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2007年03月22日
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カテゴリ: 物語。
「ぁいたたた・・・」


「昨日はちと張り切りすぎたかなぁ」
室温とベッド内の温度差に躊躇したが、えいっと気合を入れ上体を起こす。
ベッド横の一人がけのソファに、くたっと丸まっている上着をはおると
前を合わせ、身を震わせた。
内側がボアになっているスリッパに足をつっこむと、隣の部屋へ向かう。

「ありゃ・・」
暖炉の薪はすっかり燃え尽きていた。

フーフーと息を吹きかけ、細い薪をくべると真新しい炎が暖炉を活気付けた。
「わしも燃え尽きんようにせんとなぁ」

揺り椅子の肘部分を掴み、ゆっくりと腰を下ろした。
曲げ木の椅子は、肘掛から脚へと伸びる曲線が美しく軽量だ。
前へ傾いた椅子は体の重みを受け止め、自然に揺れだす。
”幽霊木”(ゆうれいぼく)と呼ばれる木材で造られた作業台には葡萄防具が
整然と並べられていた。
一枚板の天板は、幽霊木から縦に割って切り出し丁寧に磨き上げられたもので
美しく浮かび上がった木目は、水面に墨を流したようだと思った。

「残る・・は、頭と腕だな。」
揺れる視界の中、作業台に並んだ白い防具を眺めていると、輪郭が二重になり、

白いもやが視界を覆い、再び眠りの淵へと飲み込まれていくのに
十秒と掛からなかった。

-----------------------------

「お、でゅーちゃん」
声に振り返ると倉庫に歩いてくる蒼とNakedCityが見えた。

「おはよう~昨日はありがとうね~」
「どういたしまして」

鎧に身を包んだ二人をdukaが見上げる。
「でゅーちゃん、暇?これからエンタ行こうと思うんだけど」
「うん!」
二人と自分を交互に見ると「・・・着替えてから行くね♪」
「うん。エンタの入り口で待ってるよ」蒼はdukaの頭をなでると、NakedCityと共に
倉庫を後にした。途中、フドウも加わり、4人PTとなる。

dukaは家に戻ると倉庫から出して来た【精錬石】の入ったかごをソファへ、
頭にのせた冠をテーブルに置き、白い防具一式を身につける。
「葡萄鎧にファスナーついてたら良いのになぁ・・かぶりって使いにくいw
あ、今度叔父さんに直してもらおうっと」
右手にアイウールと別のかご、左手に盾を持ち、再び冠を頭に載せると
左手首のブレスレットに触れる。「ファン城・・・っと」
フリーテレポートを呼び出すと一番上の”ファン城”を選択する。

ヒュン!!

ファン城のマエル前まで飛ぶと、マエルに朝の挨拶をしてチップを渡し
ウーノス城へワープさせてもらう。
マエルは様々な場所に何人もいて、眠ることも座ることもない。
dukaは、彼らはきっと双子とか三つ子の家系で親戚中同じ顔をしているに
違いない、と思っていた。

ウーノス城端のワープ地点に到着すると、すり鉢状になったコロッセウムのような
場所の階段を駆け上がる。道具屋でポット類を購入しながら呼吸を整えた。
ワープをすると便利だけれど、遠距離を時空をゆがめて移動するため、不思議な
感覚になる。
ウーノス版マエルにエンタイスまでワープさせてもらうと
入り口には既に3人が待っていた。
「お待たせ~」
蒼、NakedCity、フドウに挨拶をすると、dukaは持ってきたかごから
ポットとティーカップを取り出し紅茶を勧める。
「オレはマイカップでb」と言うと、ウォリアーのNakedCityは懐から使い込まれた
銀色のマグカップを取り出す。
マグの蓋を回し開け、珈琲の香りをくゆらせると、エンタイスの入り口で
即席お茶会が始まった。





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最終更新日  2007年03月25日 20時25分18秒
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