っていた。すると凌霜は天妃から聞いた話を思い出し、確かにあり得るという。「天妃娘娘いわく晁皇の鎧は夸父(コホ)族の鉄で河洛(カラク)族が仕立てたとか 他人には決して触れさせないそうです」「だとしたら勝ち目はある、星瀚(セイカン)大典に紛れて闇討ちを…」七海怜は礼服姿の晁皇なら自分の星辰の力で倒せると期待した。凌霜は傲慢な晁皇を警戒し、まず自分が下調べをすると申し出て帰ることにした。すると七海怜は凌霜を見送りがてら、これからは公主ではなく姉と呼んで欲しいという。「阿蕊がいない今、代わりに私を姐姐と呼んで」宮中に戻った凌霜は早速、雲紋(ウンモン)に彧修明が天火を浴びても無傷だった理由を聞いた。しかし雲紋の話では晁皇の強さは当世最大の謎であり、解き明かせる者などいないという。「いるとすれば君しかいない」「でも雲笈(ウンキュウ)楼は警備が厳しくて皇帝の許可がないと入れない 欽天監でも太史局の官吏だけなのよ?」墨(ボク)石の件が尚書僕射(ショウショボクシャ)・樊如晦(ハンジョカイ)の耳に入った。そこで樊如晦は皇帝に謁見し、国威を示す星瀚大典をできる限り盛大に行いたいと上奏、さらに金12万銖(シュ)、銀1000万毫(コウ)を工面して充当するよう進言する。彧修明は尚書に任せ、あらゆる苦難に遭った十数年を思えば金銭の心配など取るに足らないと笑った。さらに樊如晦に故郷である衛(エイ)の風物・静炎盞(セイエンサン)を下賜する。「衛の地が懐かしい…朕は12歳の時、そなたの家に預けられたな、これを贈ろう」彧修明はひとしきり樊如晦をおだててから、本題に入った。「そうだ、星瀚大典の工事で欽天監と司空監が黒曜石の代わりに墨石を用い、差額を横領している 調べはついている、首謀者は管宜(カンギ)だ、任せたぞ?」管宜が横領罪で捕まった。欽天監の監正(カンセイ)・狄蘭章(テキランショウ)は凌霜に仕事を引き継がせることにしたが、凌霜は新任の自分より適任者がいるという。「司空監の主事・顧惘然(コボウゼン)は正直もので仕事ぶりも緻密です 能力に見合う責務を任せてはどうですか?」「君の判断で決めれば良い」司寇(シコウ)監に汚職事件を裁くよう勅命が下った。家職から報告を聞いた樊如晦だったがすでに了承済み、皇帝の″明察″により管宜が首謀と調べがついているという。司寇監にもこれ以上、追及しないようすでに手を打っていた。樊征(ハンセイ)はまた父のおかげで難を逃れたが、激高した父に追いやられてしまう。するとその夜、樊昌(ハンショウ)から賂をもらった牢兵が管宜を始末、骸を梁から吊るして自害に見せかけた。宮中は激しい雨になった。界諸嬰(カイショエイ)はびしょ濡れになりながら嘆願を続けていたが、それを見た皇帝は流石に胸が痛む。「あやつを帰らせよ、明日の午後に出直させろ」翌日、界諸嬰はようやく皇帝と謁見した。皇帝は詳細を明かさなかったが、界諸嬰を禁軍に戻し、屋敷に霊安の間を設けることを許してくれる。しかし大罪を犯して死罪になった父を弔いに来てくれたのは謝雨安(シャウアン)だけだった。界諸嬰は心から感謝したが、その時、家族ぐるみの付き合いだった樊如晦が樊平(ハンヘイ)と一緒にやって来る。すると樊如晦は皇帝が界海天(カイカイテン)に積年の恨みがあったと吹き込み、今後は自分を頼れと励ました。界諸嬰は友である樊平から父の遺書を受け取った。訃報を聞いた樊平が急いで界府に駆けつけたところ夫人が服毒しており、遺書を託されたという。「樊兄、かたじけない」「会いに行きたかったが父に止められていた、陛下に知られたらお前に不都合になるからと」「ごもっともだ、母を看取ってくれて感謝する」界海天は永遠の別れに際し、息子が健康で良き妻子に恵まれるよう願った。…己の決断を悔いたことはない、この結末は予想していた…すると父の手紙を読んだ界諸嬰はそのまま泣き崩れてしまう。そこへ七海怜が現れ、黙ってそばに寄り添った。「父は陛下を恨むなと…では誰を恨めばいいのだ?」「分からないなら誰も恨まないで、楽しいことだけ思い出すの」「今の私には無理だ…」「でも私たちの思い出を忘れないで、約束よ」七海怜が帰る頃には雨が病んだ。すると帰路で霍陸(カクリク)と名乗る男が現れ、自分も晁皇に恨みを持っているという。霍陸は子供の頃、苦役を課された末に殺されそうになったところを界監正に救われていた。「星瀚大典が近い、根回しも済ませた、祭典の席上で界大人の無実を訴えるつもりだ」実は霍陸は鎮北大将軍・蔡驂(サイサン)の配下だった。「七海怜は誘いに応じました」「はお、腰抜けの界諸嬰より夜北の長公主が使えるとはな」当時、彧修明を卑賎出身の子供と侮っていた蔡驂。まさか長年、戦を勝ち抜きながら、最後は夢破れて自分が彧修明の臣となるとは予想外だった。「樊如晦が大典でお前に便宜を図る、彧修明が死ねば我が軍が1日で天啓に攻め入るだろう 天下は我ら蔡家のものだ!」蔡驂は功を立てた霍陸に何が欲しいか聞いたが、霍陸は恩人の力になれただけで十分だと言った。白露は立ち入り禁止の雲笈楼に何とか忍び込むことにした。警備が厳しいのは正門だけ、そこで裏から入り込めそうな場所を探してみる。するとちょうど応急措置した壁の穴を見つけ、蹴飛ばして忍び込むことに成功した。まさか皇帝が中にいたとも知らず…。広い殿内には珍しい書物が並び、白露は目を輝かせた。「雲紋、帝星宜鑑(テイセイギカン)が全巻、揃ってるわ!」その時、突然、誰かの声がする。「雲笈楼に侵入したのは何者だ?」彧修明は声色を変え、背後からそっと白露に近づいた。「私は書物泥棒を捕まえに来たのよ!」白露は急に振り返って曲者の胸ぐらをつかんだが、皇帝だと気づいて驚愕した。「そなた、誰と話していた?雲紋とは?」すると琥珀石の雲紋は自分の声なら聞こえていないと教え、しらばくれるよう助言する。「何のことやら、私には全然、分かりません」白露は独り言を言う癖があると嘘をつき、尊敬する皇帝の偉功(イコウ)を知りたくて来たとごまかした。白露が自分に関心があると知って悪い気はしない彧修明。そこでなぜ自分を尊敬するのか聞いた。「陛下は17歳にして夸父族と巨石で戦い、単身、谷に乗り込んで60人余りを血祭りに その後、自ら奚(ケイ)・唐(トウ)・曹(ソウ)・欒(ラン)の4つの地へ征戦 夜北の戦も含め、17年の不敗を誇るからです!ʕ•̀ω•́ʔキリッ✧ つまり…ご年齢は30代半ばかと」「計算が早いな」しかし巨石の戦いでは巨人の夸父族に囲まれ、皇帝を除き全滅したという。「そなたが目にするのは記された結果のみ、誰も過程を気に留めぬ」皇帝に見逃してもらった白露は遅くまで雲笈楼で書物を読みあさった。するとある橋に関する記述を見つける。″眠師橋(ミンシキョウ)は含真(ガンシン)の地に架けられ、傍に古い宮殿がある、そこは歴史ある土地、言い伝えでは古代は真師(シンシ)の神通力により守られていた、噂によればこの地ではよく不思議なことが起きる″とある。「雲紋、眠師橋って真師と関係があるの?真師って?」「真師は伝説に登場する種族だ、不死身で数百年を経ても老いることがない 全知全能であらゆる神秘に通じている」白露はもし彧修明に真師の力があれば衡辰天火の術も逃れられるのではと考えた。しかし雲紋はなぜか憶測に過ぎないと冷たい。そこで白露は皇帝に探りを入れることにした。翌日、皇帝に白露から箱が届いた。侍衛の凌雲(リョウウン)は贈り物なので中を確認していないという。「朕を謀殺する仕掛けかもしれぬ…ふん、あんな小娘など恐るに足らぬわ」とは言ったものの、彧修明は恐る恐るふたを開けた。つづく( ゚ェ゚)それにしても若いわ… ( °◊° )え? ←視聴者
2024.06.18
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第8話陸長空(ルーチャンコン)に突き付けられた退婚書を一方的に破り捨てた祥雲(シャンユン)。その夜、祥雲は今さらながら辺境から届いた長空からの手紙を開き、その深い愛情に涙した。一方、長空は祥雲を守るため冷たく突き放したものの忘れられず、今夜も長命玉を手放せずにいる。その頃、宮中では第三皇子・寧王(ネイオウ)が別れ際の祥雲の言葉を思い出していた。『彼との絆から逃げたいと言っていたな?婚約を解消するよう私が口を利こう』『いいんです、たとえ辛くても面倒でも受け入れようと思います、切れない縁ですから…』翌日、寧王は皇帝に謁見し、陸涼(ルーリィャン)の謀反は間違いないと上奏、陸府の捜索を嘆願した。しかもその役目を護衛長である宋勤文(ソンチンウェン)にやらせるという。「宋勤文は陸涼の盟友、彼の出方を見る良い機会です それに陸涼の配下が宋勤文の元に移ることを防ぎ、彼の評判を落として陸涼に続かせません」「一石二鳥か…良いだろう」これまで父皇に軽んじられてきた修茗(シュウメイ)、しかしいよいよ本性を現し始めた。宋府に勅旨が届き、宋勤文は皇帝から陸府を改めるよう命じられた。すると陸涼のもとに宋勤文から密書で知らせが届く。陸涼は覚悟を決め、長空に全て明かした。あれは8年前、晋水(シンスイ)の堰(セキ)があふれ、多くの民が死傷し、行方知れずになったという。巷では恨みの声が沸き上がり、皇帝は騒ぎを鎮めるため、陸涼に被災した民の受け入れを頼んだ。それ以来、皇帝は毎年、被災した民へ大金を割いたが、これは陸涼と2人だけの秘密だったという。陸涼は約束通り何も書き残さず、遺族たちも受け入れた。まさかこんな結末を迎えることになるとは知る由もなかったが、皇帝が死ねと言えば臣下は従うしかない。しかし当時の副将で隠棲した仲良(チュウリョウ)が唯一の証拠となる詔勅を隠し持っていると話した。出かけていた祥雲が屋敷に戻ると、宋家軍がすでに整列していた。軍装姿の父を見つけた祥雲は陸家に向かうつもりだと気づき、考え直すよう訴える。しかし娘がひざまずいて嘆願しても宋勤文は皇帝の命に背くことはできなかった。「娘を見張れ、逃げたら罰するぞ」宋勤文は兵を率いて陸家に乗り込んだ。中庭の涼亭では陸涼と夫人が2人、全て達観したかのように酒を飲んでいる。一方、長空は仲良の山荘に到着していた。仲良はありもしない詔勅を捜しながら時間を稼いでいたが、やがて長空に気づかれてしまう。「父上が私を騙したのか…私を生かすために、そうなんですね?」陸家軍の名簿や帳簿はすでに長空が全て燃やしていた。陸府に謀反の証拠などあるはずないが、その時、突然、馮(フウ)都尉が兵を率いて駆けつける。「陛下が証人さえ出ないことを懸念し、宋統領を手助けしろと…」すると馮都尉は自分の配下にもう一度、捜索するよう命じた。祥雲は食事の差し入れに来た翠碧(スイヘキ)と入れ替わり、部屋から脱出した。しかし見張りにすぐばれてしまう。追い詰められた祥雲は思わず兵士の帯剣を奪って突きつけたが、そこへ婉娘(エンジョウ)が駆けつけた。「やめなさい!阿娘に逆らうの?!」「陸長空を助けたいの…今日、会わなかったら一生、後悔する!」婉娘は娘を止めることなどできないと分かっていた。「必ず戻るのよ」「阿娘、ごめんなさい」その頃、陸府では思いがけず連判状が発見された。「陸涼、これは何だ?!」陸涼は自分を陥れるため偽造までするのかと馮都尉を蔑んだが、それを指示したのが皇帝だと分かっていた。「陛下が死ねというなら死ななくてはならぬ…宋兄、私と同じ轍を踏むな」すると陸涼は自分と共に国を守ってきた名剣を抜き、自ら首を斬ってしまう。「老爺!置いていかないで!」夫を抱き止め、悲しみに暮れる夫人、その時、思いがけず長空が戻ってきた。「でぃえ!」長空は父の死に動揺しながらも、母を救おうと兵士に応戦したが多勢に無勢、地面に叩きつけられ、馮都尉の剣が迫る。焦った夫人は息子を守るため夫の剣を拾い、背後から馮都尉を刺した。しかし致命傷には至らず、馮都尉に刺し殺されてしまう。「娘!」長空は目の前で両親を惨殺され、絶望の淵に突き落とされた。その時、祥雲が中庭に爆薬を投げ入れ、煙が充満しているうちに陸放(ルーファン)と協力して長空を連れ出すことに成功する。実は陸涼は陸放に馬車を用意して待つよう命じていた。すると陸放は宋小姐に少爺を頼み、2人を逃すためおとりになってしまう。「翠碧に伝えてください、もう待てなくなったと…」祥雲は夜の街を馬車で疾走した。しかし城門で待ち伏せしている父の姿に気づき、馬を止める。「どうなるか分かっているのか?」「陸長空を死なせない、彼が死んだら私も死ぬ!」「行きなさい」宋勤文は娘を止めず、見逃した。城門を出た祥雲は一度、馬車から降りると、父の背中に叩頭し、別れの挨拶とした。大皇子が陸涼と手を組んで軍費を着服、兵を集めて謀反を企てた証拠が見つかった。大皇子は全ての地位が剥奪され庶民に落とされ、靖安の御陵で墓守りとなる。全ては修茗の目論見通り、そこで具合の悪い皇帝に太医を遣わすよう命じた。陸家が滅び、初空(チュコン)を狙う魔羅(マラ)族の刺客にまたとない好機が訪れた。あの仙女のせいで陸長空は命を取り留めたが、すでに手は打ってあるという。一方、鶯時(オウシ)は客桟で陸家の惨劇を知った。兵士はまだ陸家に関わる者を探し回っているため、すぐ逃げなくてはならない。翌朝、紫輝(シキ)が鶯時の宿を訪ねると、すでに部屋はもぬけの殻だった。すると書き置きと姻縁祠(シ)で紫輝から買い取った傘が残されている。…これで貸し借りなしね…紫輝は鶯時がお尋ね者になったと知り、必ず自分が助けると誓った。閑散とした宋府に寧王がやって来た。祥雲が陸家の賊にさらわれ、宋勤文が怒りで倒れたと聞いて見舞いに来たという。「あまり気に病むな、すぐ知らせが届く、賊は殺され、娘は救われたとな」つづく
