有毒飛沫

有毒飛沫

February 25, 2005
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今日は児童文学です。子供が岡田淳さんにはまっていて、クリスマスも誕生日もとにかくこの人の本が欲しいということで、こそあどの森シリーズを始めとして、もう15冊も子供部屋の本棚に納まっています。それでも足りずに図書館から借りてきたのがこの「2分間の冒険」です。

子供が読み終わった後に又借りをして読ませてもらいました。

導入部で、悟はいきなり思いもしない世界に放り込まれてしまいます。この部分は、実は子供の遊びの始まりによく似ています。誰かが唱えた言葉で、いつもの校庭が海になったり砂漠になったりするというのは、誰もが子供の頃体験したことではないでしょうか。ごく自然な入り口が用意されていて、子供はすっと異世界への扉をくぐります。

森の中を彷徨うシーンで、子供向けの本ではなかなか描かれることのない不快さや、嫌な思いをきちんと描いています。そのため、実際に森の中を歩いているような気分になってきます。このあたりで、子供たちは世界に引きこまれていくのでしょう。

怖ろしい存在であるはずの竜に子供たちは圧倒されますが、子供たちの柔軟な心は、そのかないそうにもない敵を倒す方法を考え出します。

しかし、その竜も決して倒されるべきものではありませんでした。ここで子供たちは、先入観がいかに人間の目を曇らせているか、何が真実かを判断することの難しさを、100の言葉で教え込まれるよりもしっかりと、受け取ることができるでしょう。

そして、大事な仲間よりも何よりも、まず自分自身の存在が確かなものであると知ることで、初めて他者に対することができるということを知っていきます。

岡田淳という人は、子供たちを信頼しています。

表面がどうであれ、どんな問題行動をしていたとしても、それはその子自身のせいではなく、その子の中にある、そうせざるを得ない事情というものを、一所懸命探しています。そして、岡田さんが見つけた子供たちそれぞれの事情は、優しく紐解かれ、一人で戦い続けている子供たちの魂を救ってくれるのです。





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Last updated  February 26, 2005 11:44:22 PM
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おこ嬢 @ はじめまして 私もさきほど、読み終えました。 あれが…
うめ@ ジグちゃん 私もジグ、たのしみです!ところでジグち…
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