2024.06.17
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第7話天界では紅線翁(コウセンカク)や李(リ)天王たちが集まり、祥雲(シャンユン)と初空(チュコン)戦神の情劫を見守っていた。「李天王、この前、言っていた話を盛り上げる件は?」「要望にお応えします、私にお任せを~」筋書きを書いた李天王は自慢げに言ったが、そこへふいに昊軒(コウケン)帝君が現れた。「話を盛り上げるとは?」帝君は続きを見ようと誘ったが、神仙たちは蜘蛛の子を散らすように仕事へ戻ってしまう。一方、人間界では陸長空(ルーチャンコン)が武術大会での活躍を認められ、皇子たちの武術の師匠に選ばれていた。しかし陸家の増長を恐れる皇帝の不興を買い、このままでは家族ぐるみの付き合いがある宋(ソン)家にまで累が及ぶと気づく。屋敷に戻った長空は祥雲が巻き込まれることを恐れ、父に退婚を申し出た。陸涼(ルーリィャン)はそこまで深刻な状況ではないと言ったが、その時、見慣れぬ使用人が帳簿を届けにやって来る。すると陸涼はどこか上の空になり、長空は父が何か隠し事があると怪しんだ。居所に戻った長空は陸家軍の10年間の帳簿を取り寄せ、調べ始めた。気がつけば陽が昇り、結局、一睡もしないまま皇子たちの稽古に出かける。すると珍しく病弱な第3皇子・寧(ネイ)王の姿があった。長空は寧王に弓を差し出したが、その時、寧王の手首に見慣れた手巾が巻いてあることに気づく。「これは数日前、ある娘が巻いてくれた、まだ治らなくてな、少し手伝ってくれないか?」そこで長空は弓を構えた寧王の姿勢を直しながら、思わず手巾を外してしまう。「真に優れた射手なら強い心を持っています」寧王の放った矢は的の横をすり抜け、後ろの木に刺さった。他の皇子たちは自分の的すら分からないのかと冷笑したが、長空は寧王の本当の実力を見抜く。…病弱なふりをして才気を隠していたが、急に実力を見せつけて来たか…皇帝は陸家の台頭に頭を悩ませた。すると珍しく寧王が現れ、陸家を排除して父皇の憂いを除く策があると進言する。皇帝は8年前の災害以来、毎年、被災した民に大金を割いていたが、寧王は皇帝が密かに陸涼に命じてその民を都の郊外・文康(ブンコウ)に住まわせていると知っていた。「証拠は残っていないはず、どこでそれを知った?」「どうやって知ったかより、勝手に兵を集めて謀反を起こすのは一族皆殺しの大罪では?」一方、祥雲は武術大会の件で父から禁足の罰を受けていた。あれ以来、長空もなしのつぶて、何日も会いに来てくれない。もし他に意中の人が現れたのなら喜ぶべきことだが、祥雲はなぜか胸が苦しくて息もできない気分だった。そこで紫輝(シキ)を呼び出し、陸家を偵察するよう頼む。紫輝は陸家に逗留する鶯時(オウシ)に会えると喜んで出かけたが、逆に鶯時から祥雲を探るよう命じられてしまう。紫輝はすっかり鶯時に懐き、なかなか戻らなかった。恋仲の翠碧(スイヘキ)と陸放(ルーファン)は密かに落ち合い、主たちが疎遠になったせいで別れの危機だと嘆く。その頃、寧王は宋府に祥雲を訪ねた。祥雲はちょうど中庭で居眠りしていたが、寧王は扇子を広げて日陰を作り、黙って見守る。すると不意に目を覚ました祥雲が驚いた。「いつ見えたのですか?」「少し前だ、寝ていたから起こさずにいた」寧王は妹の誕生日が近いため、祥雲に贈り物選びを手伝って欲しいという。名簿を調べていた長空は朝廷からの軍費が陸家の兵数と見合っていないと分かった。…多額の軍費は何に使われているんだ?まさか…長空は王伯陽(オウハクヨウ)に文を書き、文康にいる避難民を全て移動させた。つぎに陸家の将とその家族に密かに都を離れるよう通達させる。陸放は陸家に何か災いが降りかかるのだと気づき、宋小姐をどうするつもりか聞いた。すると長空は″巻き込めない″とだけ答えた。祥雲は寧王のおかげで久しぶりに街へ出かけた。しかし寧王と一緒にいても思い出すのは長空と出かけた時のことばかり。すると露店で虎と豚が抱き合う可愛い陶器を見つけ、思わず買ってしまう。寧王は祥雲がその陶器を陸長空に贈るつもりだと気づいた。「この前、彼との絆から逃げたいと言っていたな?…そなたの願いは何でも叶える」長空は鶯時にも辺境へ戻るよう命じた。しかし鶯時は祥雲のせいだと誤解、このまま安涼(アンリョウ)に戻れば嫁に出されてしまうと焦る。鶯時はひとまず従兄の言う通り屋敷を出たが、考えがあった。祥雲は両親の話を立ち聞きし、陸家に危険が迫っていると知った。そこでこっそり長空の部屋に侵入して待っていると、やがて長空が戻って来る。「祥雲?!なぜここに?」「大事な話があるの」すると回廊から陸放の声が聞こえた。<少爺?宋小姐を呼んできます!祥雲はここにいると答えようとしたが、長空は思わず口をふさいで止めた。<少爺、毎晩、長命玉を握りしめて放さないのは恋しいからでしょう?驚いた長空は門を少し開け、陸放を追い返した。祥雲は長空にすぐ都を離れるよう勧めた。父の話では皇帝が陸家の帳簿を密かに差し押さえたという。すると長空は退婚書を渡し、心にもないことを言って祥雲を傷つけた。「私たちは確かに幼なじみだ、だが人は変わる、もう疲れた、君には付き合い切れない これからは他人だ、私のことはもう気にするな」祥雲は自分を巻き込まないための嘘だと分かっていた。「それであなたの心が安らぐなら私も協力する、お荷物にはなりなくないの でも婚約のことは焦らないで、けりがついても気持ちが変わらないなら私から話すから」祥雲は思わず退婚書を破り捨てた。「長空、忘れないで、指切りして約束したでしょう?…死んでは駄目」祥雲はあふれる涙をぬぐいながら帰って行った。引き止めたい気持ちを必死に押さえ、祥雲の背中を見送る長空。書卓には敗れた退婚書があった。つづく
2024.06.15
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星河长明 Shining Just For You第6話都護府を設置し、大都護には兵権を与えると決めた晁(チョウ)皇・彧修明(ユーシューミン)。しかし兼ねてから政策に反対していた界海天(カイカイテン)が異議を唱えた。「兵権を持った大都護に実権を握られ、羽(ウ)王の二の舞となるやも!」朝臣たちが騒然となる中、皇帝と界海天の口論が続いた。すると界海天を告発する者が現れ、界海天が皇帝の口宣(クゼン)を改めて夜北(ヤホク)の民を誅殺しようとしたという。恐らく都護府設置に反対なのも逆心から兵権を返還したくないからだ。これに皇帝は激怒、界海天を捕らえ、正殿の前でさらし首にせよと命じた。尚書僕射(ショウショボクシャ)・樊如晦(ハンジョカイ)は界諸嬰(カイショエイ)を弾劾する機を失ったが、結果的に界海天の排除に成功した。彧修明も苦渋の決断だったが界諸嬰を守るためには止むを得ない。白露(バイロウ)こと葉凌霜(イェリンシュァン)は不吉な予感を察して正殿に急いだが、手遅れだった。欽天監(キンテンカン)に監正・界海天の死罪が伝えられた。管宜(カンギ)は自分が昇格できると信じて疑わなかったが、皇帝は狄蘭章(テキランショウ)を新たな監正に指名する。一方、夜北では七海怜(チーハイリアン)が苦淵(クエン)海で芳華(ホウガ)鏡の捜索に協力していた。すると七海怜の星辰の力でついに神鏡が海面に現れる。しかし喜んだのも束の間、界諸嬰に天啓から思わぬ勅旨が届いた。「界海天は陛下に背いて死罪となり、界夫人は自害した、界諸嬰はすぐ帰京せよ」界諸嬰は両親の死を信じられず、悲しみに暮れた。これまで頑なだった七海怜も絶望する界諸嬰に同情し、優しく寄り添う。「天啓に戻れば何かひらめくやも…」「そうだな、真実を知りたい」界諸嬰はもはや自分が気にかける者は七海怜だけになったと寂しそうに笑った。皇帝は政に専念するため樊如晦を太宰(タイサイ)に封じ、庶務を全て任せることにした。上機嫌で屋敷に戻った樊如晦は長子・樊平(ハンヘイ)に縁談がまとまったと伝えたが、樊平はあまりに急過ぎると困惑する。すると放蕩息子の次子・樊征(ハンセイ)がならば自分が娶ると口を挟んだ。樊如晦はかつて騒ぎを起こした樊征のせいで皇帝に許しを乞う羽目になったことを思い出し、怒りが再燃する。「羽(ウ)人がお前に金品を送るのは私への媚びだ!今後、羽人と関わることは許さぬ!」南宮では星瀚大典の準備が始まった。しかし司空監の主事・顧惘然(コボウゼン)は帳簿が不正確なため竣工図を承認せず、工事責任者の周邇(シュウジ)は苛立ちを隠せない。その様子をちょうど作業の進み具合を確認に来た白露が見ていた。管宜は皇帝が白露を作業場に遣わしたと聞いた。そこで宮中を出て急いで樊家の次子に報告、太宰も巻き込まれるかもしれないと警告する。しかし樊征は父の権勢を笠に恐いもの知らず、何としてでも金を稼ぐと譲らなかった。白露は欽天監に顧惘然を呼び出し、こっそり正体を明かした。「私は葉凌霜よ」「やっぱり君か?!」実は顧惘然はかつて夜北で狼に襲われたところを凌霜と朱顔(シュガン)公主に助けられていた。白露は顧惘然が竣工図を承認しない理由を聞いた。すると顧惘然は袂から黒い石を2つ出して見せる。2つは見た目こそ似ていたが、ひとつは祭壇を作るのに最適な北邙(ホクボウ)山の黒曜石で、もうひとつは砕けやすく建築に向かない墨石だった。「なるほどね、黒曜石は墨石の10倍は値が張る、墨石を使えば差額が懐に入る」白露は顧惘然に承認を引き伸ばすよう頼み、悪事を暴き出すと約束した。界諸嬰は天啓城に到着したが足止めされた。界海天は勅書の偽造という大罪を犯したため、弔うことも許されないという。すると兵士に紛れていた七海怜が捕まり、将軍に引き渡された。「斬られると承知でなぜ危険を冒した?!」「夜北の赦免を乞うの」「私が上奏すると言ったはずだ」「家にも帰れない人がどうやって?!」しかし界諸嬰は必ず赦免を乞うと約束し、皇帝との謁見を求めて嘆願を始めた。界諸嬰が正殿の前でひざまずいて3日が経った。そうとは知らず皇帝に上奏に来た白露。しかし門衛から勅令か欽天監の勘合(カンゴウ)がなければ通せないと門前払いされてしまう。「将軍さえ3日もひざまずいています、勘合を持ってきてください」驚いた白露が振り返ると、すっかり憔悴した界将軍が跪いていた。白露は界将軍のもとへ駆けつけ、夜北で何かあったのか聞いた。すると界諸嬰は長公主も天啓に来たと教え、ある場所を探すよう伝える。一方、皇帝の側近たちは何とか界諸嬰が謁見できるよう遠回しに口添えしていた。彧修明は朝臣たちの反応を聞いてみたが、侍衛たちの話では誰も界諸嬰に近寄らないという。「ぁ…でも欽天監の白露だけは話を…」彧修明は白露を呼びつけ、界諸嬰と何を話したのか聞いた。しかし白露は慰めの言葉をかけただけだとしれっと嘘をつく。「界諸嬰の答えと相違があれば死を覚悟せよ」「…それより陛下、他に死すべき者を知っています、樊征です」管宜と周邇は墨石の件が皇帝にばれるのを恐れて樊家に太宰を訪ねた。しかし樊如晦は何の話か分からず、とにかく皇帝の意向に従うよう命じて追い返してしまう。…どうやら参内せねばならぬようだ…その夜、白露は界将軍から聞いたあばら家を訪ねた。人影はなかったが、その時、突然、背後から短剣を突きつけられてしまう。つづく
2024.06.14
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星河长明 Shining Just For You第5話葉景清(イェケイセイ)は羽(ウ)族の四皇子・翼無憂(イーウーユー)に救われるも死期が迫っていた。そこで四皇子に自分の死後、天啓(テンケイ)にいる凌霜(リンシュァン)を守って欲しいと懇願する。「凌霜は真師(シンシ)の加護を受けた者、そばにいれば星流(セイリュウ)石が見つかるはずです」「安心せよ、石のためでなくとも葉子(イェズー)を守る」葉景清も四皇子の娘への真心に気づいていた。しかし凌霜の運命の相手は皇帝だと伝えて旅立ってしまう。星瀚(セイカン)大典の吉所の期限を控え、白露(バイロウ)こと凌霜は夜遅くまで上奏文を書いていた。占術大師・雲紋(ウンモン)は凌霜の選んだ土地がどれも吉所とは言えないと困惑したが、凌霜は皇帝が納得すれば問題ないという。そこで翌朝、和合の吉日の暦を届けがてら天妃(テンヒ)・冷天曦(レイテンギ)から皇帝の人柄や好みを聞き出すことにした。冷天㬢は吉所選びに役に立つのならと、実は皇帝が占星術にこだわらないと明かす。「燹(セン)朝の末期、陛下が天啓に攻め入った時、敵軍は南宮に大軍を配した 南宮には神が皇帝と認める証し″伝国璽(デンコクジ)″があったからよ あの時、南宮に向かっていたら陛下は大敗を喫したでしょうね」「陛下は敵の策略に気づかれたのですね?」「ふふ、陛下は伝国璽を求めなかった だから南宮に力のある法術師を遣わし、大軍もろとも伝国璽を焼き尽くして灰にしたわ 陛下にとって勝利のための条件はただ1つ、強靭であること」(* ゚ェ゚)…なるほど、天命の象徴を焼くなんて占いを信じない証拠ね思えばあの時、使者に成り済ました彧修明(ユーシューミン)は凌霜に″運命を切り開くのは自分だ″と言っていた。白露は皇帝に献上する吉所候補を欽天監(キンテンカン)の監正(カンセイ)・界海天(カイカイテン)に提出した。しかし全て却下されてしまう。「陛下には私から話そう」「これには理由が…お待ちを!大人(ダーレン)!」しかし界海天は白露の説明を聞かずに出かけてしまう。白露は呆然としていたが、その時、樊(ハン)家の息がかかった主事・管宜(カンギ)がわざと白露を煽って上奏するよう仕向けた。界海天は皇帝に謁見、適所は見つからなかったと報告した。しかし白露が駆けつけ、吉所の候補が4か所あると上奏してしまう。皇帝は何かと横槍を入れる界監正を下げ、白露が選んだ候補地を見た。「どれもありふれた場所だ、しかも南宮まで候補に?」「お忘れですか?陛下、南宮は伝国璽が燃え尽きた場所です 伝国璽に備わる神気に包まれ、天下太平をもたらす吉所に違いありません!」「確信はあるのか?」「んー…ありません」皇帝は呆れたが、白露はそもそも皇帝が占星術を信じておらず、場所はどこでもいいはずだという。実は白露は民が立ち退き料の安さから自分の土地が吉所に選ばれることを嫌がっていると知り、民の財を損なわずに済む場所を選んでいた。「陛下が選べばどこも吉所なのです、ゆえに陛下に決めていただきたい」「天下太平か…いいだろう、南宮を選ぶ」欽天監に界監正が独りで戻って来た。管宜は白露が皇帝を怒らせて処罰されと内心、期待していたが、その時、白露が皇帝の勅命と一緒に戻ってくる。「″吉所選びで白露は功を立てた、本日より白露を欽天監主事とする″…ちんつー」すると界海天は管宜が努めていた司天(シテン)局の監督を白露に任せると決めた。冷天㬢は皇帝の様子で何か良いことがあったのだと気づいた。実は優れた家臣が現れたという。皇帝は白露が吉所を見つけたと明かし、自分の意向と合致したと喜んだ。「そもそも朕は天のお告げなど好まぬ…しかし民を治めるにはかようなふりも必要だ ただ祭壇を市中に造れば立ち退きさせるために銭が動き、大臣どもの汚職が横行する 確かに南宮は適所だ、白露は知恵を絞り、良い理由を考えた」一方、尚書僕射(ショウショボクシャ)・樊如晦(ハンジョカイ)は白露の調査もまともにできない次子・樊征(ハンセイ)に激怒していた。「なぜ優秀な私からお前のような愚かな息子が?!」しかし樊征はなぜこんなつまらぬ任務を与えるのかと不満を募らせる。「私が論じているのは樊家のことではない、天下だ 私が子孫に残すのは爵位ではなく、晁(チョウ)という国だ」樊如晦は不死身の皇帝にも白髪が生え始めたと気づき、神力が減衰していると考えた。そこでまず界海天を倒して皇帝の力を消耗させるという。翼無憂は見月(ケンゲツ)楼を任せていた鶴瑾(カクキン)と合流した。「どうかしたのか?」「実は葉姑娘が訪ねて来ました、公子の行方は伝えていません 長雨になりそうですね、雨宿りしましょう」2人はちょうど廃屋を発見したが、すでに娘が琴を弾きながら雨が止むのを待っていた。翼無憂は父と兄を待っているという娘に遠慮して軒下に出ると、結局、娘は先に琴を持って出発してしまう。「彼女の琴の奏法…静雲(セイウン)姨母に似ていると思わぬか?」その頃、界諸嬰(カイショエイ)は苦淵(クエン)海で芳華(ホウガ)鏡を捜索していた。しかし広大な苦淵海ではなかなか発見できず、途方に暮れる。すると七海怜(チーハイリアン)が俘虜(フリョ)を休ませてくれるなら協力すると申し出た。その夜、七海怜は勇士たちを集めた。「奴がいる限り死は免れない…」このまま収容所でこき使われれば夜北の民は滅びてしまう。七海怜は神鏡を探し出して界諸嬰と一緒に天啓へ向かい、晁皇を殺そうと提案した。ただし計画が漏れないよう例え身内でも明かしてはならないという。一方、樊家に朗報が届いた。界監正の子息・諸嬰が勅命に背いて夜北の七海部を守り、誅殺を拒んだという。「これは願ってもない機会だ、あやつの息子がつけ入る隙を与えてくれた」すると樊如晦は明日の朝議で早速、界諸嬰を弾劾すると決めた。皇帝の暗衛は樊如晦に届いた密報を手に入れ報告した。しかし皇帝は誅殺など命じていないと驚き、すぐ界海天を呼ぶ。実は夜北七海部の誅殺を命じたのは界天海だった。界天海は自分が皇帝の勅旨を改ざんしたせいで息子が軍令に背き、弾劾されると知る。「陛下!我が命を捧げます!どうか愚息の命をお守りください!」翌朝、皇帝は朝議で各州に都護府の設置を発表、大都護に兵権を与えると決めた。各州の区分、大都護の人選、関連する官署等の設置については樊尚書に草案を任せるという。その時、遅れて界海天が現れた。「お待ちを!」つづく
2024.06.13
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星河长明 Shining Just For You第4話その夜、夜北(ヤホク)の青夙(セイシュク)は偶然、晁(チョウ)軍の話を立ち聞き、慌てて長公主・七海怜(チーハイリアン)に報告した。実は降伏した夜北の民が運河での服務を命じられ、拒否すれば誅殺されるという。そこで七海怜はひとまず男たちを裏山へ逃すことにした。界諸嬰(カイショエイ)は皇帝の思わぬ命に困惑していたが、結論が出ないままついに督軍が到着してしまう。一方、念願叶って欽天監(キンテンカン)入りが叶った葉凌霜(イェリンシュァン)は早々に仕事を押し付けられた。実は乾象(ケンショウ)局では毎日、後宮を占い、妃たちが身ごもりやすい時を調べて献上するという。…彧修明(ユーシューミン)の後宮かぁ…凌霜は早速、占いを届けに後宮を訪ねた。妃たちはすでに全員、集まっていたが、上座にいた天妃(テンヒ)だけは興味がないとばかりに帰ってしまう。凌霜は天妃に見覚えがあり、軍営にいた女将軍だと思い出した。…なぜあの人が後宮に?見破られたかしら…凌霜の嫌な予感は的中した。逐幻(チクゲン)宮に戻った冷天曦(レイテンギ)は早速、侍女を教坊司(キョウボウシ)に向かわせ、女俘虜(フリョ)を調べさせる。すると謝雨安(シャウアン)が葉凌霜を連れ出したと分かった。冷天㬢はちょうど巡回中だった謝雨安を引き止め追及したが、葉凌霜を取り立てたのは欽天監の監正(カンセイ)・界海天(カイカイテン)だという。夜北に督軍が到着、しかしすでに夜北の男たちの姿はなかった。七海怜は疫病が蔓延して何人も死んだとごまかしたが、かくまっているとばれてしまう。すると界諸嬰が駆けつけ、夜北を守った。「俘虜の処遇は私に全権がある、ここに罪人はいない!」界諸嬰は督軍を追い返して七海怜を安心させたが、七海怜は礼も言わなかった。彧修明は天妃から界海天が俘虜を隠匿していると聞いて激怒した。しかし界海天は封印されているものの葉凌霜の星辰(セイシン)力は強大、晁にとって有利だと釈明する。「恐れ知らずの小娘め、ふざけた真似をした代償を払わせる…ふっ」凌霜は直ちに教坊司へ連れ戻された。すると皇帝が現れ、欽天監に潜り込んだ理由を聞く。凌霜は夜北で疫病神と疎まれていたせいで占星術をこっそり学ぶしかなかったが、これで堂々と勉強できると言った。「だが晁には界海天がいる、そなたの出番はない」「現時点ではね、でもいずれ界監正を超えられるわ」「いいだろう、では能力を試す機会を与える」彧修明は界監正が反対してると知りながら、わざと凌霜に星瀚(セイカン)大典の吉所選びを任せた。「期待通り占えたら褒美をください」「ただし10日以内に占えねば首をはねる」皇帝は葉凌霜に″白露(バイロウ)″と名付け、正式に欽天監の官吏とした。安堵した界海天だったが、吉所選びが条件だと聞くや顔色が一変する。弟子たちも何かあれば欽天監の全員が連帯責任を負うと嘆いたが、白露は戻るためには仕方なかったと訴えた。「とにかく試してみます、成功すれば堂々と残れますから」凌霜は早速、道具を集めて占いの準備に取り掛かった。鏡に映った占術大師・雲紋(ウンモン)は自分の出番かと思ったが、凌霜は協力などいらないという。 「界監正が本気を出せばすぐ占えるはず、私など必要ないわ、何か裏があるのよ」その夜、欽天監の主事・管宜(カンギ)は密かに樊(ハン)家の家職と接触した。実は界海天が認めた女官が欽天監に配属され、吉所選びを任されたという。「私の地位も危うくなるかも…」翌日、尚書僕射(ショウショボクシャ)・樊如晦(ハンジョカイ)は皇帝に謁見し、早速、女官について探りを入れた。しかし娘を欽天監に入れたのも、吉所選びを任せたのも皇帝だと知る。結局、皇帝の思惑は分からなかったが、その足で界監正を訪ねた。凌霜は界監正と樊尚書の話を立ち聞きした。界監正は吉所を早く決めるようせっついたが、界監正はどこを占っても地相が凶と出るとはぐらかしている。すると痺れを切らした樊尚書は皇帝が都護を置くと知って兵権を奪われたくないのだろうと指摘した。「私は厚意で忠告に来たのです、どうするかはお任せします」凌霜は皇帝に謁見、歴を献上した。「これで陛下ご自身も後宮を訪れるべき時がお分かりになります」侍衛の凌雲(リョウウン)は思わず失笑、彧修明は立つ瀬がない。「それより命じた件はどうなった?」「いくつか場所を選んだのですが、監正の同意が得られません」凌霜は界監正が兵権を守るため最初から協力する気がないようだと明かした。そこで奏上を差し出し、樊尚書が界監正をわざと挑発して皇帝との離間を図っていると報告する。「界天海が何者か知っているか?…かつて朕は敗軍の将に過ぎず、奴は大軍を率いていた 樊如晦の挑発が原因ではない、朕のあら探しをするのはいつものこと、お見通しだ」すると彧修明は凌霜に奏状を投げ返し、それより自分の首を守れと戒めた。樊如晦は次子・樊征(ハンセイ)を呼び、密かに白露を調べるよう命じた。俘虜の調査など内心、面白くない樊征だが、父の命では仕方がない。一方、凌霜は雲紋から芳華鏡の在りかを聞いた。しかし鏡が苦淵(クエン)海にあると知り、七海蕊(チーハイルイ)が心配で吉所選びどころではなくなってしまう。凌霜は翼無憂(イーウーユー)なら七海蕊の安否を知っていると気づいた。…天啓に来たら見月(ケンゲツ)楼を訪ねてくれ…凌霜は3年前、夜北を去る翼無憂から聞いた言葉を思い出し、翌日、早速、見月楼に出かけた。しかしすでに店は売却され、翼無憂も天啓を出たという。凌霜はともかく茶を飲みながら情報を集めることにした。すると近くの席にいた客人の話が聞こえて来る。_・)<星瀚大典の吉所選びの話を聞いたか?o・)<聞いたよ!選ばれたら建物を壊される、厄介な話だよエ・)<不運なのは誰だろうな?(* ゚ェ゚).oO(みんなそんな風に思っているのね~その頃、翼無憂はまだ夜北の旧居にいた。実は秋嵐(シュウラン)海で瀕死の重傷を負った葉景清(イェケイセイ)を何とか救出、介抱していたが、葉景清は助からないと分かっている。つづく
2024.06.12
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星河长明 Shining Just For You第3話欽天監(キンテンカン)の監正(カンセイ)・界海天(カイカイテン)は晁(チョウ)建国以来の苦難を予見。そこで万が一に備えて藍衣(ランイ)軍を出陣させるも、夜北(ヤホク)の奇襲に遭ってほぼ全滅してしまう。勢いに乗る夜北の首領・七海震宇(チーハイシンウ)は七部族を集結させ、これが晁を潰す絶好の機会だと鼓舞した。(๑•̀ㅂ•́)و✧ガシッ!<負けられない戦いがここにある!前進あるのみ!前進あるのみ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<前進あるのみ!夜北と晁軍は秋嵐(シュウラン)海で対峙した。両軍の力は拮抗、激しい戦いとなったが、後方にいた大淵古・葉景清(イェケイセイ)が天雷を落として援護する。優勢となった七海大王は猛威を振るい、果敢にも大王に挑んだ謝雨安(シャウアン)は左腕を失ってしまう。その様子を見た晁皇・彧修明(ユーシューミン)は顔をしかめた。「七海震宇を斬らねば死傷者が増えるばかりだ」皇帝はついに自ら前線へ、七海大王に一騎討ちを挑んだ。「お前が晁皇だったのか」激高した七海震宇は馬を蹴って晁皇に襲い掛かり、その分厚い鎧ごと斬り付ける。しかし彧修明はびくともせず、七海大王の宝剣を弾き飛ばして首を切り裂いた。葉景清は七海大王の天下の名刀・断岳(ダンガク)でも傷を負わなかった彧修明を訝しんだ。「妙だ…何か理由がある」そこで葉景清は大王を失った夜北を救うべく″衡辰天火(コウシンテンカ)″の術で対抗した。すると晁の軍営では昏睡していた葉凌霜(イェリンシュァン)の琥珀石が急に光を放ち、その凄まじい力が凌霜の身体を駆け巡る。一方、秋嵐海では晁軍に天火が降り注ぎ、皇帝は炎にまかれた。天下広しと言えどもこの術から逃れられる者はいない。しかし燃え尽きるはずの彧修明が何事もなく姿を現した。「お前の晁は必ずや滅びるであろう!」葉景清は自ら天火に身を投じると、同時に凌霜の琥珀石の光も消えた。戦は終わった。彧修明は界諸嬰(カイショエイ)に芳華(ホウガ)鏡の捜索と夜北の平定を任せて帰京することにしたが、冷天曦(レイテンギ)はふと皇帝のこめかみに白髪を見つける。「まさか神鏡の力が減衰しているのでは…」一方、凌霜は他の俘虜(フリョ)と一緒に天啓(テンケイ)へ送られた。しかし道中で休憩中の兵士が同じ檻の娘に目をつけ、引っ張り出して辱めようとする。怒った凌霜は思わず檻から飛び出し、娘を助けた。兵士は面白がって今度は凌霜に襲いかかったが、凌霜は咄嗟に兵士の帯剣を抜いて刺し殺してしまう。「この忠勇(チュウユウ)符が見えないの?!」娘が持っている忠勇符に怯む兵士たち、そこへ左腕を失った謝雨安将軍がやって来た。凌霜は兵士に手ごめにされかけたと謝将軍に訴えた。兵士たちはふざけていただけだと釈明したが、情義に厚い謝雨安は激怒、言い訳した兵士に杖刑を命じ、不届者の亡骸はさらし首にするという。謝雨安は忠勇符を持っている娘に興味を持った。そこで凌霜は謝将軍に取り引きを持ちかける。実は凌霜は軍営で偶然、藍衣軍の副統領・言渉堅(ゲンショウケン)が謝将軍を死地から逃した後、亡骸も腰牌(ヨウハイ)も見つかっていないと耳にしていた。「私なら在りかが分かります、不思議な力があるの」皇帝が帰還、彧修明は朝議に戻った。「朕は17年前に天下を治め、太平の世を築くと誓ったが、その責務を果たせた そこで星瀚(セイカン)大典を決行し功臣に褒美を与え、この偉業を世に知らしめる」実は古より星瀚大典とは功臣に領地を与える儀だった。界海天は数多の思惑が渦巻くため時期尚早ではないかと諫言したが、彧修明は論功行賞の制度を一新し、領土を与えるつもりはないという。「この大典は古今に比類がないほどの規模にするつもりだ」彧修明は夜北に出発する前、界海天に政を任せていた。そこで尚書僕射(ショウショボクシャ)・樊如晦(ハンジョカイ)に留守中の様子を尋ね、なぜ勅命を待たずに藍衣軍を動かしたのかと訝しむ。「お止めしたのですが、界監正は兵を動かすことが陛下の疎漏を補うと…」「朕の策に誠に疎漏があったと?」「止められず申し訳ございません」一方、凌霜は俘虜の娘たちと一緒に教坊司(キョウボウシ)に送られた。しかし謝雨安が約束通り凌霜を救い出し、望み通り欽天監へ連れて行ってくれる。謝雨安はひとまず凌霜を待たせて界監正に挨拶に行ったが、凌霜はちょうど星読みに苦戦している弟子たちに気付いた。「…10度ずれてる、やり直したら?」「なるほど!占星術の心得があるのか?詳しいな!」謝雨安は界監正に葉凌霜を紹介し、占星術の才があると推挙した。しかし凌霜が夜北の者だと知った界海天は目を丸くし、引き取れば国法に触れると断る。「大人(ダーレン)、神鏡をお探しなのでは?私にしか在りかは突き止められません! もし見つからなければ罰してくださって構いません!どうか機会をください」すると界海天はひとまず俸禄なしで預かることにした。「誰かに問われたら私の弟子と言いなさい」凌霜は口利きしてくれた謝将軍に約束通り副将軍の亡骸の在りかを教えた。「副将軍は秋嵐海で活躍したはず、夜北は英雄を敬います、紫屏(シヘイ)山を探してください」すると謝将軍は涙ぐんで感謝した。一方、羽衛(ウエイ)の統領だった冷天曦は褒賞として後宮入りを望んだ。皇帝は妃になれば星辰(セイシン)力を封印されて飛べなくなると心配したが、覚悟はできている。実は冷天㬢はこの10年間、皇帝の護衛を務めながら羽人に情報を流してきた。ついに天妃となり同胞を裏切って皇帝に忠誠を誓った冷天㬢。しかしその夜、結局、皇帝の訪れはなかった。翌日、界海天は凌霜を欽天監の弟子たちに紹介した。弟子たちは新設される乾象(ケンショウ)局の要員かと浮き足立ち、そもそも試験も受けずにどうして入れたのかと訝しむ者もいる。しかし界海天は凌霜が官吏にはならず、自分の弟子として乾象局の下準備をさせるとごまかした。「暦はこの者に委ねる、皆、進んで力を貸すように」界海天は皇帝に謁見、撤兵する頃合いだと進言した。ただし夜北の民は強情で不遜ゆえ、労役に就かせるべきだという。「拒む者は誅殺するのが良いかと」「夜北の民は越(エツ)州に送るつもりだ、夜北に勅旨を送り届けよ」しかし界海天は養うにも食糧が必要となり、護送にも費用がかさむと難色を示した。何より息子の諸嬰に大勢の罪人を束ねさせるのはいささか重圧だという。「いいか、朕の命に従い、事を成せばよい、取り越し苦労が過ぎるぞ?」その夜、居所で居眠りしていた凌霜は悪夢で飛び起きた。すると琥珀石が光っていることに気づき、思わず放り投げてしまう。🪨<なんて真似するんだ!痛いだろう?!石の中には占術大師・雲紋(ウンモン)が封印されていた。雲紋は法陣の研究中、手違いで肉体を失い、ちょうど夜北の戦に出くわして石の中に逃げ込んだという。「鏡を持って来い!精神体は光る物の表面にだけ姿を現せるんだ」凌霜は試しに鏡を持って来たが、そこには確かに白衣の男が映っていた。「新たな肉体ができるまでしっかり守ってくれ、私は芳華鏡を在りかを知ってるぞ?」夜北に残った界諸嬰に勅旨が届いた。夜北の民は運河での服務を命じられ、拒否した者は誅殺しろという。界諸嬰は皇帝の判断に困惑していたが、その話を運悪く夜北の男に聞かれてしまう。つづく(  ̄꒳ ̄)え?ターミネーター?雲紋→くまモンでw
2024.06.11
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星河长明 Shining Just For You第2話晁(チョウ)の使者・謝雨安(シャウアン)に毒入りの乳茶を飲ませ、朱顔(シュガン)公主・七海蕊(チーハイルイ)との婚姻を諦めるよう脅した葉凌霜(イェリンシュァン)。しかし謝雨安に呆気なく剣を奪われ、形勢は逆転してしまう。「たった2時しか効かぬ離魂(リコン)草ごときで私が倒れると思ったか?! 晁に来たくば公主と一緒に宮中へ入るといい、思うに… ″陛下″はそなたに興味を示すだろう、出世できるよう励むのだな」翌日、凌霜は夜北の外で七海蕊と合流、2人で逃げることにした。恐らく夜北はこの縁談を利用して戦機を得るはず、生き延びるには逃げるしかない。「路銀を取ってくる、まっすぐ山へ向かって、後を追うから」「はお!」しかし凌霜は銀子を手に天幕を出たところで苗黎(ビョウレイ)王子に捕まってしまう。七海大王が狼神の怒りを鎮めるため、生贄として凌霜の処刑を認めたというのだ。七海蕊はいつまで経っても追ってこない凌霜を心配し、夜北に戻った。すると凌霜がまさに火あぶりにされようとしている。七海蕊は苗黎王子が止めるのも聞かず凌霜のもとへ駆けつけ、短剣を自分の首に当てた。「葉子(イェズー)が一緒じゃないと晁には嫁がない!葉子が死ぬなら私も死ぬ!」そこへ騒ぎに気づいた夜北七部族首領・七海震宇(チーハイシンウ)がやって来た。七海蕊は二度とわがままを言わない代わりに凌霜の解放を懇願、さすがに溺愛する娘の最後の頼みとあって、七海大王は処刑を中止した。天幕で休んでいた凌霜が目を覚ますと枕元に文があった。…葉子、元気にしているか?夜北に戻った、旧居にいる、私を覚えているなら明日、会いたい…凌霜に書き置きを残したのは羽(ウ)族の四皇子・翼無憂(イーウーユー)だった。キタワー!‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/››凌霜の父で大淵古(ダイエンコ)・葉景清(イェケイセイ)は密かに四皇子と接触した。3年振りに夜北に現れた四皇子、実は今回も星流(セイリュウ)石が目的だという。「3年前、石のありかを黙っていたのは夜北を羽人と晁の戦に巻き込まぬためか?」四皇子は星流石を手に入れ瓊華槍(ケイカソウ)を修復し、羽人の主となって反旗を翻すと決意していた。しかし星流石は真師(シンシ)が残してくれた神物、葉景清はその所在はずっと不明だと否定する。「気の済むまでお探しください」一方、七海怜(チーハイリアン)は生母が埋葬されている苦淵(クエン)海に界諸嬰(カイショエイ)を呼び出した。「君が夜北の長公主だったとは驚いたよ」「本当は天啓(テンケイ)を離れる前に話すつもりだった…私も驚いたわ、あなたの姓が″界″だなんて」七海怜は晁に嫁ぐのがなぜ長公主の自分ではなく朱顔なのか知りたかった。すると界諸嬰から思わぬ理由を聞く。「陛下は私たちの仲を知っておられた」界諸嬰は2人で遠くへ逃げようと言ったが、七海怜は別れるしかないと冷たく突き放した。「私たちは二度と会うことはない」その夜、凌霜は自分の髪を切って父に渡し、別れの挨拶とした。葉景清はこれからも琥珀石を肌身離さず持つよう命じ、その石が必ず危険から守ってくれると教える。「決して外してはならぬぞ?」葉景清は思わず手を伸ばしたが、結局、娘を抱き寄せることができなかった。「凌霜…父として申し訳なく思っている」すると凌霜は最後に叩頭して天幕を出た。凌霜が荷物をまとめていると翼無憂が会いに来た。翼無憂は一緒に逃げようと訴え、凌霜をずっと守ると誓う。しかし凌霜は拒み、できることなら七海蕊を連れ去って欲しいと嘆いた。「阿蕊が幸せなら私は死んでもいいの」翌日、七海蕊は晁へ嫁ぐため、凌霜と共に夜北を出発した。七海蕊は隙があれば凌霜ひとりでも逃げるよう促したが、凌霜は一生、七海蕊から離れないという。「でも考えたの、私が嫁げば怜姐姐は想い人と結ばれる 私には恋なんて無縁だし、誰に嫁いでも同じよ」実は七海蕊は3年前に出会った翼無憂に淡い恋心を抱いていた。しかし翼無憂にとって当時の自分はただの子供にしか見えなかっただろう。「私の成人した姿を見せたかった…」すると道中、一行の前に突然、羽人が現れた。仮面をつけた翼無憂は空中を自在に飛び回り、兵士を蹴散らして公主の車へ舞い降りた。「葉子!逃げるぞ!」「阿蕊を!早く!」凌霜は咄嗟に七海蕊を翼無憂へ託して逃した。すると謝雨安が弓矢を構え、背後から羽人を狙う。驚いた凌霜は車から飛び出し、思わず謝雨安を突き飛ばして阻止した。「阿蕊を傷つけたら絶対に許さないから!」その頃、皇宮では欽天監(キンテンカン)の監正(カンセイ)・界海天(カイカイテン)が皇帝を心配していた。「夜北の星に不吉な予兆が見える…晁の建国以来、初めての苦難が始まるかも知れぬ」界海天は交戦的で内紛が絶えない夜北が婚姻ごときで安逸をむさぼるとは思えなかった。「誰か!伝令を…」すると界天海は皇帝の許可なく主力部隊の藍衣(ランイ)軍を秋嵐(シュウラン)海へ向かわせてしまう。公主を逃亡させた凌霜は捕縛され、晁の軍営に連行された。すると出迎えた将兵たちが謝雨安に一斉に拝礼、凌霜はようやく使者の正体が皇帝・彧修明(ユーシューミン)だと知る。「この大嘘つき!地獄へ落ちろ!」激高した凌霜は思わず皇帝に噛み付いたが、彧修明は歯牙にもかけなかった。皇帝の側近で羽衛(ウエイ)の女統領・冷天曦(レイテンギ)は実は羽人だった。彧修明は帰路で羽人と出くわしたと話し、冷天㬢と同じ″鶴雪(カクセツ)″だったと教える。「…羽人の精鋭だろう、何者だ?」「存じません」一方、雪山では翼無憂が七海蕊を連れて追っ手から逃げていた。しかし崖に追い詰められ、翼無憂は体力が回復しないまま再び七海蕊を抱き上げて飛び上がる。その時、射者隊が放った矢が翼に命中した。七海大王は晁軍が秋嵐海に向かっていると知った。七部族が一枚岩ではないのは承知だが、娘を犠牲にして得た戦機を逃すわけにいかない。「七部族を集結させよ、この劣勢さえ覆せば夜北は苦境を脱すると伝えるのだ」こうして藍衣軍は道中、夜北の七海部の奇襲に遭い全滅、生き残ったのはわずか31名だった。界諸嬰は公主を取り逃してしまったと報告、罰を請うた。しかし皇帝はそれより芳華(ホウガ)鏡の行方が心配だという。「まだ公主がお持ちかと…」「必ず手に入れろと命じたはずだ」すると界諸嬰は拝命して直ちに捜索に戻った。その頃、凌霜は高熱を出し、軍医の治療を受けるもなかなか回復しなかった。すると同じ天幕に深手を負った本物の謝雨安将軍が運ばれてくる。「藍衣軍もここまでか…仲間の骨さえ拾えぬとは…」つづく※鶴雪=飛翔術を用いる羽族の武人( ゚ェ゚)無憂たちが洞窟に隠れているシーンはカットされてますね
2024.06.10
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星河长明 Shining Just For You第1話…天地開闢(カイビャク)より前のこと混沌とした世に真師(シンシ)が現れる不思議な力を持つ真師一族は俗世と隔絶し、謎に包まれていたその後、人族と羽(ウ)族が交互に大地を支配しながら争いが続き、夸父(コホ)族や河洛(カラク)族も巻き込まれてしまうしかし燹(セン)朝の末期、突如、ひとりの若き将軍が世に現れた将軍は五族を統一、他に類を見ない王朝・晁(チョウ)を建て、今や鳥の飛来する場所すべてが晁の領土となるただし夜北(ヤホク)と呼ばれる地だけが未だ晁に帰属せず、雄大な自然の中で7つの部族が争いを続けていた…夜北には誰からも愛される朱顔(シュガン)公主・七海蕊(チーハイルイ)がいた。七海蕊にはかけがえのない親友・葉凌霜(イェリンシュァン)がいたが、彼女は皆から″疫病神″と忌み嫌われ、父の大淵古・葉景清(イェケイセイ)まで娘を不吉だと言ってはばからない。そんなある日、凌霜は父に封印を解いて欲しいと頼んだ。「7歳の時に星辰(セイシン)の力を封じたでしょう?ずっと苦しかったの、早く解いて」「もしや…また災いを予知したのか?」「だから何?災いは勝手に起こるものよ?私は予知できるだけ! 私が疫病神なら占術師は?宮廷の欽天監(キンテンカン)は?疫病神なの?!」「声が大きい!決して外では口にするな!今度、妄言を吐けば懲らしめるぞ?!」年に一度の秋の大祭に夜北七部族が集結した。大会で優勝すれば夜北一の勇士と称えられる。しかし大会が始まろうとしたまさにその時、狼の王と崇められる巨大な雪狼(セツロウ)王が現れた。会場は騒然、凌霜は七海蕊を逃したが転倒し、雪狼の標的となってしまう。すると突然、見知らぬ男が現れ、雪狼王を蹴り飛ばし、凌霜を救った。「姑娘(グゥニャン)、雪狼はそなたを狙っている、どうする?」「だったら…あいつを殺す!」「はお!実に勇敢だ!」凌霜は護身用の短剣を抜き、無謀にも男と協力して雪狼に立ち向かった。男は向こう見ずな娘に驚きながらも凌霜の短剣で雪狼を退治する。しかし雪狼王は夜北の狼神、苗黎(ビョウレイ)王子は激怒して男に斬りかかったが、その時、軍隊が駆けつけ男を守った。「私は晁の藍衣(ランイ)軍の統領・謝雨安(シャウアン)、婚姻の交渉に参った」夜北七部族首領・七海震宇(チーハイシンウ)は使者を天幕の中へ案内することにした。しかし狼神が殺された民は納得できず、このままでは夜北に天罰が下ると嘆く。するとこれも疫病神である葉凌霜のせいだと罪をなすりつけ、生贄にして狼神の怒りを鎮めるべきだと訴えた。謝雨安はよってたかって娘を責め立てる部族に呆れ果て、凌霜に晁の忠勇(チュウユウ)符を授けるという。「受け取れば今後、そなたを虐げる者を我が晁の敵とみなす、生きるか死ぬか、自分で選べ」凌霜は困惑して父や大王の顔色をうかがったが、思い切って忠勇符をつかんだ。しかし緊張が解けたのか、急に倒れてしまう。その夜、夜北は謝将軍のため歓迎の宴を開いた。七海蕊はようやく目を覚ました凌霜を宴会に連れ出したが、踊りの輪に加わってしまう。仕方なく独り酒を飲み始めた凌霜、そこへ恩人の謝雨安がやって来た。「姑娘、ここの者は皆、そなたを疎んじているようだ、一緒に晁へ来ないか?」「行かない、あなたのような偉ぶった人は苦手だしね、私に構わないで …どうせ運命は決まってる」「生来の疫病神などいるものか、運命を切り開くのは自分だ」「(はっ)そうね…ありがとう!」すると凌霜は急に笑顔になってどこかへ行ってしまう。界諸嬰(カイショエイ)は主(アルジ)が7枚しかない忠勇符の1枚を躊躇なく渡したことから、凌霜を見初めたと誤解した。しかし謝雨安は晁の皇后が誰にでも務まると思うかと冷笑する。「それより想い女に会わなくてよいのか?」「″陛下″、ご存知でしたか…」実は夜北の長公主・七海怜(チーハイリアン)は青蘅(セイコウ)という名で4年間、晁の都・天啓(テンケイ)で学び、界諸嬰と恋仲になっていた。翌日、七海大王は晁との和親を快諾、長公主の七海怜を同席させた。謝雨安は特別な結納品としてあらゆる美女を映すという神鏡を携えていたが、晁に迎えるのは長公主ではなく朱顔公主だという。突然の縁談に七海蕊は動揺し、悲しみに暮れた。凌霜は七海蕊を救うべく謝将軍の天幕を訪ね、自分が代わりに晁へ行くと申し出る。「皇帝は占星術を重んじているとか、私は父に学び占星術に詳しいわ それに…私なら公主より陛下の歓心を買えます」「そなたは幼少より災いを予言し、疫病神だと疎まれている 生き延びてこられたのは公主の後ろ盾ゆえ…かような娘が皇后に相応しいと?」「天啓にまで私の悪い噂は届いていないはずよ?」凌霜は晁の皇帝が残虐で嫁いだ者が皆、殺されると聞いていた。しかし謝雨安は誤解だと否定し、婚姻は和親のためで、皇帝も暴君ではないという。「とにかく…私の望みはただひとつ、阿蕊を守ることなの」追い詰められた凌霜は差し入れの乳茶を謝雨安に勧めた。すると茶を飲んだ謝雨安は急に立ちくらみを起こしてしまう。凌霜は隠し持っていた短剣を謝雨安に突きつけ、朱顔公主を絶対に嫁がせないと脅した。「解毒薬は私が持ってる、よく考えるのね」その時、謝雨安が凌霜の腕をつかみ、呆気なく形勢を逆転させてしまう。つづく※このドラマも九州シリーズです九州シリーズとは中国のファンタジー小説の作家たちが共通の世界観をベースに描いた物語ちなみに6つの種族があり、今回の話に登場した人族・羽族・夸族・河洛族の他に魅族・鮫族があります
2024.06.09
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安乐传 The Legend Of Anle最終話韓燁(ハンイェ)の目の治療に不可欠だった長思花が見つかった。喜んだ帝梓元(ディヅユアン)は伏翎(フクレイ)山に駆けつけたが、大伯母・帝盛天(ディセイテン)の話ではいつの間にか開花した長思花が置いてあったという。しかしこの都で長思花を咲かせることができる真摯な心と根気強さを持ち合わせる人物は1人だけだった。梓元は翎湘楼(レイショウロウ)に洛銘西(ルォミンシー)を訪ねた。何と切り出して良いか分からない梓元、その時、洛銘西の手にいつも大事そうに眺めている玉佩があると気づく。「その玉佩は特別なものなの?」「玉佩の謂れは君にある…」あれは大雪の日だった。洛銘西は靖安(セイアン)侯に連れられて屋敷を訪ねたが、ちょうどその日に梓元が生まれたという。喜んだ靖安侯は祝われるたび褒美を与え、洛銘西も父に尻を叩かれて祝辞を述べた。すると靖安侯が自分の腰から玉佩を外して洛銘西に与えたという。「その時、靖安侯はこうおっしゃった…″梓元をお前の妹とする証しだ、守ってくれ″と」洛銘西は梓元に真実を打ち明けられなかった。すると梓元が露台にある小さな囲いに気づいて中を見る。「ここに鉢植えの花があったのね?何の花だったの?」「…海棠(カイドウ)だ、暗殺に来た冷北(ランベイ)が鉢を割ってしまった」梓元は洛銘西の優しい嘘に気づき、何とも言えない罪悪感に襲われた。「銘西哥哥…私はあなたに謝らないといけない…」「私に謝る必要はない、私が望んでやったことだ」しかし梓元は居たたまれなくなり、逃げるように帰ってしまう。「梓元、来世があるなら君と共にいたい…」帝盛天の治療が功を奏し、韓燁はついに見えるようになった。梓元のもとにも早速、知らせが届いたが、韓燁は光を取り戻してもなお考えを改めないという。想像以上に頑固な韓燁、すると焦った帝燼言(ディジンイェン)が伏翎山に駆けつけた。「これで姐姐を娶れますね!」しかし韓燁は梓元を韓家の皇太子妃にすれば不幸にしてしまうという。「もう守れる自信がない…昔から梓元を守ってきた洛銘西こそ相応しい」帝燼言は弱音を漏らす皇太子に深く失望し、下山してしまう。任(レン)府の婚礼の日。梓元が身支度を終えた頃、皇太子の説得に失敗した帝燼言が申し訳なさそうにやってきた。しかし梓元は最後の手段で大伯母を頼ったという。その頃、帝盛天はこれまで誰にも明かせなかった韓子安(ハンシアン)への秘めた想いを韓燁に告白していた。帝盛天と韓子安は蒼(ソウ)山で出会い意気投合、帝盛天は韓子安を死ぬまで支えると決めたという。自由に生き、欲しいものを手に入れ、どんな望みも叶えてきた帝盛天。それが韓子安にだけは最後まで近づくことができなかった。出会いの時を間違えたのか、出会った人を間違えたのか、もしくはどちらも間違いだったのか。何にせよ韓子安との出会いを後悔したことはないという。「友にしかなれず、気持ちを隠したはずが、まさか誰かを傷つけるとは思わなかった 孫瑜君(ソンユクン)の言う通り、私は身勝手だった そんな私の身勝手さが両家の確執を生み、取り返しのつかない悲劇を招いたの でもあなたと梓元は違う、同じ轍を踏まないで欲しい」すると帝盛天は嫁ぐ梓元に譲りたいと碧璽(ヘキジ)剣を韓燁に託した。「あなたの父上はやっと過去を手放した、あなたも手放して」「しかし…もう手遅れです、何もかも終わった」「いいえ!」その声は馬を引いて現れた帝燼言だった。帝燼言は安楽(アンルー)を真似て姉の口調のまま、皇太子に言づてを伝えた。「″来ないなら碧璽剣を持って靖南へ帰るわ、帝家と洛家は同盟を結ぶ 皇帝になりたいなら妃選びは慎重にね″と…」「荒唐(ファンタン)!」「″韓燁?私は3万の水軍を差し出したのよ?国か太子のどちらかをもらう″だそうです」「…大理寺卿を1年、務めたくらいでは海賊くささが抜けぬな」すると帝盛天は韓燁が思う以上に梓元は鼻っ柱が強いと笑った。「あの日、青南山で燼言が弟だと明かされなければ、あの子はあなたの後を追っていたのよ?」帝盛天の思わぬ言葉に韓燁は呆然となった。「殿下…ご覧ください、姐姐はあなたを失い、一晩で白髪になったのです」帝燼言が広げた手巾の間には梓元の白髪が挟んであった。日が暮れる頃、任府で婚儀が始まった。洛銘西と並んで入場した梓元、その時、ついに韓燁が現れる。「待ってくれ!」梓元が振り返ると韓燁が立っていた。「帝家の娘・梓元、天の定めた重責を担わせ、太子妃に封ずる 中原一の美形たる太子に差し出す嫁荷は3万の水軍、望みはひとつ太子妃の位を欲す …帝梓元、任安楽、太祖の遺詔と3万の水軍が証しとなる どんな名であろうと君が私の太子妃だ、梓元、待たせてすまない」すると洛銘西がそろそろ婚儀を再開したいと申し出た。韓燁は長思花の恩があっても自分の花嫁を渡せないと言ったが、そこへ本当の新郎新婦が現れる。「殿下、私から花嫁を奪うつもりですか? 父親代わりの殿下を立ち合わせるため遅刻しかけましたよ」韓燁はようやく新郎新婦が帝燼言と苑琴(エンキン)だと知り、まんまと騙されたと分かった。実は帝燼言も自分の婚儀だとついさっき知ったばかりだという。「この世で帝家の姉弟だけだ、平気で太子を欺くのは…」しかしこれは洛銘西の策略だった。「頑固な韓燁を連れ出すには仕方なかった、だが梓元が最初に考えた方法は捕縛だぞ?」(´⊙౪⊙)テヘ( ー̀ωー́ )<…太子殿下と呼べ洛銘西は最後の役目を果たし、梓元を韓燁に託してひとり翎湘楼に戻った。「今となっては賭けをするのも独りだ…」あの時、任安楽が皇太子妃になれるかどうか賭けをしたのがまるで昨日のことのように思い出される。「梓元よ、君の勝ちだな」韓燁は梓元を連れて蒼(ソウ)山の太祖の墓参りに来た。「太子たる私は己を律して生きてきた、ままならぬ人生ではある その中で最も喜んだことは祖父が決めた婚姻だ」「両家の間にどんな確執があろうと、運命によって結ばれた2人は引き離せない」「奇遇だな、心を動かされた任安楽が私が守りたい帝梓元だったとは」すると韓燁は碧璽剣を納めることにした。「帝家の栄光と天下の権勢を象徴する剣だ、父皇がとらわれた剣ゆえに置いていく」実は箱の中の碧璽剣の刃は二つに斬り割れていた。その夜、力尽きた洛銘西は翎湘楼の露台の長椅子に横になっていた。…私は靖安侯の期待に応えた帝家の名誉は回復し、君と歩む者が現れた君と長思花を見られぬのは残念だが悔いはない…韓燁と梓元の婚礼の夜、洛銘西はうっすら笑みを浮かべながら静かに目を閉じた。あれから7年が経った。韓燁は密かに育てていた長思花畑に梓元を案内し、満開の花を見せて驚かせる。「10年以上も前、ある少女が私に言った 長思花は凛とした美しさで、一斉に咲き誇る姿は満点の星のようだと… あの時、私はまだ年若く、種を集めさせ東宮の庭園にまいた 満開の花を見せて驚かせたかったが、その後、少女は都を離れた 私はこの場所でいつか少女の慰めになるようせっせと種をまいた 言うまでもなく寒い都ではずっと咲かなかった」「実は一度だけ都で長思花を見たことがあるわ」「…私もだ、初めて蕾を見たのは洛銘西の部屋だった」あの時、韓燁は心を込めれば奇跡が起こると希望を与えられたという。梓元は洛銘西の願いが靖南に帰って長思花を見ることだったと話し、結局、叶わなかったと嘆いた。しかし韓燁はこうして都でも咲くようになり、洛銘西も天下の民も見ることができると慰める。…帝梓元は天からの重責をその身に担う靖の皇帝・韓燁を支え、50年にわたり共に苦難を乗り越えたそして築かれるは輝ける太平の世、久しく天候に恵まれ、民は平和に暮らした…完( ゚ェ゚)公式では見つかりませんでしたが、番外編で2人の幸せな宮中生活も見られます興味のある方は動画サイトで探してみてください
2024.06.07
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安乐传 The Legend Of Anle第38話余命わずかとなった洛銘西(ルォミンシー)。琳琅(リンロウ)は必ず治せる医者を探すと励まし、都では育たないと言われた長思花(チョウシカ)も花をつけたと奇跡を信じた。しかしすでに心身ともに消耗した洛銘西はこれが寿命だと受け入れているという。「ご苦労だったな…」すると洛銘西は優しく琳琅の頭を撫でた。「ところで冷北(ランベイ)の消息は?」「庶民に落とされ、辺地に放逐されたと聞きました、今、捜索中です」一方、帝梓元(ディヅユアン)は口がきけない侍女として韓燁(ハンイェ)の世話を始めた。しかし早朝、梓元はうっかり韓燁の着替中に部屋に入ってしまい、出て行けと叱られてしまう。それでも梓元は引き下がらず、半ば強引に韓燁の身支度を手伝った。侍女が梓元だと勘づいている韓燁。そこでわざと困らせて梓元を下山させようと企むが、梓元はどんな嫌がらせにも耐えた。↓お茶にケチつけて何度も入れ替えさせ、結局いらないと言ってみたり…↓日差しが強いとか風が強いとかこき使ったり…思い出の魚料理にキレてみたり…頑なに心を開かない韓燁に尽くす梓元。その日は下山して任(レン)府へ戻り、長思花が見つかったか聞いた。やはり簡単には手に入らなかったが、決して諦めないと自らを奮い立たせ、伏翎(フクレイ)山へ戻る。すると日が暮れたというのに韓燁は独りあずま屋で苦手な酒を飲んでいた。「(はっ!)なぜまだいる?!」「(指でなぞる梓元)…何?!″離れない″だと?!」梓元は泥酔するとたがが緩む韓燁の姿に思わず失笑しながら、居所で休ませた。「普段は穏やかなのに、侍女にあんな口を利くなんて…見かけによらず意地悪なのね?ふふ 韓燁ったら、私は安楽寨(アンラクサイ)の寨主で帝家軍の統帥よ? 威張っていじめるのを内心、楽しんでいない?この日を待っていたんでしょう? あなたは私のために光を失い、こんなに卑屈になってしまった 韓燁…後悔している?」翌日、韓燁は侍女と梅林を歩いた。すると風が吹いて梅の花が舞い落ちてくる。「この香りは梅の花だな…」韓燁は安楽と転落した谷底で見た梅の木を思い出しながら、これで終わりにしようと決めた。「…帰るんだ、花の盛りは過ぎ、じきに散り果てる 君の目なら山河を見尽くすことができる、枯れ枝を見せるのは忍びない」「韓燁…なぜなの?」梓元はついに口を開いた。「梓元、帝家にとって韓家は敵だ… 何より戦の後で情勢は乱れている、私では君を守れぬ、山を下りろ」「守ってくれなんて頼んでいない!私の欲しいものが何か分かっているの?! 私の名前が何であれ太子・韓燁を決して諦めない、あなたも私の言葉を忘れないで」梓元は任府に戻った。すると帝燼言(ディジンイェン)が現れ、韓燁の持ち物から見つけた姉宛の文を渡して帰って行く。実は韓燁は決戦の前、青南山こそが自分に相応しい死場所だと覚悟を決めていた。…梓元、安寧(アンニン)が青南城を死守した訳が分かった帝家への罪悪感だけではない、足元に広がる国土と己が背負う国、美しい山河を守るためだ私は皇太子、この地で生まれ育ち、この地で死ぬ、それでいい黄泉の国に行ったら帝家一族と8万の将兵に慚愧(ザンキ)の念なく向き合いたい悔いを残したまま韓家の祖先の前に立つのは嫌だ国と民に対して思い残すことはない、ただ君だけが心残りだだが時は流れ、世は移り行く私たちは皮肉な運命に翻弄されたが、君にはこれからは笑顔で生きて欲しい何事にも煩わされず、心のまま平穏で楽しい日々を君を想い続けた人生だったしかし求め得ぬなら胸に秘めておこう、梓元、君を愛している…梓元は自分が韓燁の人生を台無しにしたのだと思うとやるせなかった。「必ず連れ戻して見せる…」そこで翎湘楼(レイショウロウ)に洛銘西を訪ね、協力を求めた。韓燁は吉利(キツリ)から洛銘西が梓元を娶ると聞いた。しかし韓燁は動揺を隠し、酒を持ってくるよう頼む。「祝宴に出られない代わりにせめて祝杯をあげよう」その夜、洛銘西も琳琅に梓元を娶ると伝えた。「私が去ったら翎湘楼はお前に譲る、ここで隠棲するといい」「大人(ダーレン)がいない翎湘楼に隠棲して何になりましょう…」すると琳琅は別れの印に舞を披露したいと言った。琳琅は月明かりのもと、天女のごとく美しく舞った。すると洛銘西の背後に忍び寄る刺客に気づき、咄嗟にかばって刺されてしまう。崩れ落ちる琳琅を抱き止め、呆然となる洛銘西。実は刺客は皇族を追われた莫北(モーベイ)だった。その時、千月閣(センゲツカク)が駆けつけ、驚いた僕北は露台から飛び降りて脱出してしまう。「琳琅!しっかり、すぐ医者を呼ぶ、大丈夫だ」「大人の腕の中で死ねるなら本望です…ずっとおそばにいたかったけれど… 願いは叶いそうにありません…大人…大人は誰からも愛される女子になれとおっしゃった… でも…私が愛して欲しい方はこの世にただ1人…琳琅はずっと…ずっと…」しかし琳琅は最後の言葉を伝えられぬまま事切れてしまう。。゚(∩ω∩`)゚。知らせを聞いた梓元が翎湘楼に駆けつけた。「これからは自分で身体を大事にしなくちゃ」「…ずっと心配だった、私が去ったら琳琅は独りで生きていけるのかと だが実は私が琳琅に頼っていたんだな」「どこかへ行くつもり?」「いや、ここを引き払って靖南に戻るつもりだった」洛銘西は梓元を心配させまいと嘘をついた。すると梓元は何にせよ安寧と琳琅の敵を討たねば戻れないという。実は冷北は敗戦を咎められ身分を廃された恨みから、梓元たちに復讐しようと都に潜伏していた。ある夜、莫北は懐かしい公主府に足を踏み入れた。巷の噂では人けのない公主府に夜な夜な安寧将軍の魂が灯をともすという。しかし中庭で待っていたのは白髪になった帝梓元だった。「冷北、ずい分と待たせてくれたわね」すると洛銘西が射者隊を率いて現れ、莫北を包囲した。莫北は偽の噂で誘き寄せられたと気づいたが手遅れ、あっけなく生け捕りにされてしまう。「お前の心は何でできている?いずれ腹を割いて見せてもらおう その前に酷刑に処さねば…安寧と琳琅の魂が浮かばれぬ」韓燁が中庭で棋譜を解いていると、ようやく洛銘西が現れた。「梓元と幸せに…」「太子妃を私に嫁がせていいのか?」「太子妃か…私でさえ忘れていた」思えば韓燁の梓元への固執こそが洛銘西の策謀の起点となった。しかし当時は梓元が執拗に韓燁に絡んで怒らせたため、計画が狂わないか気が気でなかったという。「意外にも私は耐え抜いたのか…」「そうだ、まさか太子殿下が女海賊に惹かれるとは予想外だった」すると洛銘西はこらえきれず咳き込んでしまう。「梓元を守るためにも早く身体を治せ」「大事ない、持病だ、それにこれでも太子殿下より気が回る」「ふふ、荒唐(ファンタン)」洛銘西は黙って開花した長思花を置いて帰って行った。そうとは知らず、韓燁は今でも肌身離さず持っている赤い石を手に取り、当時を懐かしむ。一方、任府では婚礼の準備に追われていた。すると苑書(エンショ)が朗報を伝えてくれる。「小姐!長思花が手に入ったそうです!」つづく( ๑≧ꇴ≦)回想シーンでスカイダイビングはやめて!頼む!w
2024.06.06
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第6話落水した祥雲(シャンユン)を助けるため川に飛び込んだ陸長空(ルーチャンコン)。すると意識を失ったまま沈んでいく祥雲を発見し、咄嗟に口移しで息を吹き込んだ。おかげで目を覚ました祥雲だったが、長空と口づけを交わしていると気づいて仰天、慌てて突き放してしまう。一方、従兄を追って川に飛び込んだ鶯時(オウシ)も紫輝(シキ)のおかげで助かっていた。緑荷(リョクカ)を操って祥雲を川に突き落としたのは魔羅(マラ)族の刺客だった。そうとは知らず、緑荷は自分でもなぜ祥雲を突き落としたのか分からないと動揺する。「申し訳ありません、小姐」「それより私を助けてくれた人は誰?」「分かりません、小姐を神仙姐姐と呼んでいました」実は紫輝は鶯時を救うと女媧(ジョカ)石に戻ってしまい、あえなく川底に沈んでいた。長空は祥雲を屋敷へ送り届けた。よりによって初空(チュコン)の純潔を奪ってしまったと怯える祥雲、しかし長空はやむを得なかったと申し訳なさそうに釈明する。「分かってるわ、私を助けるためだったと…でもあなたからしたことよ?あとで懲らしめないで」「君を懲らしめるわけないだろう?」長空は祥雲が鶯時のことで怒って逃げ出したと誤解していた。鶯時は叔父の養女で辺境で育ち、幼い頃に数回ほど会っただけだという。「この件は速やかに解決すると誓う!」(๑・᷄ὢ・᷅๑)…そうしてくれないと本当、困るんですけど…一方、宮中に戻った第3皇子・寧(ネイ)王は祥雲を救えなかった不甲斐なさに苛立っていた。「病弱のふりにはもう飽きた…馮(フウ)都尉を呼べ」実は第2皇子の腹心である馮都尉は寧王の密偵だった。すると馮都尉は寧王に第2皇子から手に入れた陸家の帳簿を差し出す。「最も大事で秘密の役目をそなたに与えよう、領地の文康(ブンコウ)へ行け」陸涼(ルーリィャン)は息子を呼びつけ、武術大会を控えながら川に飛び込むとは何事かと呆れた。しかしこの大会は皇帝が皇子の武術の師を選ぶ大切な腕比べ。長空は陸家がこれ以上、目立っては危険だと警告したが、実直な陸涼は忠誠を尽くして皇子を補佐せねばならないと諭した。「皇帝が望むなら死をも辞さない覚悟だ!」川に落ちたお陰で思いがけず陸家に逗留することになった鶯時。従兄と一つ屋根の下、毎日のように顔を合わせれば許嫁の祥雲など敵ではない。しかし高額の賞金を出すと張り紙をしたにも関わらず、川から救ってくれた恩人は未だ見つからなかった。一方、石のまま川底で一夜を過ごした紫輝は、すでに鶯時が旅館を引き払ったと知った。そこで慌てて恩人の祥雲の元へ駆けつけたが、神仙姐姐は陸家に移ったと知る。紫輝はもう会えなくなると肩を落としたが、筋書き通りになった恩人まで元気がなかった。「鶯時公主との約束も姻縁閣も守れて嬉しいはずなのに…なぜか全く喜べないの」翌朝の朝議、大皇子は国庫が空で辺境も緊迫していることを理由に皇帝の寝殿修繕に反対した。これに陸涼も追従、南西でも干ばつで多くの民が上に苦しんでいる時に重い賦役(ブエキ)は避けるべきだという。第2皇子は父皇の意向を汲んで修繕に賛成したが、陸涼は民の安寧こそが陳国の誉だと諫言、皇帝の不興を買ってしまう。宋勤文(ソンチンウェン)は率直すぎる陸涼に忠告した。諫言するにも言葉を選ぶべき、何より皇帝に軽んじられている大皇子の肩を持つのは危険だという。しかし陸涼は民を思う大皇子をかばい、国のためなら命をかけても諫言すると譲らなかった。武術大会当日、長空は参加者たちから一目置かれていた。騎射の出番が近づくと令嬢たちの黄色い声援が上がり、いやがうえにも目立ってしまう。しかし馬が思いがけず足を負傷し、長空は最初の的を外した。落胆する祥雲たち、その時、陸家の的を縛っていた縄が切れ、来賓席に向かって傾き始める。長空は咄嗟に馬の背を蹴って飛び上がり、3本の矢で的を射て壊すことに成功した。おかげで観客席は無事だったが、長空は無理をしたせいで手首を痛め、思わずその場に膝をついてしまう。そこへ運悪く壊れた的が長空めがけて落ちてきた。驚いた祥雲は無我夢中で馬場に駆け出し、長空を突き飛ばして救う。「祥雲?!命を捨てる気か?!」「私…」「二度と危険なことはするな!分かったか!」長空が祥雲に声を荒げたのはこれが初めてだった。皇帝は誰が的に仕掛けをしたか調べるよう命じ、ともかく皇子たちの師匠を選ぶことにした。すると大皇子が皆を救った陸少将軍こそ相応しいと進言する。しかし大臣が騎射で失敗した陸少将軍を選ぶのは不公平だと難色を示した。「それは手を怪我していたからです!でも一番高い的を射ました!」祥雲は思わず口を挟み、長空から口を慎めと叱られてしまう。その時、寧王から目配せされた大臣が上奏した。「陛下、陸少将軍は目覚ましい戦功を立て、先ほども将の器を見せました 皇子たちの師となるべきではないかと…」「私も賛成です」寧王が上奏すると、重臣たちは一斉に陸長空を推挙した。陸家の行く末を案じた長空は辞退しようとしたが、皇帝から遠回しに圧力をかけられてしまう。「陸少将軍を選ばず、朕が皆から責められても良いと?」「…ご恩に感謝します、陛下」皇帝が回宮、すると内監が陸涼に勅命を伝えに来た。「湘北(ショウホク)が賊に襲われたので兵を出して欲しいと…」一方、祥雲は父から厳しく叱られていた。「長空のためとは言え陛下の前で愚かなことを言うな 宋家と陸家は一蓮托生、陛下を怒らせれば長空にも累が及ぶ」「そんなの知らないもん!私は間違っていない!」祥雲は長空のもとへ戻ったが、長空は父親と一緒に帰るよう促した。…祥雲を巻き込むことはできない、すまない、祥雲…つづく
2024.06.05
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第5話祥雲(ショウウン)の愛読書を探ろうと宋(ソン)家を訪ねた陸長空(ルーチャンコン)。祥雲は急に接近して来た長空に驚いて目をつぶったが、長空の目的は祥雲の肩越しから本の題名を見ることだった。…入我相思門(恋に落ちて)…すると長空はまた来ると断って帰ってしまう。鶯時(オウシ)は客桟の露台から双眼鏡で陸家の門前で雑談している長空と従者・陸放(ルーファン)を眺めていた。「書物を持っているわ…書名は″恋に落ちて″」鶯時は侍女に同じ書を買って来るよう頼んだ。すると隣の客桟にいる紫輝(シキ)が仙力で侍女の書き付けを盗み見る。「″恋に落ちて″か…神仙姐姐は読書が好きなのか」その夜、長空と思いがけず接近した祥雲は胸が高鳴ってなかなか寝付けなかった。「陸長空が初空(チュコン)じゃなければな~ふふ」しかしふと天界での初空を思い出し、慌てて正気を取り戻す。一方、長空は慣れない恋愛小説を読みながら、いつの間にか眠っていた。すると愛しい祥雲と迎える床入りの儀の夢を見る。幸せそうな笑顔で眠る長空、ちょうど同じ頃、祥雲も長空との婚礼の夢を見ていた。『私の記憶がないのに乗じて辱めるつもりか?!』『誤解です!』『斬!』祥雲は記憶を取り戻した長空が剣を振り下ろすところで目が覚めた。「ゼェゼェ~必ず破談にしないと…天界に戻ったら殺される!」祥雲は紫輝が未だ鶯時を見つけられず、ついに必殺技を出した。「新しい花嫁を探すのよ!」そこで祥雲は陸府を訪ね、長空から好みの娘を聞き出すことにした。好みも何も長空が好きなのは祥雲だけ、しかし祥雲は遠慮なく話して欲しいと頼む。…バカだな、君しか眼中にないのに…長空は仕方なく祥雲の特徴を伝えたが、自分のことだと気づいた祥雲はあきらめて帰ってしまう。紫輝は恩人に頼まれ、身分も外見も揃った花嫁候補の絵姿を集めた。しかし祥雲は上の空、自分を一途に思ってくれる長空を思い出してにやけてしまう。その時、不意に初空の顔が浮かんだ。「いかん!姻縁閣を道連れにはできないわ!目を覚ませ!私!」すると祥雲は絵姿の中から武威侯の娘・謝蕙蘭(シャケイラン)を選んだ。灯籠祭りの夜、長空は祥雲を喜ばせる仕掛けを準備して待っていた。宮中でも陸少将軍が許嫁のために店を借り切ったと噂が広まり、第3皇子の耳にも入ってしまう。一方、祥雲は祭りに来た長空の姿を確認、まんまと引っかかったと喜んだ。そこで紫輝にそろそろ謝蕙蘭を連れて来るよう頼む。紫輝は侍女から聞いた装いの娘を発見、しかし娘はちょうど化粧直しの最中で呼びかけても振り向かなかった。「私は陸家の使用人です、小姐、公子が瓊芳花(ケイホウカ)亭でお待ちです」「(え?!表哥が私を?!)支度ができたら行くわ」実はその娘は謝蕙蘭と良く似た衣装を着ていた鶯時だった。その頃、宮中では割れた茶碗で寧王が手首を怪我していた。内監は激怒し、侍女たちを厳しく叱責する。一方、祥雲と紫輝は無事、長空と花嫁候補を引き合わせることができたと満足していた。その時、すぐ近くで謝蕙蘭を呼ぶ声がする。紫輝が振り返ると、そこにも薄紅色の衣に蝶恋花のかんざし、月白色の真珠の花飾りの娘がいた。「なぜ謝小姐が2人?」「ちょっと!誰を行かせたの?!」すると祥雲は橋を渡って来た鶯時に気づいた。「鶯時?!…お手柄だったわね!これで情愛の修行も終了、女媧石の借りも返せるわ~」紫輝はようやく想い人が鶯時だと知り呆然、思わずを追いかけて引き止めてしまう。祥雲は紫輝が邪魔しないよう瓊芳花亭へ駆けつけた。しかし運悪く長空と鉢合わせ、何も知らない長空は祥雲が来たと喜び、今夜のために作った回り灯籠を見せる。すると手作りの走馬灯が回り出し、これまでの2人の思い出が映し出された。「我々は幼なじみ、君は皆に愛され活発だったが、私は内気でいつも後ろから仰ぎ見ていた いつか肩を並べて歩ける時が来たら君を守りたいと願ったよ 私たちは婚姻する年頃になった…これからも一緒にいて欲しい 共に白髪となるまで添い遂げたい、夢は将来たくさんの子供に囲まれることだ」驚いた祥雲はひとりで考えたいと断って長空に離れるよう頼んだ。その間に逃げ場はないか探し始める祥雲、そこへ紫輝を振り切った鶯時が現れる。「表哥!」「なぜここにいる?!」「私を呼んだでしょう?」「私が呼んだのは祥雲だ!」長空は祥雲に誤解だと訴えたが、祥雲は2人で話し合うようなだめて逃げ出してしまう。祭りで賑わう夜市に飛び出した祥雲。長空は祥雲を追いかけ、その後を鶯時が、さらにその後を紫輝が追いかける。するとお忍びで祭りに来ていた寧王が祥雲の腕をつかんで横道に引き込んだ。祥雲は寧王が手首に怪我をしていると気づき、手巾を巻いて手当てする。「怪我をして良かった、宮中では誰も私を気にかけない… 陸少将軍とは幼い頃からの許嫁だとか?なぜ避けるんだい?」「話せば長くなる、と言うか…面倒が嫌なのでこの絆から逃げたいのです」「確かに今の陸家にはあまり関わらない方いい」祥雲は寧王と別れて帰ることにした。すると鶯時が橋の上にいる祥雲を発見、侍女の翠碧(スイヘキ)が祥雲を突き飛ばして川に落としてしまう。騒ぎに気づいた長空は落ちたのが祥雲だと気づいて川に飛び込み、それを見た鶯時も後を追った。さらに鶯時が飛び込むのを見た紫輝まで川に飛び込んでしまう。寧王も思わず祥雲を助けようとしたが、内官と侍衛が止めた。つづく( ̄▽ ̄;)イヤイヤイヤ…どんだけ川深いのよwでも同じくらい深い湯船があったっけ(´゚艸゚)∴ブッ
2024.06.03
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第4話陸長空(ルーチャンコン)との縁談を壊そうと策を巡らす祥雲(シャンユン)。そこで市に出かけて散財させてみたが、長空は全く意に介さなかった。( ๑≧ꇴ≦)<もう!なんなの?!しかしこんなこともあろうかと祥雲は次の策を講じていた。(๑•̀ㅂ•́)و✧<題して″占いの計″よ!長空は祥雲に買わされた山のような荷物を陸放(ルーファン)と翠碧(スイヘキ)に任せ、なぜか機嫌の悪い祥雲を追いかけた。すると通りに流しの占い師に扮した女媧(ジョカ)石の半仙・紫輝(シキ)がいる。「長空、相性を占ってもらいましょう?」紫輝は恩人の指示通り、2人の相性は″呪われた腐れ縁″だと占った。しかし長空はインチキだと一蹴、例えそれが天意だとしても別れないという。「ならば…血塗られた災いは避けられません」「祥雲、こんな占い信じなくて良い、帰るぞ!」焦った祥雲は長空に骨付き肉が食べたいと頼み、その隙に紫輝の元へ戻った。「次の手よ!」「手筈は整っています」そこで祥雲は紫輝に似顔絵を渡し、急ぎ鶯時(オウシ)公主を見つけるよう命じた。祥雲はわざと寂れた道を選んで帰ることにした。すると計画通り曲者が現れる。(´゚艸゚).oO(キター!″嘘から出た実″作戦!祥雲は占い師の予言が当たってしまったと訴えたが、実はその男たちは本物の刺客だった。一方、宮中では第3皇子・寧(ネイ)王が内監から第2皇子の配下が動いたと聞いた。「陸少将軍が危ういやも…」修茗(シゥミン)は動じる様子がなかったが、祥雲が巻き込まれたと知るや否や慌てた。祥雲は紫輝が手配した暴漢だと誤解して自ら人質となった。すると弱みを握られた長空が刺客たちに捕まり、激しく暴行されてしまう。祥雲は予想外の展開に戸惑い、咄嗟に男を蹴り飛ばして長空の元へ逃げた。その機に長空は反撃、驚いた刺客たちは撤収する。竹林では黒い影が機会をうかがっていたが、刺客が退散すると姿を消した。祥雲は自分のせいで深手を負った長空を抱え、途方に暮れていた。しかし折よく馬車が通りかかり、助けてもらうことにする。すると車から修茗が顔を出した。祥雲は屋敷まで送り届けてくれた寧王に感謝した。「礼には及ばぬ、陸少将軍は友だから当然のことだ」(* ゚ェ゚).oO(修茗殿下も忘川の水を飲んだのね…すると寧王は宮中にいる妹の友になってやって欲しいと頼んだ。「もちろんです、いつでも呼びつけてください」祥雲は紫輝を呼び出し激怒した。「芝居を頼んだのに本物が来たわよ?!死ぬところだったわ!」「実は手配した者は金だけもらってとんずらしました」「次はどうするの?!流暢なことを言っていたらあなたの恩人は死んじゃうのよ!」恩人の逆鱗に触れ困惑する紫輝だったが…。翌朝になっても長空は目を覚まさなかった。「長空、あなたにもしものことがあったら私はもう生きていけないわ!」付き添っていた祥雲は涙ながらに訴えたが、その時、ようやく長空が目を覚ました。「本当か?私が死んだら一緒に死ぬと?」「もちろんよ!私が寂れた道に行ったせいでこんなことに」「君は悪くない、私が巻き込んだんだ」長空はあの刺客の標的が自分だと気づいていた。すると祥雲は両親からもらった長命玉を譲り、長空が今生で100歳まで長生きするよう願う。「私がそばにいて看病するから」「本当に?!それならもっと深手を負っても構わないよ」「私の親切を忘れないで、命だけは取らないでね」「ばかだな、殺すわけないだろう?」「じゃあ指切りして!どんな時でも陸長空は祥雲を殺さない!未来永劫…」↓( ̄▽ ̄;)何だその誓い?な長空一方、魔羅(マラ)族は人間に転生した初空(チュコン)の暗殺を企てていた。しかし初空が刺客に襲われた絶好の機会を逃してしまう。「この世で唯一の金の麒麟だ、霊力も記憶も失っているがそう簡単にはいかぬ くれぐれも慎重にな」息子の様子を見に来た陸涼(ルーリィャン)。長空は薬のおかげで動けるようになったが、実は手合わせした刺客が衣の下に刑察(ケイサツ)司の鎧をつけていたという。「馮(フウ)大人の配下か…」「馮大人と親しい二皇子の指図でしょう」そろそろ皇太子争いが激化する頃、長空は陸家が巻き込まれることを懸念したが、陸涼は自分が考えることだと安心させた。「とにかく静養しろ、武術比べも近い、そう言えば3皇子から高価な薬が届いたぞ」長空は自分と祥雲を助けてくれたのが寧王だと聞いた。…でもどうして3皇子があの場所に?…紫輝は祥雲の絵を頼りに鶯時を探していた。しかしかろうじて目と鼻と口があることしか判別できず、鶯時は見つからない。その時、ちょうど願掛けの札を売る露店を見つけた。店主から姻縁祠(インエンシ)で願いが叶うと聞いた紫輝は縁結びが何かも分からず鶯時の名を書いてしまう。実は偶然にも夫との縁を願う鶯時が姻縁祠にいた。祥雲が陸家に見舞いにやって来た。すでに政務に戻っていた長空だったが、陸放の入れ知恵で仮病を使って同情を引くことにする。祥雲はすぐ下手な芝居だと気づき、わざと大袈裟に泣いて心配した。「どうしよう~うわぁぁぁぁ~ん!」祥雲を泣かせてしまった長空は慌ててネタばらしすることにしたが、そこへ運悪く寧王が見舞いにやって来た。「私は子供の頃から身体が弱かったので、多くの治療法を知っている」「(どうするか見ものだわ)お願いします!殿下!」結局、長空は痛くもない腕をボキボキ鳴らされ、祥雲には寧王に礼を言わされてしまう。鶯時は侍女から似顔絵を配って自分を探している男がいると聞いた。興味がない鶯時は本堂を参拝して帰ることにしたが、外は雨。すると侍女が鶯時を探している男を見つけた。そこで鶯時は自ら紫輝に声をかけ、その傘を買い取ると持ちかける。紫輝は鶯時の美しさに圧倒され何も言えず、仕方なく鶯時は銀子をつかませ、傘をもらって帰って行った。「これが愛か…」魔羅山では護法・錦蓮(キンレン)が女媧石の報告を聞いていた。「女媧石が恋をしたようです」「それはいい、あの石がどう動くか見ものだ」しかし未だ行方知れずの聖女は見つからないという。「もしや逃げ回っている間に…」「いいや、私と聖女の心はひとつ、生死を共にする、聖女が死ねば私も死ぬはずだ」長空は寧王が自分に近づく目的が祥雲だと気づいた。思わぬ好敵手の登場に祥雲との距離を早く縮めたい長空。すると陸放が翠碧から小姐は読書が好きだと聞いたという。「普段、どのような書を好まれるかが分かれば…」そこで翌朝、長空は宋(ソン)府に祥雲を訪ねた。一方、鶯時は這(コノ)家客桟から双眼鏡で陸家の門を眺めていた。しかし愛しい従兄・長空の姿は見えない。そんな鶯時の様子を隣の那(アノ)家客桟から紫輝が見ていた。祥雲は庭園でちょうど本を読んでいた。そこで長空は何を読んでいるか探ろうするが、祥雲から暇なら寧王殿下を訪ねるべきだと諌められてしまう。思わず席を立った祥雲、すると慌てて長空が引き留めた。「分かったよ、どんなことでも言う通りにする、何でも叶えるよ」その時、ふいに長空の顔が祥雲に迫って来た。∑(⊙∀⊙)ヒャーーー!何?!つづく
2024.06.02
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安乐传 The Legend Of Anle第37話莫霜(モーシュァン)公主と天灯をあげた韓燁(ハンイェ)。帝梓元(ディヅユアン)を愛するが故に結ばれぬ運命を受け入れながら、帝家の安泰を心から願った。その頃、すっかり憔悴した嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)は帝梓元と接見していた。「そちに謝りたい、英寧(エイネイ)にも帝家にも」「君臣が憎み合うのはどうかこれきりに…」すると皇帝は皇太子が戻ったら2人で今後のことを決めれば良いと笑った。梓元は翎湘楼(レイショウロウ)を訪ねた。洛銘西(ルォミンシー)は梓元を心配させまいと笑顔を見せたが、実はちょうど喀血したばかりだった。すると琳琅(リンロウ)はこらえ切れず、うっかり口を滑らせてしまう。「大丈夫ではありません!大人(ダーレン)はあなたのせいで…あの玉佩の約束は…」「琳琅!下がれっ!」梓元は珍しく声を荒らげた洛銘西に困惑した。「琳琅は心配なのよ、怒ることないのに… これまで何年も私のために無理をさせた、ごめんなさい」「梓元、気にするな、私のことなら心配無用だ」その夜、琳琅はひざまずいて洛銘西に許しを請うた。「琳琅…お前は分をわきまえ道理を知る女子だ、だが今日はどうした?」「帝小姐への想いは太子殿下より勝っているのに、なぜ明かさぬのですか?」「余命わずかの私が明かしたところで何になる?」「でもお二人は許嫁です」しかし洛銘西は太祖の勅命で梓元との縁は切れたと言った。莫霜は献身的に韓燁の目を治療していたが、結局、視力は戻らなかった。そんなある日、莫霜の侍女が駆けつけ、靖国で嘉昌帝の危篤の噂が流れていると報告する。韓燁は父皇が自分を探し出すため、わざと噂を流したと気づいた。国を揺るがしかねない皇帝の健康状態、皇帝の意思がなければ表沙汰になることはない。「戻らねば…馬車を用意してくれないか?」「はお!これで安楽(アンルー)姐姐も喜ぶわね!」夜も更けた宮中、人払いした御宸(ゴシン)殿に吉利(キツリ)の付き添いで韓燁が現れた。皇帝は思わず息子を抱きしめ涙したが、目を負傷して見えないと知る。「安心しろ、必ずその目を治してやる、そう言えば梓元には会ったか?」「いいえ、二度と会うつもりはありません」すると皇帝は父としての願いはひとつ、悔いだけは残すなと諭した。韓燁は吉利に頼んで洛銘西にだけ会うことにした。しかし運悪く翎湘楼から洛銘西が梓元と一緒に出て来る。実は洛銘西は梓元を見送りがてら秘めた想いを告白しようとしていた。「好きなのは…」「あ!気をつけて」荷車に気づいた梓元は咄嗟に道を譲り、洛銘西から離れてしまう。「何て言ったの?」「いいや…私のことはいいから君も無理をするな…」韓燁は吉利と一緒に露店の後ろに隠れていた。「殿下、2人が通り過ぎました、追いますか?」「いいや、やはりやめておこう」韓燁は諦めて引き返すことにしたが、そこに思いがけない男が現れた。「殿下…簡宋(カンソウ)です」簡宋は帝盛天(ディセイテン)に命じられ、皇太子を伏翎(フクレイ)山へ案内した。帝盛天は韓燁の目を治せるかもしれないと話し、梓元がずっと韓燁を探していると教える。しかし韓燁は梓元からも朝廷からも離れると決めていた。「韓燁、私たちの轍を踏まないでちょうだい」「梓元は国にとって必要な人材、ならば敵の私はいない方がいい、過去のことは忘れるべきです」「それは本心なの?…梓元のために死をも恐れず青南(セイナン)山で戦ったのに?」「前輩、梓元のため以上に国のためでした」帝盛天は頑な韓燁に呆れたが、ともかく治療のため山に逗留するよう勧めた。皇帝が危篤の噂を流したせいで、都ではついに帝家が天下を覆すのではと憶測が広まった。梓元は歯牙にも掛けない様子だったが、その日、苑琴(エンキン)が朗報を届けてくれる。「小姐!太子殿下がお戻りになりました!」しかし韓燁は梓元に会いたくないと言っているという。「そんなの関係ないわ」梓元はやつれて見えないよう念入りに化粧して伏翎山に駆けつけた。韓燁はちょうど帝盛天と碁を打っていたが、梓元は韓燁の目が見えないと気づいて呆然となる。すると梓元に気づいた帝盛天は目のことで梓元に会わないのかと聞いた。「体裁を気にするような娘ではないわ」「前輩、彼女は太子の容姿に惹かれて都に来たんですよ?」韓燁は俗っぽい安楽を揶揄したが、ふいに厳しい顔になった。「梓元との間には障害が多すぎます、情勢も不安定な今、梓元に会っても苦しませるだけでしょう」その時、韓燁がうっかり茶碗を落としそうになった。梓元は思わず飛び出し、韓燁に気づかれてしまう。「誰だ?」焦った帝盛天は咄嗟に吉利に目配せ、そこで吉利は帝盛天が連れてきた侍女だと嘘をついた。梓元は新しい茶を入れて韓燁に届けた。すると韓燁から名前を聞かれ、吉利が咄嗟に口がきけないと誤魔化してくれる。梓元は韓燁の手のひらを指でなぞり、子規(ズーグゥイ)と名乗った。しかし侍女も吉利も下がれと追い払われてしまう。韓燁は何やら考え込みながらお茶に口をつけた。すると一口ですぐ侍女の正体に気づいてしまう。「(子規…)ふっ、梓元よ梓元、君が入れたお茶は苦いうえに渋い」洛銘西は韓燁に会うため伏翎山を訪ねた。しかし梓元から目が見えないと聞いて面会を断念、帝盛天に挨拶して行くという。帝盛天は洛銘西との再会を喜んだが、差し入れのお茶を見ると韓燁に会いに来たのだと分かった。「梓元、それで韓燁の様子はどうなの?」「相変わらず″侍女″を下げてばかりよ」すると洛銘西が韓燁は侍女が梓元だと気づいているという。「指摘されない限り侍女でいるわ、それより姑祖母…」「韓燁の目のことね?治るかどうかは薬引の有無にかかっている、開花した長思花(チョウシカ)よ 長思花は靖南でも希少だけれど、どちらにしても都へ運ぶ間に枯れてしまう 北方の気候では種をまいたとしても育てるのは難しい」「でも試してみる、たとえ治らなくても一生、そばにいるわ」帝盛天は洛銘西が淹れてくれた茶を韓燁に届けた。茶を飲んだ韓燁はすぐ洛銘西が来たと分かったが、会いたくないという。「それより前輩からあの侍女に宿下りを命じてくださいませんか?」「私の言葉なら聞くとでも?…あの子の出生以降、私は姿を消していた 苦しい時にも手を貸していない、私に何が言えるというの? 韓燁、立ち去らせたいなら自分で何とかして」帝盛天は仕方なく戻ることにした。その時、一心不乱に駆けてきた帝燼言(ディジンイェン)とぶつかってしまう。「(ドン!)あ、姑祖母…殿下ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」帝燼言は大伯母そっちのけで皇太子と感激の再会を果たした。しかし韓燁の目が見えないと気づいて涙する。「だから今まで戻らなかったのですね…」一方、洛銘西は梓元から昔話を聞いていた。「子供の頃は上京が不満だった、屈辱だと思っていたから… 半月も父に泣いて頼んであなたに付いてきてもらったのよ?ふふっ」そんな梓元を待っていたのは令嬢たちからの嫌がらせだった。子供の頃から眉目秀麗の皇太子は令嬢たちの憧れの的、そこである切り札を使って令嬢たちを撃退したという。「実はね、宗祠(ソウシ)から太祖の遺詔を持ち出して、令嬢たちの前で読み上げさせたの 忠義(チュウギ)侯の娘をやり込めた時は韓燁に見られちゃってね、クスッ 娘が帰った後、韓燁に言われたわ ″おい、君は靖南で太子妃を嫌がって泣いたと聞いた、芝居だったのか?″ ″太祖の遺詔を見せびらかすのは私に満足したからか?″って…」「あの韓燁が皮肉を言うとはな~」「私は恥じ入って逃げ出そうとしたの、でも韓燁が引き止めて言ったわ ″君みたいな女子が好きだ″って…それなのに今は私を遠ざけてる」韓燁は帝燼言には本音を吐露した。「誰にも会いたくなかった、でも日が経つとお前が恋しくなった 私がいなくてもしっかり勉強していたか?」帝燼言は思わず目のせいで姉を避けるのかと聞いたが…。翎湘楼では洛銘西が大事に育てた長思花が蕾を膨らませていた。「もうすぐ咲きそうだな…」洛銘西はぬか喜びさせないよう、開花してから届けるという。しかし琳琅は洛銘西が梓元のために心血を注いで育てたことを知っていた。「確かに梓元を喜ばせるために育てた…だがもし韓燁の目が治ればもっと喜ぶ それがこの花の天命かもしれぬ」その時、洛銘西は激しく血を吐いて倒れてしまう。洛銘西が目を覚ました。琳琅はただの風邪だとごまかしたが、洛銘西は自分がもう長くないと分かっている。つづく※子規(zigui)=子帰(gui)=梓帰(zigui)=梓(元のもとへ)帰
2024.06.01
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